金一封が支給されることがある
クルマを現金一括払いで買おうとディーラーに行くと、営業マンから分割払いを勧められることがある。「手元に現金を残しておいた方が安心です」という殺し文句だが、ファイナンシャルプランナーのように裏付けされた根拠に基づいているわけではない。では、なぜ彼らは顧客に分割払いでクルマを買わせたがるのか。
意外と知らない? インターチェンジの近くに「ラブホテル」がやたらと多い理由
特定の時期やタイミングがない限り、分割払いでクルマを売っても営業マンに支払われるインセンティブ(歩合)の額は変わらない。営業マンからすれば、現金一括払いでクルマを売ってもローンで売っても給料は変わらない。
しかし、会社はキャンペーンの一環として、営業マンに分割払い、特に残価設定型クレジット(残クレ。車両本体価格の一部を残価としてあらかじめ設定し、残りの金額を分割払いするクレジット)や個人リースを利用した販売促進を強要することがある。
このとき、一定の台数目標を達成すると、会社から金一封が支給されることもある。ただ、基本的にこのようなキャンペーンは毎月行われるわけではない。
手数料がもらえる
分割払いで契約が成立した場合、営業マン個人には反映されない手数料が会社に支払われる。ローン会社はその手数料をいわゆる「紹介料」として会社に支払う。
ローン会社は自らクルマを販売するわけではないので、提携ディーラーがローンを獲得できなければ、会社の存続に影響する。クルマを購入したユーザーが支払う金利がローン会社の利益となるが、その利益を手数料として支払っても、ローン会社はディーラーにユーザー獲得の促進を依頼しているのが実情だ。
ローン会社は
・メーカー系
・信販系
にわけられ、メーカー系ディーラーは基本的にメーカー系のローン会社を通す。信販系のローンは、メーカー系よりも金利が高いが、審査に通りやすい。そのため、メーカー系ローンの審査が通らなかった場合の保険として利用されることが多い。これは裏話である。
買い替えを提案しやすい
営業マンが分割購入を勧める理由はもうひとつある。それは、定期的に買い替えを提案しやすいからだ。「歩合がもらえる」というほかに、ふたつの理由があることを覚えておく価値がある。
・ローン変更の提案
買ってから一定期間が経過したクルマであれば、下取り価格は、新車価格と相殺できる。例えば、5年ローンで購入したクルマであれば、3年目の初回車検のタイミングが一番提案しやすい。車検にかかる基本料金と、車検後に交換が必要になるタイヤやバッテリーなどの部品代を算出し、頭金を支払えば新車に乗り換えられるという選択肢を提示するのが一般的になりつつある。
もちろん、下取り価格がローン残債を上回り、次のクルマの価格(値引きを含む)を考慮した場合であり、同じ条件でローンを組んだ場合、支払額は今と同じだが、条件が合えば提案するというものだ。ただ、あと2年で完済できるのに、新たにローンを組むとさらに支払期間が延びる懸念があるが、現金でクルマを購入したユーザーに新車買い替えの提案をするよりは、営業マンのハードルは低い。
・ローン完済期間に合わせた提案
前述の買い替え提案がうまくいかなかった場合の次のタイミングは、ローンの完済時期に合わせた新たな提案だ。5年ローンで購入したクルマであれば、2回目の車検のタイミングはローンの最終返済時期と重なる。下取り査定額を出してもらい、車検費用を計算し、これらを頭金にすれば、ほぼ同じ支払額になるため、このタイミングで提案しようとする営業マンは多い。
ただし、最近は新車価格が高騰しているので、同じクルマでも月々の支払額は高くなる可能性がある。ここが営業マンの腕の見せ所で、「燃費がいい」「故障の心配がない」とか、巧みな話術でユーザーを誘惑しようとする。
定期的にクルマを売れる
最近流行の残クレもそうだが、期間の定めのある個人リースでクルマを売った場合、必ずリース終了時にクルマを買い替えなければならない時期が来る。
現金や一般的なローンで販売した場合、そのタイミングは7年以上になることもあるが、残クレやリースの場合、買い替え時期は通常5年。そのため、新車の営業マンも無理なく買い替え(乗り換え)にアプローチしやすいし、クルマを買って乗っているユーザーを知っているので商談にも入りやすい。
また、ユーザーから回収したクルマを中古車として再販することで、新たな利益を生み出しやすいのも残クレやリースのメリットだ。
契約数の目標がある
ローンやリースの契約数が営業マン個人に明確に割り振られていなくても、ディーラーを運営する会社には、原則として契約数の目標(ノルマ)がある。
そのため、店舗ごとに目標数値が割り振られ、結果的にノルマのような形になってしまうことがある。
つまり、商談の過程で、担当顧客が現金払いを希望していても、残クレやリース購入のシミュレーションを提示し、顧客に勧めることになる。
裏技的な支払い方法になるが、「ローン3回払い」という形で関係を求めてくる可能性もある。店側からすれば、何回払いでもローン申し込み実績になるからだ。
もしそのような申し出を受けたら、支払う金利を割り引いてもらうことを忘れずに。なぜなら、その提案をうのみにして契約してしまうと、数千円~1万円ほど出費がかさむことになりかねないのだ。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
ホンダ新型「プレリュード」初公開! 2ドアクーペの「スペシャリティカー」発売へ! “復活宣言”かつてのオーナーはどう思う?
トヨタ新型「ハイラックス チャンプ」発表! アンダー200万円で5速MT設定あり! 全長5m超えの「IMV 0」タイで受注開始
斬新すぎる「和製スーパーカー」出現! 全幅2m超え&「ヘビ顔」採用の“超激レア”モデルが英で落札
押したこと無い!“クルマが踊ってる絵”が描かれた「謎のスイッチ」押しても良いの? みんな意外と知らない「使い方」とは
CX-5にGR86……せっかく新車買うなら長く乗りたいよね!!! 「10年乗っても飽きない」国産車7選
みんなのコメント
会社が儲かることを勧めるのは普通のこと。