現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 世界に1台、フロリダの海を纏うV12。アストン「ヴァンキッシュ・ヴォランテ」の美学

ここから本文です

世界に1台、フロリダの海を纏うV12。アストン「ヴァンキッシュ・ヴォランテ」の美学

掲載
世界に1台、フロリダの海を纏うV12。アストン「ヴァンキッシュ・ヴォランテ」の美学

「Q by Aston Martin」が仕立てた碧きワンオフ。フロリダの教育支援へ捧ぐ

米国フロリダ州のアストン・マーティン・ネープルズは2026年1月29日、同ブランドのビスポーク部門である「Q by Aston Martin」によって製作された、世界でただ1台の特別限定モデル「ヴァンキッシュ・ヴォランテ ウェーブエディション」を発表した。この車両は、フラッグシップとしての圧倒的なパフォーマンスと芸術性を融合させたワンオフモデルであり、1月31日に開催の「ネープルズ・ウィンター・ワイン・フェスティバル」にて、地元の児童教育財団へのチャリティを目的にオークションへ出品された。

【新車】伝説のヴェイロン、1600馬力で新生。ブガッティがピエヒ博士に捧ぐ「F.K.P. オマージュ」

【画像9枚】息を呑む「碧」の深さ。フロリダの波を完全再現した、世界に1台の「ヴァンキッシュ」詳細写真

サファイアの輝きに宿る「動」の哲学。波のリズムを刻むビスポークの流儀

「ウェーブエディション」という名の通り、このモデルはフロリダ湾岸エリアの水と波の動きを再現するように設計されている。デザインチームはコリアー郡の手つかずの海岸線からインスピレーションを得て、水の動きが持つリズムや反射、そして静けさを車両全体で表現した。その最大の特徴は、「動」と「静」という二面性にある。エクステリアはエネルギーとダイナミズムによって定義されており、見る者に強烈な印象を与える仕上がりとなっている。

ボディカラーには「Qイリデセント・サファイア」が採用された。これは、南フロリダのエバーグレーズ周辺の水面の動きに触発された魅惑的なブルーの塗装であり、微かにグリーンの輝きを放つダイナミックな色彩が特徴である。この特別なペイントに、グロスブラックの着色カーボンファイバー製アッパーおよびロアパッケージが組み合わされ、さらにボディカラー同色のアッパーペイントスキームを拡張することで、流麗なシルエットが強調されている。

また、海岸の岩に打ち寄せる波をイメージした「クラブスポーツ・ホワイト」の特注カラーリングが、グロスブラックのカーボンファイバー部分に施されている点も見逃せない。このカラーリングは本モデル専用にデザインされたもので、エネルギッシュな波の感覚を表現するために、下部のピンストライプをはじめ、F1マシンにインスパイアされたボンネットのサーモス・ルーバー、サイドフェンダー、リアシールドに繊細なラインが描かれている。さらに、フロリダの沿岸水域を示す赤いブイへのさりげないオマージュとして、ブレーキキャリパーには鮮烈なレッドが採用され、デザイン上の絶妙なコントラストを生み出している。サイドストレークにはホワイトでV12のロゴが配され、波のカラーリングと呼応するデザインとなっている。

荒ぶる魂を包み込む「静」のキャビン。氷河のごとき白が演出する世界観

エネルギッシュなエクステリアとは対照的に、インテリアは視覚的なテンポを反転させ、静寂とバランスを呼び覚ます穏やかで光に満ちた空間が広がっている。キャビンは「グレイシャー・ホワイト」を主要色とし、グロスブラックのカーボンファイバーによるディテールが組み合わされている。ここでは、ペールブルーのコントラストステッチとウェルトが採用されており、これらは流れるような波の頂点を抽象的に解釈した特注の「ウェーブ・モチーフ」として、ヘッドレストへの刺繍やシルプレートへの刻印に用いられている。

ショルダーストラップにはアストン・マーティンのウィングロゴがステッチされ、エレガントな雰囲気を高めている。また、キャビン後方のカーボンファイバー製クロスブレースには、エクステリアと同様にクラブスポーツ・ホワイトのピンストライプが施されており、外装と内装のデザイン的な連続性が保たれている。インテリアにおけるアクセントとして、レッド・アルマイト仕上げのスタート/ストップ・ロータリースイッチが装備されているが、これもエクステリアのブレーキキャリパー同様、沿岸のブイを示唆する繊細な演出である。

835psのV12が歌う、世界最速の系譜。美しき「動く彫刻」の真価

「ウェーブエディション」のベースとなるヴァンキッシュ・ヴォランテは、息を呑むようなパフォーマンスとタイムレスなデザインを兼ね備えた、世界最速かつ最もパワフルなフロントエンジン・コンバーチブルである。彫刻的なボンネットの下には、5.2L V12ツインターボエンジンが搭載されており、最高出力835ps、最大トルク1000Nmという圧倒的なパワーを発揮する。

この強大なパワーにより、ヴァンキッシュ・ヴォランテは0-62mph(約0-100km/h)加速をわずか3.4秒でこなし、最高速度は214mph(約344km/h)に達する。また、精巧に設計されたコンバーチブルルーフは、31mph(約50km/h)までの速度であれば走行中でも操作可能であり、開くのに14秒、閉じるのに16秒という迅速な動作を実現している。アストン・マーティンのQオペレーション責任者であるヴィットリオ・ガッバ氏は、このモデルについて「動きの中にある彫刻であり、水の美しさとダイナミズムを体現しながら、アストン・マーティンを定義する胸の高鳴るパフォーマンスを提供するクルマです」と語っている。

その落札額は、未来への架け橋に。子供たちへ贈る希望の光

この唯一無二の「ヴァンキッシュ・ヴォランテ ウェーブエディション」は、世界で最も権威あるチャリティオークションの一つである「2026年ネープルズ・ウィンター・ワイン・フェスティバル」に出品される。オークションによる収益の全額は、ネープルズ子供教育財団(NCEF)に寄付されることになっている。

NCEFは、フロリダ州コリアー郡の恵まれない子供たちの生活を変革することを使命としており、2001年以来、同フェスティバルを通じて3億3600万ドル以上を子供たちの支援のために調達してきた実績を持つ。アストン・マーティン・ネープルズとQ by Aston Martinのコラボレーションによって生まれたこの特別な一台は、フロリダの海岸線の精神を宿し、子供たちの未来を照らす希望の光として、新たなオーナーのもとへと旅立つことになるだろう。

【ル・ボラン編集部より】 835psを誇るV12ツインターボの咆哮。それはアストン・マーティンというブランドの不可欠な心臓部だが、この「ウェーブエディション」が提示するのは、その猛々しさを包み込む「静謐」だ。フロリダの海を模した色彩には、動と静が共鳴する哲学が宿る。単なる高性能車を超え、所有する喜びと社会貢献(ノブレス・オブリージュ)を両立させるこの一台には、真の豊かさがあると言えよう。内燃機関の黄昏時に放たれる、最も美しく、最も高潔なグランツーリスモである。

【画像9枚】息を呑む「碧」の深さ。フロリダの波を完全再現した、世界に1台の「ヴァンキッシュ」詳細写真

文:LEVOLANT LE VOLANT web編集部

こんな記事も読まれています

プレリュードGTのデビュー戦迎えたホンダ陣営、予選は“スープラ3強”に次ぐ4番手「進化を続けて、ライバルを上回る状態に早く仕上げたい」
プレリュードGTのデビュー戦迎えたホンダ陣営、予選は“スープラ3強”に次ぐ4番手「進化を続けて、ライバルを上回る状態に早く仕上げたい」
motorsport.com 日本版
マセラティの起源はレースにあり! 100周年を祝う新旧2台のサーキット由来のモデル
マセラティの起源はレースにあり! 100周年を祝う新旧2台のサーキット由来のモデル
Auto Messe Web
聖地ミウラ牧場へ! ランボルギーニ「ミウラ」車名の由来を「ミウラ」に乗ってたどる旅【ミウラ生誕60周年_11】
聖地ミウラ牧場へ! ランボルギーニ「ミウラ」車名の由来を「ミウラ」に乗ってたどる旅【ミウラ生誕60周年_11】
Auto Messe Web
モダンな色味と優れた機能で魅せるフェンディ──2026年の春、推したいのはこのアウター
モダンな色味と優れた機能で魅せるフェンディ──2026年の春、推したいのはこのアウター
GQ JAPAN
チームメイトが転倒 マシンは大きなダメージが…… ルーマニアでのトレーニング得た「リスペクトがあるからこそ」のチームビルディング レーシングライダー大久保光のレースレポート
チームメイトが転倒 マシンは大きなダメージが…… ルーマニアでのトレーニング得た「リスペクトがあるからこそ」のチームビルディング レーシングライダー大久保光のレースレポート
バイクのニュース
姿なき “空の運び屋” 生まれるか!? 「ステルス輸送機」が抱えるジレンマと実戦投入された“極秘ヘリ” の実像
姿なき “空の運び屋” 生まれるか!? 「ステルス輸送機」が抱えるジレンマと実戦投入された“極秘ヘリ” の実像
乗りものニュース
「開発陣の意地を感じさせる改良だ」レクサスの“FRスポーツセダン”「IS」が再び進化! 内装の高級感が一気に増した新型に対するリアルな反響
「開発陣の意地を感じさせる改良だ」レクサスの“FRスポーツセダン”「IS」が再び進化! 内装の高級感が一気に増した新型に対するリアルな反響
VAGUE
伝説のコンセプトカーがEVで市販される!? 噂どおりアルファロメオ「プロテオ」がモチーフなら期待しかない!!
伝説のコンセプトカーがEVで市販される!? 噂どおりアルファロメオ「プロテオ」がモチーフなら期待しかない!!
WEB CARTOP
今週のダイジェスト【4/4~4/10】スバル、新型SUV&WRX同時発表!
今週のダイジェスト【4/4~4/10】スバル、新型SUV&WRX同時発表!
グーネット
機能美というラグジュアリーが際立つロロ・ピアーナ──2026年の春、推したいのはこのアウター
機能美というラグジュアリーが際立つロロ・ピアーナ──2026年の春、推したいのはこのアウター
GQ JAPAN
見た目を損なわずに衝撃を与えたい…… 傷をつけずに叩ける鉄板アイテム! 「ゴムハンマー」とは?
見た目を損なわずに衝撃を与えたい…… 傷をつけずに叩ける鉄板アイテム! 「ゴムハンマー」とは?
バイクのニュース
ぶっちゃけ「白ナンバーの軽自動車」ってダサいのでしょうか?――ネット上の批判が映す“謎の序列意識”、3190万台市場の見た目分断とは
ぶっちゃけ「白ナンバーの軽自動車」ってダサいのでしょうか?――ネット上の批判が映す“謎の序列意識”、3190万台市場の見た目分断とは
Merkmal
有力候補の不本意なQ1脱落。8号車ARTA、37号車Deloitteに何が起きていたのか【GT500予選アクシデント検証】
有力候補の不本意なQ1脱落。8号車ARTA、37号車Deloitteに何が起きていたのか【GT500予選アクシデント検証】
AUTOSPORT web
【正式結果】2026年スーパーGT第1戦岡山 予選
【正式結果】2026年スーパーGT第1戦岡山 予選
AUTOSPORT web
「自分としてはちょっと後悔」「タイムが『思っているより全然でちゃった』という感じ」【GT300ドライバーズ・レビュー/岡山予選TOP3】
「自分としてはちょっと後悔」「タイムが『思っているより全然でちゃった』という感じ」【GT300ドライバーズ・レビュー/岡山予選TOP3】
AUTOSPORT web
機能性とラグジュアリーが高次元で融合するエルメス──2026年の春、推したいのはこのアウター
機能性とラグジュアリーが高次元で融合するエルメス──2026年の春、推したいのはこのアウター
GQ JAPAN
小林利徠斗、GT500で30年ぶりのデビューウインなるか? PPで迎える決勝は「本当にどうしたらいいか分からない(笑)」と困惑気味
小林利徠斗、GT500で30年ぶりのデビューウインなるか? PPで迎える決勝は「本当にどうしたらいいか分からない(笑)」と困惑気味
motorsport.com 日本版
【MotoGP独占情報】小椋藍、2027年はヤマハのファクトリーチームに移籍か? ホルヘ・マルティンとのコンビに
【MotoGP独占情報】小椋藍、2027年はヤマハのファクトリーチームに移籍か? ホルヘ・マルティンとのコンビに
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

5290 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1160 . 0万円 5680 . 0万円

中古車を検索
アストンマーティン ヴァンキッシュの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

5290 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1160 . 0万円 5680 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村