旧車好きにはたまらない映画がまもなく公開
2025年5月23日より全国順次公開される、『オールドカー~てんとう虫のプロポーズ~』。舞台はすべて鹿児島。主演・哀川翔が演じる主人公を軸に、三代にわたる家族の絆がクルマを通して描かれます。移動手段としてだけでなく、人生の選択や思い出の象徴として登場する旧車たち。便利さばかりが支配する今だからこそ、大切な何かを思い出させてくれる一作です。
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あべこうじ初監督作⋯旧車が紡ぐ愛のかたち
芸人、俳優として活動する、あべこうじ。以前にゆずのPV「地下街」を監督したことがあったが、劇場映画としては初監督を務める。映画『オールドカー~てんとう虫のプロポーズ~』は、すべてのロケが鹿児島で行われた。主演は鹿児島出身の哀川翔。親子三代による、クルマを通じて紡がれる縁や愛情が描かれた良作だ。
鹿児島県霧島市でコンビニエンスストアを経営する源太(哀川翔)。彼の趣味は、通称ハコスカこと自慢の日産3代目「スカイライン2000GT」で、オールドカー愛好者たちと交流すること。そんな折、父親(西岡徳馬)が他界し、妻の千鶴絵(泉ピン子)が「もうすぐ連れて行く」と言い残した。果たして何のことなのか?
疑問を残しつつ源太はその後、知り合いの整備工場で父親の残したスバル「360」を見つける。父親はこのクルマで母親をどこかに連れて行こうとしていたのでは? と考えた源太は、時間をかけて360を綺麗にレストアしていく。そんな日々の中、息子・駆(新原泰佑)の抱える問題が発覚。コンビニ営業も苦しい日々のなか、源太は愛車のハコスカを手放すことを決意した。それはなによりも家族のことを考えての決断だった⋯⋯。
愛すべき登場するオールドカーたち
劇中にはタイトルの「オールドカー」が示すように、印象的な3台の旧車たちが登場する。1台は1968年~1972年まで生産された、日産C10型「スカイライン」。当時はハコスカと呼ばれ、一世を風靡したCMでのキャッチフレーズが「愛のスカイライン」だ。搭載するのはL20型2L直列6気筒SOHCエンジンだが、オーバーフェンダーやエンブレムを装着したGT-R仕様。現在入手しようとしたら数百万円は確実だ。そんな値段がつくハコスカを源太が店の資金繰りや息子のために手放すことを考えるのもやむなしかもしれない。
父親が千鶴絵を乗せて連れて行こうとしたクルマは、若いころに乗っていた、てんとう虫の愛称で呼ばれたスバル360。1958年~1970年まで生産・販売され、その名前の通り排気量は360cc(正確には356cc)の軽自動車。筆者が子どものころには実家に360ヤングSSと、ビートルやカブトムシと呼ばれたフォルクスワーゲン「タイプ1」が同時にあった時期があり、子ども心に「なんで同じクルマが2台あるのだろう?」と思った記憶がある(子どもの目には2台の区別がつかなかったのだ)。
そして源太の妻・和美(鈴木砂羽)が若いころに乗っていたのがトヨタAE86型「スプリンタートレノ」。ふたりでツーリングに出かけていたような描写もあり、かつては走り屋夫婦だったのだろうと推測される。
さて、登場車の話はこれくらいにして、映画の話に戻ろう。映画は全編が鹿児島でロケが行われている。主演の哀川翔は鹿児島出身ということもあり地元感が滲み出てくるような存在を見せる。霧島市、姶良市、鹿児島市、桜島などの景観もオールドカーたちの姿にマッチして見える。
人生には大きな影響や分岐を与えるモノがある
親子三代に続く物語であり、その親子を繋ぐもののひとつにクルマが重要な意味合いを持つわけだが、最新のクルマが出てこない、というのがミソ。それは人の人生に何十年の時間経過があるように、その時代を共に生きたモノが、音楽だったり、書籍だったり、映画だったりが、大きな影響や分岐を与える。それが本作の登場人物たちにはクルマであったわけで。
クルマというものは単純に移動手段だけのものではなく、デザイン、その当時の製作社(者)の思い、流行などさまざまなものが詰まっている。そしてそこに感化された者には「そのクルマでなければならない」という願いや思いがある。そしてその変わらない思いは、家族に対する思いも同じなのだと、本作品は語りかけてくる。
本編に登場するオールドカーたちはマニュアル車全盛の時代。手間がかかったり、運転しづらかったり、燃費が悪かったり、それは自分が選んだ車には仕方なくつきまとうものだった。そしてそれはもしかしたら家族との距離感にも繋がるものがないだろうか。
理解し合いたい、けど分かってもらえない。言いたくても言えないこと。でも最終的には頼りにしてしまうもの。少々強引かもしれないが、オールドカーたちと家族という形は似たような部分もあるような気がするのだ。
道を選ぶ自由が、人生を豊かにする
今後発売されていくであろう、自動運転車などにはそうした感覚は生まれづらいのではないだろうか。カーナビで選んだ場所にクルマが勝手に連れて行ってくれる。それは確かに便利ではあろう。だが、自分が運転しないで、人生や道中の景色を楽しむことはできないのではないだろうか。
自分の人生は自分で選んで進みたい。それでこそ、思い出や幸福は、その人だけのものになるのだから。そんなこともちょっとだけ気づかせてくれる1本だ。
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