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メルセデス、2026年F1レギュレーションの現状に満足「十分な自由度がある。FIAは良い仕事をしたみたいだ」

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メルセデス、2026年F1レギュレーションの現状に満足「十分な自由度がある。FIAは良い仕事をしたみたいだ」

 2026年から導入される新レギュレーションにより、F1マシンは大きく変貌を遂げる。このレギュレーションについては当初、各チームから懸念の声が上がっていたが、メルセデスの副テクニカルディレクター(TD)のシモーネ・レスタによれば、驚くような事態に直面することはないという。

 新レギュレーションにより2026年からのF1では、新たなパワーユニット(PU)が使われることになる。この新たなPUは、現行のPUと同じV6ターボエンジンが中心となるが、熱エネルギー回生システム(MGU-H)が排除され、エンジンの出力と運動エネルギー回生システム(MGU-K)で生み出される電動パワーの出力がほぼ同一となる。またエンジンで使われる燃料は、ガソリンではなく持続可能燃料でなければいけない。

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 またこのPUの変更に伴いシャシーの規則も改訂。コーナリング中のダウンフォースを維持しつつもストレートでの空気抵抗を減らすためにアクティブエアロが導入され、さらに車両重量も軽量化されることになっている。

 この2026年レギュレーションの詳細が明らかにされて以来、各チームは内容を精査してきた。そんな中、最も大きな懸念と言われたのが、特にパワーが重要となるサーキットでは、ストレート走行中に電動パワーが枯渇し、減速することを強いられるのではないかというものだった。

 これを政治的な問題として利用し、自然吸気V10エンジンの導入を推進しようという動きに繋がったこともあったが、これは最終的に却下。当初の予定通り新PUの導入に向けて推し進められており、各チームとF1、FIAが協力して、懸念事項の解決に取り組んでいる。

 その結果、当初の懸念は払拭され、今では各チームに革新を目指す余地が生まれていると言われる。今年3月から新天地アストンマーティンでの仕事をスタートさせたエイドリアン・ニューウェイも、この新レギュレーションについて「予想以上にイノベーションと様々なアプローチを可能にする柔軟性」があると指摘した。

 レギュレーション変更の真価は、2026年シーズンが開幕するまで分からない。しかしメルセデスのレスタ副TDは、手遅れになる前に問題や抜け穴を解決できるはずだと確信している。

「FIAは現在、ルールの抜け穴を全て塞ぐために、全チームからの意見を積極的に受け取っていると思う」

 レスタ副TDはmotorsport.comにそう語った。

「驚くようなことは起きないだろう。ルールはほぼ完全に定義されている。変化をもたらすために、様々なプロジェクトが展開されていくだろう」

「FIAは良い仕事をしたようだ。チームがベストを尽くせるように、十分に自由度がある包括的なルールをまとめ上げた。今は議論する時ではなく、行動を起こす時だ。変化を起こす時なんだ」

 レスタ副TDは、モンツァのように全開区間が多いコースでは、バッテリー切れが起きる可能性を否定はしないものの、その影響は軽微なモノになるはずだと語った。

「レースを行なうサーキットによっては、解決すべき問題が発生する可能性がある。しかし、ほとんどのサーキットで、問題は顕著にはならないだろう」

「モンツァでは(この問題を)おそらく目にすることになるだろうが、PUの使用方法には、既にいくつかの変更が加えられている。そのため正直なところ、大きな問題にはならないと思う」

 今年の1月から、2026年のシャシー開発が解禁。各チームは風洞やCFD(数値流体力学)を使った作業に着手した。それにより、レギュレーションに対する理解度が深まりつつあるという。

「レギュレーションは大きく変化し、現時点では安定している」

「空力面では継続的な改良や細かな部分を定義する必要はあるものの、基本的な部分は明確に定義されているため、かなり成熟していると思う。これは良いことだ」

「1月初旬以降、全てのチームは風洞実験とCFDでの開発作業を行なえるようになり、マシンの挙動を直接確認することができるようになった。開発が始まったことで、失われた荷重(ダウンフォース)を取り戻す作業に着手し始めている」

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みんなのコメント

2件
  • まろまろ
    誰もが乗り易いマシン開発も重要だけど、市販にフィードバックの場では無い。
    より速く走る為の製品選定の場も兼ねているので、操れる人間が居るのか居ないのかを試し、スポンサーを集めて競技として成立してるF1。
  • tnw
    僕が他人として何をやりたいかが、車関係者側の結婚や恋愛の丁度良さと、それに基づいた他人批判は計り知れない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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