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昭和オヤジ歓喜のTバールーフ! 気がつきゃ消滅した懐かしのTバー国産車を振り返ってみた

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昭和オヤジ歓喜のTバールーフ! 気がつきゃ消滅した懐かしのTバー国産車を振り返ってみた

 この記事をまとめると

■Tバールーフは1980~90年代に多く採用された仕様

中途半端かいいとこ取りか? かつて日本でプチ流行した「タルガトップ」の中古事情を探ってみた

■MR2やフェアレディZなど多くの国産車に設定があった

■現在は維持の手間から使用をためらう声も多い

 かつてクーペモデルを中心に採用されていた「Tバールーフ」

「Tバールーフ」とは、文字どおりアルファベット大文字の「T(漢字の”工”に見えなくもない!?)」の部分を残し、ボディパネルの一部を外すことでオープンカーのような開放感が得られるというものです。

 今回は、かつて日本車でも設定があった「Tバールーフ仕様車」をピックアップしてみました。(情報は2025年6月現在のものです)

※価格は中古車情報サイト調べ

●トヨタMR2(AW11型)

・生産期間:1984年6月~1989年9月 ・当時の新車の価格:144.7万~249.2万円 ・中古車の平均価格:218.2万円 ・中古車の価格帯:163万~450万円

 1984年にデビューした初代MR2。車名の「MR2」は、ミッドシップ方式のふたり乗り小型車という意味をもつ「Midship Runabout 2 Seater」の略です。型式のAW11型になぞらえて「エーダブ」「エーダブイチイチ」といった愛称で呼ばれることも。デビュー時にはTバールーフ仕様の設定はなく、1986年8月のマイナーチェンジ時にメーカーオプションとして設定されています。当初「スポーティコミューター」という立ち位置でデビューしたものの、見た目はスポーツカーそのもの。

●トヨタMR2(SW20型)

・生産期間:1989年10月~1999年10月 ・当時の新車の価格:182万~309.5万円 ・中古車の平均価格:234.9万円 ・中古車の価格帯:50万~610.5万円

 初代MR2のデビューから5年後の1989年10月に、2代目となる「SW20型」へとフルモデルチェンジ。先代と同様に「エスダブ」「エスダブニーマル」なんて呼ばれたりします。「スポーティコミューター」のコンセプトは踏襲したものの、直線基調だった初代MR2から一転、曲線を多用したデザインに。Tバールーフ仕様はデビューから設定(ノーマルルーフもあり)。初期型のトリッキーなハンドリングはマイナーチェンジを繰り返すことで熟成され、名実ともに2シーターミッドスポーツカーとしての人気を獲得していったのです。

●日産フェアレディZ(S130型)

・生産期間:1978年8月~1983年8月 ・当時の新車の価格:146.0万~482万円 ・中古車の平均価格:396.1万円 ・中古車の価格帯:300万~680万円

 フェアレディZとしては2代目にあたるS130型は1978年にデビュー。このモデルが日本車として初となるTバールーフが設定されたのもこのモデルから。ただし、デビュー当時には設定がなく、1980年11月に追加されています。当時のカタログの表紙も真上からTバールーフを撮影したカットが使用されており、日本車における新たな時代を予感させるモデルであったことがうかがえます。ボンネットやAピラーなどがシルバーにペイントされ、ボディ下半分が黒く塗られた「マンハッタンカラー」との組み合わせは、当時憧れの存在だったのです。

 日産はTバールーフモデルの宝庫

●日産フェアレディZ(Z31型)

・生産期間:1983年9月~1989年6月 ・当時の新車の価格:195万~382.1万円 ・中古車の平均価格:384.9万円 ・中古車の価格帯:158万~698万円

 フェアレディZとしては3代目にあたるZ31型は1983年1月にデビュー。Z31型から現在にいたるまで、フェアレディZに登載されるのは「V6エンジン」であるという歴史の最初の1ページを飾るモデルです。Tバールーフ仕様はデビューから1年後の1984年に追加され(ノーマルルーフもあり)、2シーターおよび2by2といったふたつのボディバリエーションと組み合わせることが可能でした。マイナーチェンジ後は垢抜けたフォルムとなったものの、前期型と後期型で好みがわかれるところです。

●日産フェアレディZ(Z32型)

・生産期間:1989年7月~2000年8月 ・当時の新車の価格:305万~482万円 ・中古車の平均価格:225.6万円 ・中古車の価格帯:83万~760万円

 フェアレディZとしては4代目にあたるZ32型は1989年7月にデビュー。ワイドアンドローのスポーツカーらしいフォルムは人気を博し、当時の日産のスポーツモデルの代表格である「スカイラインGT-R」と人気を二分しました。Tバールーフはデビュー当時から設定され、2シーターのみノーマルルーフとTバールーフが選択可能。2by2はTバールーフ仕様のみという組み合わせでした。ほとんどのモデルはTバールーフであり、ノーマルルーフは当時からレアな仕様だったのです。

●日産エクサ(KEN13型)

・生産期間:1986年10月-1990年8月 ・当時の新車の価格:145.2万~178.3万円 ・中古車の平均価格:213.5万円 ・中古車の価格帯:99万~379万円

 1986年に3代目パルサーのクーペモデルとしての立ち位置で同年10月にデビューしたのが「エクサ」でした。特徴的なリトラクタブルヘッドライトやTバールーフに加えて、リヤハッチの部分がワゴン形状となるキャノピー仕様にできるなど、ひとつのモデルでさまざまなスタイルが楽しめるという意欲作でもあります。ちなみに、アメリカにも輸出され、脱着式のリヤハッチとキャノピーハッチがコンバートできるというユニークさが人気を博したのです。

 本格スポーツカー以外にも存在した

●日産サニーNXクーペ

・生産期間:1990年1月~1994年4月 ・当時の新車の価格:113.6万~206.1万円 ・中古車の平均価格:89.8万円 ・中古車の価格帯:89.8万円

 7代目サニーのクーペモデルとして1990年1月にデビューしたのが「サニーNXクーペ」。おもなターゲットは北米市場における女性オーナーという設定。サニーNXクーペは、Z32型フェアレディZをモチーフにデザインしたとされており、ノーマルルーフおよびTバールーフ仕様が選べるのもその流れを汲んでいるといえそうです。モーフィングと呼ばれる技法を用いたCGを使い、擬人化された黄色いNXクーペが自在に変形するCMは大いに話題となりました。

●スズキ X-90

・生産期間:1995年10月~1998年12月 ・当時の新車の価格:136万~149.8万円 ・中古車の平均価格:131.2万円 ・中古車の価格帯:59万~278万円

 1995年10月にデビューした「X-90」。1993年に開催された第30回東京モーターショーに参考出品した際のデザインモチーフがほぼそのまま市販化されたモデルであり、3ボックスボディに2シーター、Tバールーフ仕様といったユニークな組み合わせをもつスズキの意欲作であり、数ある日本車においても異端とされるデザインだといえます。ボディは一般的なモノコックではなく、初代エスクードをベースにしたラダーフレームを採用しており、ボディ剛性にも優れたモデルなのです。

●番外編:スズキ カプチーノ

・生産期間:1991年10月~1997年12月 ・当時の新車の価格:145.8万~158.6万円 ・中古車の平均価格:122.8万円 ・中古車の価格帯:45万~555万円

 スズキの軽オープン2シーターとして人気を博した「カプチーノ」は1991年10月デビュー。Tバールーフ専用ではないけれど、量産車としては世界初となる4通り(ハードトップ、Tバールーフ、タルガトップ、フルオープン)それぞれの状態を楽しむことができました。リヤピラーやボンネットなどにアルミを使用して軽量化を図っているのも特長であり、3速ATモデルが用意されるなど、幅広いユーザーのニーズに応えようと企画されたクルマであることがうかがえます。

●まとめ:Tバールーフ仕様車の現在地とは?

 オーナーインタビューを通じての感覚値ではありますが、新車、ワンオーナーカー、中古車を問わず、現在でもTバールーフを積極的に使っている人は少数派という印象を受けます。その理由として「しばらく外していないから」「(中古車で手に入れてから)一度も外したことがないから」など、理由はさまざま。

 取り外しが面倒という、至極もっともな意見があるいっぽうで「Tバールーフを外したことによる雨漏りが心配」という声も聞かれました。Tバールーフとウェザーストリップが「イイ感じにフィットしているのに、わざわざ外すのはリスクが高い」というのも一理あります。せっかくの装備を有効活用できないのは残念ですが、「Tバールーフ仕様車」の設定があったモデルの多くが30年選手であることを考えると、こればかりは致しかたないのかもしれません。

文:WEB CARTOP 松村 透
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みんなのコメント

44件
  • zab********
    いや〜ホント!80〜90年代の日本車は輝いていましたね…名実ともに「世界をリード」していた、思い起こせばこんなにたくさんのTバールーフ車が存在していた(その頃Tバックスも…)アメ車のファイアーバードTRANSAM、カマロが流行の発端を切り拓いたけど(コルベットも?マスタングにもあったような…)本家本元のアメ車を凌ぐラインナップだよね… 悪く言えば「パクり」なんだけど(笑)NXクーペ叔父貴が乗っていました。中身はサニーでロードスターほどの解放感はなかったけど気持ち良さは最高でした。コスパコスパ!安全性…うんたらカンタラなんてウザい今の時代にはこんな遊び心のあるクルマ、生まれんやろな…思い出バイアス係るからかもしれませんけど、「いい時代」だったと思いますね。
    お持ちの方はゴムやパッキンの入手大変でしょうが、頑張って保持してくださいね…
  • コメント
    スバル ヴィヴィオTトップが忘れられてる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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