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真夏も涼しい Arai VZ-RAMはスポーツジェットなのに静粛性もバッチリだ!

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真夏も涼しい Arai VZ-RAMはスポーツジェットなのに静粛性もバッチリだ!



規格外すぎる125cc! スズキ「GSX-S125」が高速道路に乗れないのが残念過ぎる

筆者のような花粉症ライダーにとっては厳しい季節になってきましたが、気温も徐々に上がってきたので気持ちが良く走れるようになってきました。

昨年は沢山のフルフェイスヘルメットをご紹介してきましたが、読者・視聴者様から夏場に向けてスポーツジェットのインプレッションも見たいとリクエストを頂きました。

そこで今回はAraiさんからVZ-RAMをお借りしましたので試用レビューしたいと思います。

VZ-RAMの付属品・価格・カラーバリエーション

VZ-RAMの付属品はヘルメットの袋と取扱説明書というシンプルなもの。筆者は普段SHOEIのヘルメットを使っていますが、比べると紐が少し細くて短い印象です。

ヘルメットに傷がつかないように裏面は起毛処理されていて、袋の縫い目も外側になっています。

取り扱い説明書はとにかく親切の一言。図解入りで55ページにわたって細かく説明されていて、ヘルメットがきつい場合、緩い場合のパーツ互換表なども入っています。

価格は単色モデルが5万5000円。グラフィックモデルは6万4900円。

単色モデルは6色、グラフィックモデルは8パターン用意されています。今回はナカガミGP2というグラフィックをお借りしましたが、筆者のイチオシです。

バリエーション展開としてオプションのプロシェードシステムを標準採用したVZ-RAMプラスも用意されていて、こちらは単色3種類で価格は5万8300円です。

プロシェードシステムは最近流行りのインナーバイザーに近い機能ですが、シールド内ではなく、外側に装着する形になり上げた状態ではオフロードヘルメットのバイザーのような使い方が可能で、下げるとスモークシールドの役割を果たすというもの。

VZ-RAMにもプロシェードを導入することはできますが、VAS-Zプロシェードキットを購入する必要があり価格は1万65円となっています。

僕は使ったことがありませんが、内側ではなく外側にすることのメリットは収納スペースを設ける必要がないので、帽体をコンパクトにすることができる点です。筆者のような低慎重なライダーにとっては嬉しいポイントです。

VZ-RAMのデザイン

Araiは造形のポイントとして大きな衝撃をかわす事をあげています。そのためエアロパーツなどリブがたっている所はあるものの、全体的には丸いシルエットです。

頭頂部左右のベンチレーションから後ろに掛けてエアロフィンが採用されていて、後方の乱気流を抑えつつスポーティーな印象を強めています。

後ろ側には左右のベンチレーションから続くエアロフィン形状を繋ぐようにスタビライザーがついています。

ヘルメット後頭部左右にはサイドダクト7という、ガンダムのコロニーみたいな名前のパーツがついています。こちらはヘルメット内部のエアーを輩出するためのパーツですが、車のマフラーのような形状が採用されています。

通常単色モデルは塗装されていますが、一部のグラフィックモデルはクリアスモークが採用されていて上質な印象があります。

Araiロゴは単色モデルには額の部分だけですが、グラフィックモデルの一部は横にも配置されています。どちらも塗装のクリア層の下側に貼られているので剥がすことはできません。

認証に関してはPSC・SGとSNELL規格が取得されていますが、どちらもヘルメット後頭部にステッカーが確認できました。

PSC・SGのステッカーは塗装の上に貼られていますが、SNELLに関してはクリア層の下側に貼られています。

VZ-RAMの機能性

何といってもベンチレーションが凄そうです。頭頂部にはセンターと左右の合計3か所用意されていますが、いずれもオープン時の開口部が大きめ。また全開、半開、全閉の3段階で調整できるのも特徴です。

センターのスイッチノブは大きく操作しやすそうですが、左右は少々小さめ。この辺りは後ほど走行しながら操作して検証してみたいと思います。

更にシールドの上部にも二か所のベンチレーションが用意されています。合計5か所もベンチレーションが用意されているので効果に期待したいところです。

エアーのアウトレット側に関しては最近では常時開放のモデルが増えている印象がありますが、VZ-RAMは開閉可能になっています。ノブを外側に操作することで開き、内側に操作すると閉まります。

取り扱い説明書によれば雨天時閉めておくことで浸水をある程度防ぐことができるようです。

シールドは全閉時にロックされるようになっており、シールドを若干左側にスライドさせるとオープンする仕組みです。

顎紐に関してはDリングを採用しています。

曇り止め用のピンロックシートはオプション品となります。価格は3080円。効果は絶大なのでこの価格なら導入しておきたいところです。

インカムに関しては下淵から3cmぐらいのところにリブが立っています。そのためクリップは問題なく装着できると思いますが、両面テープだとインカムによっては装着しにくいかもしれません。

VZ-RAMの内装

トップ、チークパッド左右、顎紐カバー左右の5点が取り外し可能です。

トップ内装は前後どちらもボタン2点で固定です。前側は差し込みになっているヘルメットが多いですが、こちらはボタン4点なので脱着が容易に行えます。

今回お借りしたMサイズ以上に関しては調整パッドが貼られていて、剥がすことで片側4mm程度緩くすることができます。左右の一番外側に貼られたパットは全体が接着されておらず低音ドライヤーなどで温めることとで剥がしやすくできるようです。

ベンチレーションの風が抜ける頭頂部に関しては風が抜けやすい構造になっており、頭と接する部分も汗離れの良いメッシュが採用されています。

チークパッド側にも調整パットが採用されており、白いプラスチック製のU字プレートを外して内装を露出させ、左右5mmずつ緩くすることができます。

また眼鏡ライダーの為にツルが通るこめかみ部分だけ調整パッドをはがすこともできます。チークパッドは標準だとかなり厚めですが、圧迫感を感じた人は調整しても良いでしょう。

顎紐カバーに関しては根元部分にボタンで固定されていることが多いですが、こちらはフック止めになっています。

なかなか外れなくて困りましたが、マニュアルを見たところ少し押し上げながら外すという記載があったため、実践すると難なく外すことができました。あれ?って思ったらマニュアルに丁寧に記載があるので助かります。

スピーカーホールは深めですが、顎紐の取り付け部分に窪みがあります。この部分を埋めるようにVZスピーカーベース2というパーツが採用されています。

外すこともできますが、外して隙間ができると風切り音に繋がる可能性もあるので、インカムを使わない場合でもそのままにしておいた方が良いでしょう。

VZ-RAMの重さ

今回はVZ-RAMのグラフィックモデル、ナカガミGP2のMサイズを測定してみました。

ヘルメットは重さに個体差があります。また単色よりもグラフィックモデルの方が使用する塗料やデカールの量が多くなるので重くなります。

ナカガミGP2のMサイズは1422gでした。

重さとしては軽量なフルフェイスヘルメットぐらいありますので、スポーツジェットしては軽くはありません。

帽体にエアロパーツが複数ついている事やシールドにもベンチレーションがついていることが重さの理由でしょう。

VZ-RAMのサイズやフィット感

筆者はArai、SHOEI、KabutoいずれのヘルメットもMサイズでピッタリ。

SHOEIのMサイズを普段使っていますが、前後左右共にフィッティングサービスで多少パットを追加しているので実質S~Mサイズという頭です。

VZ-RAMに関してもMサイズで問題なしです。被り口は広く顎紐を引っ張りながら被る必要はありません。

チークパッドはしっかりフィットしているものの圧迫感はないので頬が潰れることもなくインカム通話はストレスがありません。

GB350で実走してみる

気温20度前後、多少風がある日にGB350に乗ってVZ-RAMを使ってみました。

重さは普段使っているSHOEIのフルフェイスヘルメットZ-7と同じぐらいなのですが、体感的には軽く感じます。

VZ-RAMはヘルメットの重心が頭の重心あたりにくるように設計されているとの事ですが体感できるとは思っていませんでした。

静粛性に優れているのにも驚きました。スポーツジェットはフルフェイスヘルメットと比べて顎下から風の巻き上げが入ってきますが比較的少ない印象です。

顎が張り出しているアドベンチャー系フルフェイスヘルメットと比べても同等か少ないぐらいに感じました。

シールド開口部は広いので開放感があり、開け閉めもグローブをした状態で違和感なくすることができます。もちろん歪みなどはありません。

しばらく走ってからベンチレーションも開けてみましたが、ノブが小さく懸念していた左右のベンチレーションも含めて簡単に操作できました。

全てのベンチレーションを開放して一番最初に感じるのはおでこの部分に風が当たること。

VZ-RAMは他のヘルメットで見かけることのないシールドにもベンチレーションが採用されていますが、おでこの部分に直接が風が入ってくるのでひんやり感じるのです。

ただ多少なりとも耳の方にも風が流れるので、開けると風切り音が大きくなる印象はありました。

頭頂部のベンチレーションは時速20キロぐらいの低速走行でも走行風がしっかり入るので真夏でも蒸れることはないはずです。

試乗の最後には高速道路も走行してみましたがヘルメットが振られることもなく最後まで快適に走行することができました。

スポーツジェットでも静粛性に妥協したくない人にお勧め

個人的にはスポーツジェットはある程度の風切り音は仕方がないと思っていますが、VZ-RAMは静粛性にも優れいます。

筆者には寒い時期はフルフェイス、温かい時期はスポーツジェットで過ごす知人がいますが、VZ-RAMの静粛性なら不満を感じることはないでしょう。

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