最高出力333PS、最大トルク420Nmへと性能を強化し、独自のダイナミクスを実現するトルクスプリッターやダイナミックプラスモードなど、最高峰“RS”譲りの機能も追加搭載された新型『アウディS3』が、ドイツ本国で4月9日に発表され、新たなフロントマスクには選択可能なデイタイムランニングライト(DRL)シグネチャーを持つヘッドライトを採用し、スポーティなディフューザーや4本出しパフォーマンスエキゾーストシステムなど数多くの要素が刷新されている。
世界各国で勢力を拡大するTCR規定ツーリングカーでも、人気車種に君臨する現行世代『RS3 LMS』のベースモデル(レースカーはセダン、量販モデルにはスポーツバックも設定)を頂点に、この『S3』もアウディの誇る定番ハイパフォーマンスモデルとして認知されてきた。
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そのRS3譲りの新機構として、今回の『S3』にもトルクスプリッターが搭載されたのが大きなトピックスに。このテクノロジーは左右のリヤホイールの間で駆動トルクを完全に可変配分し、各ドライブシャフトに搭載した複数のディスククラッチを電子制御することによりコーナー内側と外側のリヤホイール間でトルクを最適化することで敏捷性と安定性を向上させるもの。
さらに選択したアウディドライブセレクトモードと運転状況に応じて、トルクスプリッターがリヤアクスルおよびコーナー外側のホイールに可能な限り多くの駆動トルクを配分することでオーバーステアの状況を積極的に作り出すなど、伝統の四輪駆動方式であるquattro(クワトロ)ドライブシステムを備えながら、ドリフト走行を楽しむことも可能としている。
その新しい“ダイナミックプラス”のモードを加えたアウディドライブセレクトは、快適性重視からダイナミックな設定まで幅広い走行特性を実現する6つのモードを設定。スポーツモードではエレクトロニックスタビリゼーションコントロール(ESC)が自動的にアクティブになり、ESCシステムが適度に介入することにより、摩擦係数が異なる路面でもよりエモーショナルなドライビングが楽しめる。
また、注目の“ダイナミックプラス”ではエンジンとトランスミッションも専用設定となり、アイドリング回転数は200rpm増加して1300rpmに。これによりスタート時のパフォーマンスがさらに向上するうえ、スロットルレスポンスもさらにダイレクトに変化。ギアシフト時間の短縮に加え、自動変速は遅めのシフトアップと早めのシフトダウンにより、より積極的にエンジン性能を引き出すことを可能とする。
■ヨーロッパでは2024年第2四半期の発売を予定
その心臓部である直列4気筒直噴ターボの『2.0TFSI』は出力が23PS、トルクが20Nmアップし、0~100km/h加速は4.7秒に。エンジン制御の設定もこれまで以上にスポーティさを重視し、一定速度での走行やパーシャルロード域(アクセルを踏み込んで徐々に負荷がかかっていく領域)の低中加速時には、プリロード(ブースト圧の事前充填)されたターボチャージャーが一定の回転数を維持し優れたレスポンスを発揮する。
また7速Sトロニックの制御も見直しを受け、クラッチパックをより強く押し付けることによって発進時のトルクと応答性をアップ。シフトレバーがDの位置でも全開加速時の変速時間を半減させ、パーシャルロード域でも回転数を上げておくことで俊敏なレスポンスが得られる。
そんな性能を支える脚元では、標準のSスポーツサスペンション、オプションのSスポーツサスペンションのどちらを選択した場合でも15mm低下した車高設定となり、後者ではトルクスプリッターと各アウディドライブセレクトモード専用に調整されたアダプティブダンパーを備える。
また強化ベアリングを備えたウィッシュボーンと新しいピボットベアリングによりさらなるネガティブキャンバーを許容し、最適化されたプログレッシブステアリングによりダイレクト感の増したハンドリングがもたらされる。
そのほか、コーナリング中のイン側ホイールにわずかにブレーキをかけるホイールセレクティブトルクコントロールも新世代ESCによりさらに進化を遂げ、トラクションが向上するとともに減速時の挙動が改善。新たに直径357mm、厚さ4mm増の34mmとしたパフォレーテッドタイプの18インチフロントディスクブレーキにより、熱や負荷に対する容量増でストッピングパワーも強化される。
よりフラットでワイドな形状になった新しい構造が特徴的なフレームレスのシングルフレームグリル両脇には、マトリクスLEDヘッドライトのデジタルDRLを構成する24ピクセルのエレメントが3列に配置され、MMIを使用して最大4種類のデジタルDRLシグネチャーを選択できるようになっている。
インテリアでも、光の演出を加えるアンビエントライトパッケージプラスや、数多くのコネクテッドサービス、オンデマンド機能、アプリストアによりデジタル化された高度なコネクテッド機能など多くの新機軸を備え、ドイツ本国を含む欧州では2024年第2四半期の発売を予定。日本への導入時期や価格は、追ってアナウンスされる見込みだ。
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みんなのコメント
派手さはありませんが、長く乗れます。
そして、意外に燃費も良く、飛ばさなければ15km/lも狙えます。