バイクはただの移動手段ではない。エンジンの鼓動、風を切る感覚、そして右手ひとつで世界が変わるような高揚感。それは日々の暮らしの中に小さな冒険と自由をもたらしてくれる。今回は試乗したスズキの大小2台のスポーツモデルを比較しながら、それぞれが持つ“体験の質”を見つめてみたい。
◆ジクサーSF250:軽快さがもたらす、気負わない楽しさ
『ジクサーSF250』に跨った瞬間、まず驚かされるのはそのスリムさと足着きの良さ。まるで体の一部になったかのような一体感があり、特に街乗りではそれが生きてくる。車体の軽さは取り回しのしやすさに直結していて、信号待ちからの発進やUターンといった日常のワンシーンに安心感をもたらしてくれる。
油冷単気筒エンジンは鼓動感がありながらもスムーズで、スロットルを捻ればリニアに加速。低中速トルクがしっかりしていて渋滞も苦にならない。
ギアチェンジの節度感も心地よく、思わず街中でも“走らせる楽しさ”を追い求めてしまう。フルカウルでありながら前傾しすぎないポジション設計はツーリングでも疲れにくい。
決して派手ではないが、“乗るたびに楽しくなる”。そんなバイクだ。初心者からベテランまで、気負わず、素直に付き合える相棒としてジクサーSF250は確かな価値を持っていると感じた。
◆Hayabusa(ハヤブサ):その速さは、優雅さとともにある
対照的にスズキのフラッグシップである『ハヤブサ』は、存在そのものに説得力がある。「アルティメットスポーツ」として名を馳せたそのバイクに再び跨ると自然と背筋が伸びる。
しかし、走り出した瞬間にまず驚かされるのは、その想像以上の親しみやすさだ。紛れもない“究極のスポーツ”でありながら、同時に“至高のツアラー”としての素養も随所に感じ取れる。
たとえば、ハンドルの切れ角の大きさや、低いシート高による優れた足つき性などがその好例だ。さらに、分厚く湧き上がる低速トルクが重厚な車体をしっかりと支え、発進もじつに滑らか。
力強さと扱いやすさが絶妙なバランスで共存している。加えて最新型では、電子制御やブレンボのブレーキ、新設計のサスペンションによって走りはますます磨かれている。
だが、ハヤブサの真の魅力はその先にある。スロットルを軽く開けただけで風景が一気に後方へと流れていくあの加速感。速度が上がるほどに感じる静寂と安定感。まさに“隼”という名にふさわしい、空を滑空するかのような走行フィール。スピードと快適さが見事に溶け合い、「操る」というより「バイクと一体になって流れる」感覚が味わえる。
ただ速いだけではない。“余裕のある速さ”。それがこのハヤブサの真骨頂だ。
◆軽やかに駆けるか、優雅に飛ぶか
ジクサーSF250とハヤブサ。どちらもスズキが生み出したスポーツモデルではあるが、キャラクターはまるで異なる。ジクサーは日常に溶け込みながら、バイクに乗ることの楽しさを気軽に味わわせてくれる。一方でハヤブサは、所有する喜びと圧倒的な性能、そしてライダーを一段上の世界へ導く包容力を持っている。
選ぶべきはスペックでも価格でもない。自分がどんな時間をバイクと過ごしたいか。どんな体験をバイクに求めるのか。その答えが、自ずとバイクに導いてくれるはずだ。いずれのバイクも日々の中に確かな自由と高揚をもたらす、“走る歓び”を教えてくれる良きパートナーになるだろう。
佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。
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