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鈴鹿8耐へのキップを賭けた戦い『トライアウト』が鈴鹿サンデーで開催。15チームが参戦権を獲得

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鈴鹿8耐へのキップを賭けた戦い『トライアウト』が鈴鹿サンデーで開催。15チームが参戦権を獲得

 鈴鹿サーキットで開催される鈴鹿サンデーロードレース選手権第1戦において、2025年8月3日に決勝が行われる鈴鹿8時間耐久ロードレース 第46回大会の選考レース『8耐トライアウト』が実施された。このトライアウトでインターJSB1000クラスから12チーム、インターST1000クラスから3チームが8耐の出場権利を獲得する。全36台が参戦したJSB1000クラスからは30チーム、ST1000クラスは全25台中3チームが8耐出場を賭けてレースに挑んだ。

 30台のマシンがトライアウト通過を目指して出走したインターJSSB1000クラスは10周という超スプリントのレース。スタート後真っ先に1コーナーに飛び込んだのはアプリリアを駆る和田留佳(Team TATARA aprilia A)で、2番手にはカワサキで初レースとなる中山耀介(Kawasaki Plaza Racing Team 8H)、3番手に中山のチームメイト、彌榮郡が続く。ポールポジションの伊藤勇樹(RPT長野&Teamマツナガ suzuka8hours Team)はスタートでやや出遅れ、5番手にまでポジションを落としてしまう。

【順位結果】2025EWC第1戦ル・マン24時間耐久ロードレース 決勝

 オープニングラップを制したのは和田。その直後に中山が続き、彌榮が3番手で続くが、4番手を走る伊藤は2周目に2分10秒台に入れると、彌榮をかわして3番手に浮上する。和田、中山、伊藤はハイペースでラップを重ね、4番手以降少しずつ引き離していく。そして3周目のAstemoシケインで中山が和田をパスしてトップへ。すると伊藤もその直後、ホームストレートで和田をかわす。中山、伊藤は4周目、ともに10秒台でラップし、3番手和田との差は少しずつ開いていった。

 接近戦を繰り広げる上位2台のバトルはレース中盤から終盤にかけてますます激しさを増していく。5周目の130Rでは伊藤がトップに躍り出るが、中山もその背後にぴたりと付ける。7周目のスプーンで中山が再びトップに浮上するが、8周目の130Rでは伊藤が中山のインをついてトップを奪還。だが9周目のバックストレートで中山が前に出て、中山がトップでレースはラストラップへ。

 スプーンカーブ立ち上がり、中山のスリップに入った伊藤は130Rでアウトから中山に仕掛けていく。中山もイン側で踏ん張るが、なんとここで中山が痛恨のスリップダウン。この結果伊藤が2年ぶりとなるレースを制し、最大のミッションである鈴鹿8耐への出場権を、これ以上ない形で獲得した。

「今回のレースは自分自身にとっての2年ぶりのレースです。それだけにスタートが重要だと思っていましたが失敗してしまい、序盤は5番手にまで落ちてしまいました。ただスピードには自信があったので、あせらずに後方から落ち着いてレースの展開を見ていました。昨日の予選の様子から、決勝では中山選手が来るなと思っていましたが、案の定彼はラストラップまで強い走りをみせていました。僕も彼に負けるまいと思い、最終ラップでトップに立つことができました。この結果で8耐の参戦権も無事ゲットできました。これからは8耐にフォーカスしていきます」(伊藤勇樹)

 2位には和田が入り、Team TATARA apriliaもトライアウト通過。3位には中山のチームメイトの彌榮が入り、Kawasaki Plaza Racing Teamも鈴鹿8耐へのキップを手にすることができた。4位はトライアウト対象外の長谷川修大(HondaブルーヘルメットMSC)、5位にトライアウト参戦の吉廣光(CLUBNEXT&Honda Dream TAKASAKI A)。そして三原壮紫(Team Frontier)が予選20番手から驚異的な追い上げを見せ6位でチェッカーを受けてトライアウトを通過した。

 インターST1000クラスからはトライアウト参戦上位3チームが鈴鹿8耐出場権利を獲得できる。予選トップは全日本ロードレース選手権でも活躍している亀井雄大(RT Japan M Auto and Kamechans)。2番手もやはり全日本ロードライダーの井手翔太(NCXX RACING with RIDERS CLUB)で、こちらはトライアウト参戦だ。

 10周のレースがスタート。ポールポジションの亀井がホールショットを奪うものの、すぐさま井手が2コーナーでトップを奪う。3番手にはJSB1000クラスにも参戦していた吉廣が続く。井手、亀井はともに予選で2分09秒台を出しており、序盤から3番手以降のライダーを大きく引き離す。その後方では吉廣と山中将基(RT Japan M Auto & bizenseiki)がバトルを展開する。

 レース中盤、上位ふたりのタイムはついに2分9秒台に突入する。8周目に亀井はファステストタイムを記録し、トップの井手に急接近。そして9周目の1コーナー、ついに亀井が井手の前に出る。だが井手も直後の2コーナーで再びトップを奪還する。亀井はバックストレートでまたもや井手の前に出るが、井手もAstemoシケインで亀井のインを刺す。

 最終ラップのホームストレート、亀井は井手に並びかけると1コーナーのインからトップに立つが、S字のひとつ目では井手が中山のインを刺す。両者は僅差のまま最後の勝負ポイントとなるAstemoシケインへ。亀井は井手のイン側を狙うが、井手はしっかりとインをふさぎ、そのままトップで逃げ切った。両者の差はコンマ070というわずかなものだった。

「優勝できたことはとてもうれしいです。もちろんトライアウトを通過したことも喜ばしいことですが、リスクが多いレースをしてしまったので、チームには少し申し訳なかったですね(笑)。亀井選手は僕と同じく全日本ライダーで、クラスも同じですので負けたくはないという気持ちもありましたが、安全マージンもしっかりと取って走りました。そうは見えなかったかもしれませんけど(笑)。僕のいちばんの仕事はトライアウトの通過ですので、そのミッションが遂行できたことは本当に良かったです」(井手翔太)

 3位には吉廣、4位山中、5位片平亮輔(MC Racing with 8810R)、6位澤村元章(磐田レーシングファミリー)という結果となった。3位吉廣、6位の澤村はJSB1000クラスで参戦権を獲得しているため、7位の中堀拓己(TEAMエバタPower one stop)、9位の花村峻一(チーム・エッチングファクトリー)が繰り上げで参戦権を獲得した。

 トライアウト対象外のチームや複数台が出走したチームのリザルトを除外した最終的なトライアウト通過チームは以下15チーム

●JSB1000RPT長野&Team マツナガ suzuka8hours TeamTeam TATARA aprilia AKawasaki Plaza Racing TeamCLUBNEXT&Honda Dream TAKASAKI ATeam FrontierBALZ&ADVANCE MC with FUJIKI KOGYOEDWIN GESUNDHEIT RacingTeam マツナガ KDC&YSP名古屋北磐田レーシングファミリー1MOTORCYCLES#27 EJ YIC 速心verity&fenice 久野巧業 with 齋藤ヤスカHAMAGUCHI Racing Team with MEGU

●ST1000NCXX RACING with RIDERS CLUBTEAMエバタ Power one stopチーム・エッチングファクトリー

[オートスポーツweb 2025年04月24日]

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みんなのコメント

1件
  • たっく
    亀井と井手の戦いに突然中山が入る。
    手書きの時代より圧倒的に誤字確認してしやすいんだからしっかりやれよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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