この記事をまとめると
■アメリカのレンタカーからアメ車が消えはじめている
エアコン使ってるだけでオーバーヒート! 35年間アメリカのレンタカー旅を続けるライターがアメ車にドハマリした理由
■SUV人気と燃費志向の高まりでセダンがレンタカー市場からも姿を消しつつある
■アメリカンブランドはSUVとBEVに注力しFFセダンは絶滅しつつある
アメリカのレンタカーは日本車・韓国車が主流になりつつある
2025年9月末から2週間ほど南カリフォルニアに滞在したのだが、その間の移動では2台のクルマを乗り継ぎ、そのうちの1台がシボレー・マリブであった。筆者は某大手レンタカー会社の会員になっており、その会員ステータスだと決められた駐車ロットに停めてあるクルマのなかから好きなものを選ぶことができることになっている。ロットからは勝手にレンタカーを乗り出し、出口ゲートで手続きをする仕組みで、予約した車種クラスと違うと料金もしっかり別となる仕組みだ。
ロサンゼルス空港近くの大きな営業所内の決められたロットへ行くと、ありとあらゆる車種クラスが日産車ばかりとなっていた。ほかには韓国系ブランドと、唯一アメリカンブランドのコンパクトSUVがあったのだが、いずれもGMコリア(韓国)製モデルなので途方に暮れていると、レンタカー会社の女性スタッフが声をかけてくれた。
「純粋なアメリカンブランド車を運転したい」と伝えると、「アメリカ車に乗りたい」というのが心に響いたのか、端末で一生懸命探してくれた。そのとき韓国の起亜ブランドのセダンが新たにロットにやってきたので、「あれはアメリカ車じゃないの」と軽くボケのようなものをかまされたのだが、周囲にいた同僚もそれを見て爆笑していた。その後、指定ロット以外の場所まで見に行ってくれて探してくれたのが今回のシボレー・マリブであった。
新型コロナウイルス感染拡大の期間を空け、ひさかたぶりにアメリカを訪れるようになると、筆者の利用するレンタカー会社ではセダンというとマリブばかりとなっていた。トヨタ・カムリと同じサイズとなるのがマリブ。南カリフォルニアはとくにひどいのだが、ガソリンの高値安定が続いており、燃費性能のいいトヨタ・カローラクラスのセダンは、半導体不足などによる生産遅延も重なったためか、一般小売を最優先に配車されたようでレンタカーにはほとんどまわってきていなかった。
いまも程度の差こそあれどそのような傾向が続き、料金もマリブクラスより高い状況が続いている。マリブは半導体不足のときも、衝突被害軽減ブレーキなどの装備を省き、量産を続けることを優先させて出荷していた。それもあって、マリブも含め一時的にアメリカンブランド(フォードなども市場供給を優先し半導体が必要な一部装備を装着せず出荷していた)ばかりがレンタカーとして用意されていた。
コロナ禍以降は筆者の「南カリフォルニアの足」となっていたマリブだが、残念なことに2025年モデルで終売となってしまった。調べてみるとダッジブランドでラインアップされていたFRセダンとなるチャージャー(現状では2ドアクーペになっている)もすでに終売となっているので、アメリカンブランドでセダンをラインアップしているのはキャデラックのみとなり、FFを採用するセダンはアメリカンブランドから消えたことになる。
アメリカでも日本を始め世界的に共通ともいえるのだが、クロスオーバーSUVの人気が高まって久しい。アメリカにおいては、トヨタやレクサス、ホンダ、日産といった日系や韓国系、欧州系が引き続きセダンをラインアップしており、マリブがここのところレンタカー専用車のような位置づけとなっていることからも、アメリカンブランドとしては車種整理を進め、クロスオーバーSUVの拡充や、BEV開発に重点を置きたいということもあるのかもしれない。つまり、「セダン系はアメリカンブランド以外に任せた」といった雰囲気のように筆者は感じている。
乗れば「アメ車らしさ」を味わえるのだが……
マリブ自体は初代が1964年モデルとしてデビューしている由緒正しいモデル。4代目が1983年モデルで終売となり、5代目が15年ほど間を置いて4代目までのFRセダンからFFセダンへと生まれ変わった。最終モデルは2016年モデルとしてデビューした9代目となり、最終的にはカムリ並みに大柄なボディに対して1.5リッターターボエンジンのみとするなどダウンサイジングを進めていた。
実際に運転すると、よくも悪くもアメリカ車というより伝統的なGM(ゼネラルモーターズ)のセダンという感じが強い。あくまで主観としていわせてもらえば、ひとまわり下のサイズ並みかそれ以上の小まわり性能はまさにGM譲り、昔ほどでもないのだが、径の大きめなステアリング、そしてなんともいえない滑らかなステアリングフィールからもGMらしさを感じさせてくれる。
ふた昔ぐらい前ならば3リッターぐらいのV6を積んでいてもおかしくないのだが、ターボ付きということもあり、1.5リッターでもアメリカ車ならではのトルク志向のチューニングが施され、不満のないパフォーマンスを見せてくれていた。
足まわりもアタリは軟らかいのだが、それでいて不安定でもないといった感じなので、長距離(450kmほど1日で走ってみた)走行でも快適であった。長距離といえば、シートも少々「ワイド系」な筆者の身体でも包み込み、適度なホールドや硬さで、長距離運転していても疲れが少ないというのも筆者が好んでマリブを選んできた理由のひとつであった。
「それでは日本でも……」となりがちだが、日本でもすでにセダンは「オワコン」状況となっているし、そもそもカムリクラスのボディサイズであり、ここのところはアメリカ国内専売車的位置付けだったので、海外展開は考えていなかったように見える。そもそもアメリカ国内でも終売となったのだから日本市場でその可能性があったとも考えることはできないだろう。
クルマとしては、燃費性能が日本車に比べて見劣りしてしまうのがアメリカンブランドで、いまの南カリフォルニアではまずそこが致命傷となってしまう。また、残価設定含むローンやリースで買うのが一般的なので、再販価値が低めとなっていることも消費者が避ける傾向を助長しているように見える。
アメリカという自国に特別の思いがあるひとや、「バイ・アメリカン」志向なひと以外は、アメリカンブランドお得意の大型ピックアップトラックでも、ハイブリッドユニットで攻めるトヨタ・タンドラに勢いでリードされてしまっているのが、南カリフォルニアでのアメリカンブランド車の位置付けとなっている。
そして、よほどの地方部ではない限り、南カリフォルニアほどではないものの消費者動向は同じと考えてよいので、アメリカンブランドからセダンがほぼ消えてしまったといってもいいだろう。地方部ではまだまだアメリカンブランド車が目立つが、主役はピックアップトラックやそれをベースとしたSUVとなる。
いまの流れをみると、今後、南カリフォルニアを訪れると日産もしくは韓国系ブランドのなかから借りるクルマを選ぶことになりそうだ。アメリカにせっかくきたのだからアメリカ車にという選択は筆者の利用しているレンタカー会社では、今後さらに困難を極めそうである。かつては「セダンが当たり前」だったアメリカで実用セダンがなくなったというのは、意外なほど大きなトピックであると筆者は強く感じている。
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