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派生車なぜ激減? クラウンやスカイラインがワゴンを設定しなくなった理由とは

掲載 更新 22
派生車なぜ激減? クラウンやスカイラインがワゴンを設定しなくなった理由とは

■かつてはクラウンワゴンがあった? 変化する派生車

 かつての国産車には、セダン、クーペ、ワゴン、バン、ハッチバックなどいくつかの複数のボディタイプを設定していました。

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 とくに、1960年代から1980年代の国産モデルではその傾向がありましたが、最近の国内市場では徐々に減少傾向にあります。なぜ、複数のボディタイプを設定する販売車は少なくなっているのでしょうか。

 かつては、各メーカーの主流モデルにさまざまな派生車が設定されていました。

 トヨタ「クラウン」や「マークII(マークX)」、日産「スカイライン」、「セドリック/グロリア」、「セフィーロ」、ホンダ「アコード」など主流のモデルには、必ずといっていいほどステーションワゴンをラインナップ。

 現在ではクラウンやアコードはセダンのみ、2019年で生産終了となったマークXも最終モデルではセダンのみのラインナップとなっていました。

 2020年9月時点でひとつのモデルで複数のボディタイプを設定しているのは、「カローラ(セダン、ワゴン、ハッチバック)」、「プリウス(ハッチバック、ワゴン)」、マツダ「マツダ3(セダン、ハッチバック)」、「マツダ6(セダン、ワゴン)」、スバル「インプレッサ(セダン、ワゴン)」と、まだまだ多いように見えます。

 しかし、直近ではシビックでセダンが廃止され、スバル「レガシィ」は2014年のフルモデルチェンジで、かつて大ヒットしたステーションワゴンを廃止するなど、ボディタイプの複数ラインナップに変化が起きています。

 これらの複数ボディタイプはなぜ減りつつあるのでしょうか。国産メーカー関係者は次のように話します。

「国内市場で派生車が減っていのにはいくつかの要因があると思います。まず、1990年から2020年の30年間でクルマの流行が変化し続けてきました。

 RVブーム、ステーションワゴンブーム、ミニバンブームという流れが前半の15年で、後半では軽自動車やコンパクトカー、そして現在も人気が高いSUVという風にほかの国や地域よりも目まぐるしく変化していると思います。

 そのため、1980年代から1990年代のはじめはセダン、クーペやワゴンが一般的だったこともあり、その3つで構成される派生車はセダンをベースとすることで展開でき、多くのラインナップを揃えることが可能でしたが、軽自動車やコンパクトカー、ミニバン、SUVはボディサイズが異なるため独立した車種となっています。

 もうひとつの要因としては、クルマのグローバル化とユーザーニーズの細分化です。グローバル化することで、ボディサイズが大型化されるとともに、それぞれの地域に適した車種やボディを投入することになっていきました。 

 また、グローバル化と同時に国内市場では、セダンとワゴンの販売が落ち込んでいきます。こうしたことが派生車を減少させる背景にあるのです。

 しかし、最近ではコスト削減という側面もありますが、新しいプラットフォームを投入することで、シャシを共通したモデルが多くなってきましたが、それぞれ異なる車名が付いていることもあり、派生車とは呼んでいません。

 このように国内市場の流行やグローバル化、ニーズの細分化でかつてのような派生車は減ってきていますが、現在もプラットフォームの共通化で、複数のモデル展開は続いています」

■カローラの派生車なぜ続く? スバルはなぜ独立車名にする?

 カローラは現在でも派生車をつくり続けるモデルです。2020年9月時点では、セダンのカローラ、ワゴンのカローラツーリング、ハッチバックのカローラスポーツを国内市場で展開しています。

 ユーザーの反響について、トヨタの販売店スタッフは次のように話します。

「カローラは、トヨタを代表するモデルかつ売れ筋です。ひと昔前のカローラは、スタッフですらその種類を覚えられないほどの派生車が多く設定されていました。

 その流れはいまも残っており、お客さまからも『複数のボディタイプがあるのが良い』という声もあります。

 モデル名がブランド化しているので、その名前が付いているほうが安心出来るというお客さまもおります。

 また、車名でいえばトヨタ車では販売チャネルによって異なるモデルがラインナップされていましたが、2020年5月から全店舗で取り扱うことになったため、今後はこれらのモデルが統合されるとともに、車名もひとつになり、残りの車名はグレード名として残る可能性もあります」

 一方のスバルではかつて派生車として設定していたモデルを独立して設定することがあります。例えば、「インプレッサWRX」から「WRX」に、「インプレッサXV」から「XV」という風に変更しています。
 
 また、「レヴォーグ」は「レガシィツーリングワゴン」の後継としてワゴンのみのボディタイプとなるモデルとして登場しました。
 
 WRXについて、当時の開発者は「インプレッサとWRXを分けることで標準モデルとスポーティモデルというイメージも分けたかった」と説明。XVについても担当者は「XV独自のイメージを分けたかった」と説明しています。

 このように、トヨタではモデルのブランドを継承し、スバルでは新たなユーザーやニーズを開拓していくという異なる戦略で、ラインナップを決めているようでした。

※ ※ ※

 基本的には、フルモデルチェンジの際に大きな変更が実施されます。今後は、どのメーカーでも「選択と集中」が進んでいくために、派生車や別車種として登場したモデルでも姿を消していく可能性が高くなっていくのかもしれません。

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みんなのコメント

22件
  • 昭和40年代前半あたりは、
    まだまだ商用車の方がニースがあったから、
    クラウンだったら、ピックアップ、ダブルもあったし、
    コロナマークⅡ、コロナにも。
  • 焼そばBAGOOOON 
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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