この記事をまとめると
■ロングホイールベース仕様を示す「L」が中国では長年人気を集めてきた
中国人は長いのがお好き! セダンだけじゃなくSUVまで「L」が付くクルマが登場する事態
■中国での「L」人気の背景には後席重視のクルマ文化と高級官僚車への憧れがあった
■最近は中国市場を象徴する存在として海外にも進出を果たし注目されている
中国では憧れの的となる「L」の文字
たとえBEV(バッテリー電気自動車)が新車販売全体の5割に迫ろうとも、中国の消費者のみなさんの購買意欲を刺激するのが、「◯◯L」という車名。末尾の「L」はロングホイールベースモデルであることをさしている。
このLモデルの先駆けとなったのは、日本では初代となるレクサスLSとされている。当時のLSには標準ホイールベース車よりホイールベースを延長させたモデルにたとえば「LS460L」などとしたバッジをつけていたのである。
そして、Lモデルが広く普及するきっかとなったのがアウディとされている。レクサスを見てこれはいけると思ったのかは定かではないが、中国市場で販売促進に有効と考え、インゴルシュタット(ドイツ)のヘッドクォーターからは相当渋られたとも聞いているが、「あくまでも中国限定販売ならば……」ということで、現地合弁会社一汽アウディ(奥迪)にて生産するA6に初めて「A6L」が誕生した。
以降A4L、A3L、Q2L、Q5Lと矢継ぎ早にラインアップを増やしていった、つまり、それだけ当たったことになる。そのアウディはいまもなお「◯◯L」を積極的にランアップしている。
出始めた当時はまだまだ新車はお金もちのものであった。そのため、オーナーは後席に乗って運転手が運転するというシチュエーションが多かった。オーナーとしては後席で足でも組んでゆったりしたいので、延長したホイールベースは後席足もとスペースの拡大に充てられた。しかも、今回も北京市内で北京汽車のBEVコンパクトセダンのタクシーの後席に座ると、相変わらず背もたれを寝かせ気味にした、昔のクラウンでもお馴染みのリビングのソファのような着座イメージとなっていた(中国車の特徴的ポジション)。
ちなみに北京汽車の現地パートナーがメルセデス・ベンツということもあるのか、乗車したタクシーのシートは少し前のメルセデス・ベンツの低反発感の強いシートであり、なんとも快適に座ることができた。
中国以外にも広がりつつある「L」
ロングホイールベースモデルはアウディにとどまらず、VW(フォルクスワーゲン)、BMW、メルセデス・ベンツ、プジョー、ジャガーなどの欧州系に広がり、中国系ブランドも積極的にラインアップするようになった。
日系ブランドでは「L」を名乗るモデルは少数派であった。とくに「L」もつけずにモデルチェンジのタイミングでホイールベースを長めにして後席足もとを広げたり、ロングホイールベースモデルを別車名にするなど、ある意味それが日本らしさの表現だったのかもしれないのだが……。つまり、消費者はロングホイールベース車を欲しがっていると判断したのだが、中国ではそれに加えて「L」のバッジが入っていることも望んでいたのである。
アウディは上級官僚などの公用車として使われている。そのいわゆる上級国民(高額な欧州車から広まっていったことも影響していそうだ)が乗っている「L」のついたクルマに憧れ、Lモデルを買って乗りたいと一般消費者の多くは思っていたのである。
標準ホイールベース車が世界デビューした直後にそのLモデルが中国で全球首発(とりあえずワールドプレミア)となるものの、中国のためのモデルとも受け止めるひともいるようだ。
2026年春に訪れた、北京モーターショー(第19回北京国際汽車展覧会)会場では、これでもかとロングホイールベースモデルが展示されていたわけでもないので、すでに一般量販モデルではそれほど「L」は販売促進には神通力がなくなってきているのかもしれない。ただし、中国系ブランドでも「レジェンダリー」とか「オールドブランド」という表現の似合う老舗ブランドには「L」が目立っていた。
BMWは、インドやタイではコンパクトクロスオーバーSUVタイプBEVとなる「iX1」などの一部にロングホイールベースモデルをラインアップしているのを見たことがある。日本でも5シリーズのロングホイールベースモデルがラインアップされている。これがBMWだけの動きに終わらず、中国系ブランドも巻き込んで中国以外の地域でも「L」がラインアップされてブレイクするのか、日頃から気にしてウォッチしている。
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みんなのコメント
選んでいるという証拠。
最初からホイールベースが長いクルマを
選ぶのではなく、同じクルマで
「他より長いもの」を好むのは性格が出ている。
100mm延ばすだけでも大分変わるし