コロナ禍で高まる車需要。生活に欠かせない足として、あるいは、移動するプライベート空間として、カーライフの重要性・必要性を感じている人も多いことだろう。
そんな「カーライフ」に関する実態調査がこのほど、ソニー損害保険株式会社により、自家用車を所有し、月に1回以上車を運転する18歳~59歳の男女を対象にして実施された。その結果、1,000名の有効回答を得たので、以下にて紹介していく。
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【運転実態と車の維持費】
■1ヵ月あたりの車の維持費は平均10,900円、調査開始以来最も低い水準に
自家用車を所有し、月に1回以上車を運転する18歳~59歳の男女1,000名(全回答者)に、年間走行距離を聞いたところ、「3,000km超5,000km以下」(33.1%)や「5,000km超7,000km以下」(19.1%)との回答が多く、年間走行距離の平均は6,017kmとなった。
男女別にみると、年間走行距離の平均は、男性は6,293km、女性は5,741kmで、男性の平均走行距離のほうが552km長い。(図1)
(図1)
昨年の調査結果と比較すると、年間走行距離の平均は2019年6,316km→2020年6,017kmと、299km短くなったようだ。(図2)
(図2)
次に、車の維持費や負担感について質問した。1ヵ月あたりの車の維持費(※1)を聞いたところ、「5,000円~10,000円未満」(37.7%)や「5,000円未満」(23.3%)、「10,000円~15,000円未満」(18.8%)との回答が多く、維持費の平均は10,900円(※2)だ。
主に運転している車のボディタイプ別にみると、維持費の平均が最も低くなったのは軽自動車の8,100円、最も高くなったのはSUV・クロカンの15,400円(※3)。(図3)
(図3)
過去の調査結果と比較すると、維持費の平均は2019年12,400円→2020年10,900円と、1,500円低くなり、調査開始以来最も低い結果に。コロナ禍で外出を控えていたため、今年は外出に伴うガソリン代・燃料代や外出先の駐車場代などがかからなかったという方が多いのではないだろうか。(図4)
(図4)
(※1):保険料、ガソリン代・燃料代、駐車場代、修理代等のことで、税金、ローン返済、有料道路通行料は除く。
(※2):100円未満は四捨五入
(※3):オープン・クーペは参考値のため分析対象から除外
また、車の諸経費で負担に感じるものを聞いたところ、「自動車税」(67.9%)が最も高く、次いで、「車検・点検費」(64.6%)、「自動車保険料」(51.6%)、「ガソリン代・燃料代」(50.9%)、「駐車場代」(22.4%)、「修理代」(19.0%)となった。
居住地別(※4)にみると、「駐車場代」は都市部では45.1%と、地方(18.6%)に比べて26.5ポイント高い。(図5)
(図5)
過去の調査結果と比較すると、「ガソリン代・燃料代」は2018年58.7%→2019年53.5%→2020年50.9%と、2年連続で下降した。ガソリン価格が下がっているためか、ガソリン代・燃料代に対する負担感は徐々に和らいでいるようだ。(図6)
(図6)
(※4):市・区における人口ランキングの上位都市である、北海道札幌市、東京都23区、神奈川県横浜市、愛知県名古屋市、京都府京都市、大阪府大阪市、兵庫県神戸市、福岡県福岡市を「都市部」とし、それ以外を「地方」とした。
■ガソリンはどのタイミングで入れる?最多は「残量が1/4以下になったら」50.9%
続いて、給油について質問した。全回答者1,000名に、どのタイミングでガソリンを入れることが多いか聞いたところ、「少しでも減ったら」は3.6%、「残量が3/4以下になったら」は7.4%、「残量が半分以下になったら」は24.7%、「残量が1/4以下になったら」は50.9%、「警告灯がついたら」は13.4%となった。
ガソリンの残量が1/4以下になったことを目安に給油をしている方が多いようだ。(図7)
(図7)
また、ガソリンを入れる際、どのように入れることが多いか聞いたところ、「満タンまで入れる」は75.1%、「一定の金額分を入れる」は20.0%、「一定の量を入れる(残量にかかわらず)」は4.0%、「残量が一定の量になるように入れる」は0.9%となった。(図8)
(図8)
では、一定額を入れる場合や一定量を入れる場合、金額や量をどのくらいで考えている方が多いのだろうか。
ガソリンを入れる際に一定の金額分を入れることが多い方200名に、いくら分を入れているか聞いたところ、「2,000円~3,000円未満」(40.5%)に最も多くの回答が集まった。
回答した金額にしている理由をみると、「そんなに乗らないから」(1,000円)や「ちょうどよい量になるから」(2,000円)、「満タン近くになるから」(3,000円)といった回答が挙げられた。(図9)
(図9)
他方、ガソリンを入れる際に一定の量を入れることが多い方40名に、毎回どのくらいの量を入れているか聞いたところ、「20リットル~30リットル未満」(52.5%)に最も多くの回答が集まった。
回答した量にしている理由をみると、「1ヵ月分の量だから」(10リットル)や「満タンだと車が重く感じるから」(20リットル)、「15リットルごとにクーポンがもらえるから」(30リットル)、「ポイントを多くもらいたいから」(40リットル)といったコメントが挙げられた。(図10)
(図10)
■「1人で運転するときはマスクを外す」74.5%
全回答者1,000名に、自分で運転をするときや、自分以外の人の運転する車に乗せてもらうときのマスク着用状況について質問した。
自分で運転をするときのマスク着用状況についてみると、【1人で運転するとき】では「着用する」は23.8%、「外す」は74.5%に。車に自分1人だけが乗っている場合には、マスクは着けないという方が多いようだ。
自分以外の人を乗せて運転をするシーンについてみると、【家族を乗せて運転するとき】では「着用する」は32.1%となったのに対し、【家族以外の人を乗せて運転するとき】では「着用する」は58.6%と半数を上回った。
家族を乗せる場合とは異なり、家族以外の人を乗せる場合にはマスクを着用して感染症対策を強化しようとしている方が多いことがわかる。そのほか、【子どもや年配者を乗せて運転するとき】では「着用する」は40.9%、「外す」は23.7%となった。(図11)
(図11)
また、自分以外の人の運転する車に乗せてもらうときのマスク着用状況についてみると、【家族の車に乗せてもらうとき】では「着用する」は33.9%となったのに対し、【家族以外の車に乗せてもらうとき】では「着用する」は64.4%だった。(図12)
(図12)
さらに、【短時間(合計30分以内)の運転をするとき】では「着用する」は30.0%、「外す」は66.1%になった。(図13)
(図13)
【今乗っている車・次に乗りたい車】
■今乗っている車「軽自動車」37.4%、10代・20代女性では55.2%
全回答者1,000名に、主に運転している車のボディタイプを聞いたところ、「軽自動車」(37.4%)が最も多く、次いで、「コンパクトカー」(19.5%)、「ミニバン」(16.3%)、「SUV・クロカン」(9.4%)、「セダン」(8.9%)、「ステーションワゴン」(5.7%)という結果になった。
男女別にみると、「軽自動車」は男性27.2%、女性47.6%と、女性のほうが20.4ポイント高く、半数近い。男女・年代別にみると、「軽自動車」は10代・20代女性(55.2%)と50代女性(54.4%)では半数を上回った。若年層の女性やシニア女性には、軽自動車ドライバーが多いようだ。(図14)
(図14)
昨年の調査結果と比較すると、「軽自動車」は2019年37.4%→2020年37.4%と横ばいとなった一方、「コンパクトカー」は2019年15.1%→2020年19.5%とやや上昇傾向がみられた。(図15,16)
(図15)
(図16)
主に運転している車の燃料(エンジン)タイプを聞いたところ、「ガソリン自動車」(82.7%)が突出して多く、以降、「ハイブリッド自動車(HV)」(11.5%)、「クリーンディーゼル自動車(CDV)」(3.3%)が続いた。(図17)
(図17)
また、全回答者1,000名に、次に買替える時に購入したい車について質問した。
車を買替える時に購入したい車の燃料(エンジン)タイプについて、購入したい車の燃料(エンジン)タイプを考えている方(=「わからない」と回答した方を除いた754名)の回答をみると、「ガソリン自動車」(56.4%)が最も多く、以降、「ハイブリッド自動車(HV)」(29.7%)となった。(図18)
(図18)
さらに、購入する車の候補として人気があるのはどの車種なのだろうか。
車を買替える時に最も購入したい車のメーカー・ブランドが決まっている方808名に、最も購入したいと思う車(車種)を聞いたところ、1位「N-BOX(ホンダ)」(6.4%)、2位「アクア(トヨタ)」(5.4%)、3位「シエンタ(トヨタ)」「プリウス(トヨタ)」「ハリアー(トヨタ)」(いずれも2.8%)と、ホンダとトヨタの車が上位を占める結果となった。(図19)
(図19)
男女別にみると、男性では1位「アクア(トヨタ)」(6.3%)、2位「N-BOX(ホンダ)」(4.7%)、3位「ハリアー(トヨタ)」(4.0%)、女性では1位「N-BOX(ホンダ)」(8.5%)、2位「アクア(トヨタ)」(4.5%)、3位「ムーヴキャンバス(ダイハツ)」「タント(ダイハツ)」(いずれも4.0%)となった。(図20)
(図20)
【自動車事故/高速道路一部区間の最高速度引上げに関する意識】
■車社会で恐怖を感じることドライバーの半数以上が「あおり運転による事故」と回答
全回答者1,000名に、車社会で過ごすなかで、最近恐怖を感じること(体験したことに限らず、ニュースなどで知ったことを含む)は何かを聞いたところ、1位は「あおり運転による事故」(56.0%)だった。
あおり運転が原因となった事故についてニュースなどで見聞きすることが多いためか、あおり運転やあおり運転による事故に対し恐怖感を抱いているドライバーが多いようだ。
次いで、2位は「高齢者・高齢運転者との事故」(47.5%)、3位は「ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故」(47.2%)、4位は「飲酒運転による事故」(41.0%)、5位は「スマホ・携帯電話のながら運転による事故」(34.5%)となった。(図21)
(図21)
■「高速道路の一部区間の最高速度引上げでこれまでよりも便利になると思う」62.6%
高速道路の一部区間の最高速度引上げ(時速100kmから時速120kmへの引上げ)について聞いた。
【高速道路はこれまでよりも便利になると思う】では、「非常にそう思う」は13.3%、「ややそう思う」は49.3%で、合計した『そう思う(計)』は62.6%となった。最高速度引上げにより、移動にかかる時間が減ることを利点に感じている方が多いようだ。
【(自分が)最高速度が時速120kmの区間を走行するときは時速120kmで走行すると思う】では『そう思う(計)』は59.1%となった。最高速度が引上げられることで交通違反や事故が増える可能性についてはどのように感じている人が多いのだろうか。
【高速道路でスピード違反をする車が増えると思う】では『そう思う(計)』は62.2%、【高速道路での事故がこれまでより増えると思う】では『そう思う(計)』は67.0%となった。
試験的に最高速度を時速120kmに引上げていた期間の死傷事故件数や発生率は試験前と比べて大きな変化はなかったといわれているが、最高速度の引上げにより違反や事故が増えるリスクを感じているドライバーは多いようだ。
また、【高速道路を走行することがこれまでより怖くなると思う】では『そう思う(計)』は65.9%となった。(図22)
(図22)
【あおり運転対策/安全運転支援機能/ドライブレコーダーを選ぶ際に重視する点】
■あおり運転対策として効果があると思うもの「ドライブレコーダー設置」がダントツ
全回答者1,000名に、あおり運転の対策として効果があると思うものを聞いたところ、「ドライブレコーダーを設置する」(72.6%)が最も多くなった。ドライブレコーダーを設置しておくことで、あおり運転といった危険運転の抑止につながると感じている方が多いことがわかった。
以降、「車間距離を広く取る」(53.3%)、「無理な割り込みをしない」(42.4%)、「余裕のある車線変更を行う」(40.5%)、「頻繁に車線変更をしない」(30.8%)が続いた。(図23)
(図23)
次に、自分が主に運転している車に安全運転を支援する機能や装置を付けているかどうか質問した。
搭載率(「すでに付いている」と回答した方の割合)は、【ドライブレコーダー(車両の走行状態や事故状況を録画する装置)】は31.9%、【自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)】は26.1%、【車線逸脱防止支援システム(車両のふらつきや車線からのはみだしをお知らせする機能)】は24.3%、【定速走行・車間距離制御装置/ACC(アダプティブクルーズコントロール)】は18.1%、【死角検知機能(自車の斜め後方など、死角に車がいたらお知らせする機能)】は13.6%、【歩行者用エアバッグ(歩行者と衝突時に作動する、歩行者用の衝撃緩和装置)】は8.4%。提示した機能・装置のなかでは、ドライブレコーダーの搭載率が最も高かった。(図24)
(図24)
昨年の調査結果と比較すると、【自動ブレーキ】の搭載率は2019年23.5%→2020年26.1%と微増、【ドライブレコーダー】の搭載率は2019年32.1%→2020年31.9%とほぼ同水準という結果になった。(図25)
(図25)
ドライブレコーダーを選ぶ際、どのような点がポイントとなるのだろうか。
自分が運転する車にドライブレコーダーを付けている方319名に、ドライブレコーダーを選ぶ際に重視した点を聞いたところ、「画質が良い」(46.7%)が最も多く、次いで、「前後の映像を記録できる」(33.2%)、「夜間でも映像を記録できる」(31.7%)、「全方位の映像を記録できる」(24.8%)、「信号の色がはっきりと記録できる」(23.5%)となった。(図26)
(図26)
【カーライフ×エンタメ】
■一日警察署長をやってほしい有名人、1位「横浜流星」「木村拓哉」、3位「有村架純」
最後に、全回答者1,000名に、“カーライフとエンタメ”について質問した。
交通安全運動のPRのために一日警察署長をやってほしいと思う有名人を聞いたところ、1位「横浜流星」と「木村拓哉」(いずれも18件)、3位「有村架純」(16件)、4位「橋本環奈」(15件)、5位「浜辺美波」(13件)となった。(図27)
(図27)
また、初めてのドライブデートでかけたい曲を聞いたところ、1位は「中央フリーウェイ(荒井由実)」(20件)、2位は「Happiness(嵐)」(9件)、3位は「Lemon(米津玄師)」「ドライブ(ケツメイシ)」「夏色(ゆず)」(いずれも8件)となった。(図28)
(図28)
1位に挙げられた曲を年代別にみると、10代・20代では「Driver'sHigh(L'Arc~en~Ciel)」、30代では「夏色(ゆず)」、40代では「OverDrive(JUDYANDMARY)」、50代では「中央フリーウェイ(荒井由実)」となった。(図29)
(図29)
<調査概要>
調査タイトル:2020年全国カーライフ実態調査
調査対象:ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする
自家用車を所有し月に1回以上車を運転する18歳~59歳の男女
(10代・20代、30代、40代、50代、男女各125名)
調査期間:2020年10月23日~10月26日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:1,000サンプル(有効回答から1,000サンプルを抽出)
実施機関:ネットエイジア株式会社
調査協力会社:ネットエイジア株式会社
出典元:ソニー損害保険株式会社
https://www.sonysonpo.co.jp/
構成/こじへい
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