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次のモデルが出るまでがんばった! 進化への布石だった車3選

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次のモデルが出るまでがんばった! 進化への布石だった車3選

■次の世代のために必要だったクルマとは!?

 各自動車メーカーから毎年数多くの新型車が発売されますが、そうしたモデルのなかには、コンセプトやメカニズムが一新されるケースも珍しくありません。

ホンダ 新型「シティ」世界初公開!

 一方、注目される新型車の影で1世代前のモデルは、与えられた使命を終えることで、急激に忘れられてしまうこともあります。

 そこで、ヒットした新型車登場の布石となったようなモデルを、3車種ピックアップして紹介します。

●マツダ「ボンゴフレンディ」

 2020年5月に生産を終了したマツダの商用車「ボンゴ」は、1966年に初代が発売され、長い歴史を刻んできました。

 初代はキャブオーバースタイルの外観に4輪独立懸架を採用したトラック、商用バン、乗用ワゴンの「コーチ」をラインナップし、代を重ねていきます。

 そして1995年に、「ボンゴワゴン」の後継車として、セミキャブオーバースタイルのミニバン「ボンゴフレンディ」を発売。

 ボンゴフレンディの最大の特徴は、キャンピングカーのようにルーフ部分を電動で持ち上げることで展開される「オートフリートップ」搭載車をラインナップしていたことです。

 1列目と2列目シート間の天井にあるアクセスホールからルーフ上へアクセスでき、その広さは大人2人が就寝するのにも十分なスペースで、アウトドア派のユーザーからは高い人気を得ます。

 しかし、他メーカーのミニバンがFF化するなか、エンジンを前席下に搭載する旧来のFRだったため、床面が高く室内はライバルよりも狭くなっていました。

 ボンゴフレンディは車中泊ブーム、キャンプ人気を先取りしたモデルでしたが、次第に販売は低迷し、2005年に生産を終了。

 後継車は2008年発売の「ビアンテ」で、当然ながらFFとなり、とくに広い室内空間をアピールしていました。

●三菱「ギャラン VR-4」

 1987年、三菱は世界ラリー選手権に参戦することを目的に、次世代の高性能車「ギャランVR-4」を発売しました。

 ベースとなった6代目ギャランは5ナンバーサイズのスクエアボディで、剛性を重視しながら居住空間にも配慮し1440mmまで全高が高められていました。

 外観では、フォグランプ埋め込み型のフロント大型バンパーと、角型4灯ヘッドライトと薄いフロントグリルによる「逆スラントノーズ」により、力強さを秘めたフロントフェイスを採用。

 また、ドライバーの視界を確保しやすい大きめのグラスエリアを持つキャビンに、ややショートなトランクと全体のバランスに優れ、安定感のある印象を醸し出していました。

 搭載されたエンジンは、2リッター直列4気筒DOHCターボで、当時クラス最強の最高出力205馬力を発揮。最終仕様では最高出力240馬力に到達するなど、おとなしい外観からは想像がつかないほどの動力性能を誇っていました。

 ギャランVR-4は高い動力性能を誇りながらも、優れた乗り心地やドライバビリティも考慮されており、新世代の高性能セダンとして人気を博します。

 そして、当初の目的だった世界ラリー選手権(WRC)での勝利も獲得でき、「ランサーエボリューション」シリーズ登場の布石となりました。

 その後、ギャランはボディを大型化し、ラグジュアリー路線へとシフトします。

■大ヒットしたコンパクトカーの前作はどうだった!?

●ホンダ「ロゴ」

 ホンダは1996年に、「シビック」の下位に位置していた「シティ」の後継車「ロゴ」を発売。

 66馬力を発揮する1.3リッター直列4気筒エンジンに5速MT、3速AT、CVTを組み合わせ、790kgから860kgと軽量な車体だったことで、ベーシックカーとしては十分な性能のクルマでした。

 また、運転席用エアバッグを全車に標準装備し、高い乗員保護性能を持つ新設計シャシを採用するなど、安全面にも注力したモデルです。

 ボディタイプは3ドアと5ドアを設定し、価格は3ドアの廉価グレード(5速MT)で77万円(消費税含まず)からと、ライバルに対してかなり戦略的な価格設定がされていました、

 しかし、外観のデザインは大きな特徴がない地味な印象で、2回のフェイスリフトがおこなわれましたが、販売台数は低迷してしまい、2001年に生産を終了。

 同年、シャシからエンジンまで新設計された後継車の「フィット」が発売され、空前の大ヒットを記録したことから、ロゴはつなぎの役割になってしまいました。

 一方で、ロゴとシャシを共有するモデルとして、クロスオーバーSUVの「HR-V」や、トールワゴンの「キャパ」が誕生するなど、一定の役割を果たしたといえます。

※ ※ ※

 大ヒットを記録するクルマがある影で、ヒットに恵まれなかったモデルもあります。

 そうしたモデルはマイナーチェンジでテコ入れをおこない、装備の充実やエンジン性能の向上、なかにはフロントフェイスのデザインを一新することもあります。

 各メーカーとも新型車の開発をおこなう際は、入念な市場リサーチをおこない、デザインもいくつもの案から選ぶのですが、それでも販売目標をクリアできないケースもあるため、いかに新型車開発が難しいかが伺えるのではないでしょうか。

文:くるまのニュース くるまのニュース編集部
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みんなのコメント

6件
  • 新型フィットが発表された時になぜかロゴが思い浮かんだ。
  • 結果的に、繋ぎみたいになっちゃったけど、設計者は繋ぎで作っては無いハズ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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