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アウディA5カブリオレの反逆、「ソフトトップは時代遅れじゃない」【10年ひと昔の新車】

掲載 更新 11
アウディA5カブリオレの反逆、「ソフトトップは時代遅れじゃない」【10年ひと昔の新車】

2009年、4シータークーぺ「アウディA5」のオープンモデル「A5カブリオレ」が登場した。オープンカーにメタルルーフ化の波が押し寄せる中、あえてソフトトップを組み合わせたことは大きな話題となった。アウディの狙いはどこにあったのか、それはどのように実現されていたのか。ここではモナコで行われた国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年5月号より)

迷うことなくソフトトップを選択
「アウディのカブリオレは、当然ソフトトップルーフを採用します。プレミアムクラスの自動車にとって、デザインは選択理由の大きな部分を占めます。カブリオレのようなエモーショナルなモデルにとっては、なおさらその傾向が強いのです」

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

A5/S5カブリオレのプロダクトマーケティング担当、シルケ・ホファー女史は、モナコで行われたプレゼンテーションの場で堂々とそう言い切った。これが最大のライバルであるBMW3シリーズカブリオレをはじめとする競合車たちがリトラクタブルハードトップを採用していることを念頭に置いた発言であることは言うまでもない。

アウディがソフトトップにこだわったのはスタイリング、そして機能性が理由だという。実際、リトラクタブルハードトップはほとんど検討すらされなかったというのだ。

その選択が正しかったということは、写真を見ていただければ一目瞭然だろう。A5カブリオレのスタイリングは、まさしく絶品だ。そもそもショートオーバーハング&ロングホイールベースを実現する新しいプラットフォームを土台に、美しいクーペボディを構築しているA5クーペは、ソフトトップルーフの採用で艶かしさにさらに磨きをかけた。

ソフトトップの布地とボディの金属、LEDといったハイテクイメージのディテールとクラシカルなボディラインなど、一見相反するものが絶妙に溶け合って、際立った美しさが演出されているのだ。

トップを開けた状態がカッコ良いのは当たり前。しかしA5カブリオレは、閉じた状態も美しく、そして絵になる。その存在感は何とも贅沢なものである。

オープン時でも320Lの収納スペースを確保
しかも、その美しさは高い実用性と両立されている。このA5カブリオレ、2名分の快適なリアシートを用意するばかりでなく、十分なラゲッジスペースをも確保しているのである。その容量は通常時の380Lに対して、収納性に優れたソフトトップを活かしてオープン時でも320Lを確保。さらに分割可倒式のリアシートを折り畳めば、容量は750Lにまで拡大し、最大1.76mの長尺物まで飲み込んでくれる。

オープンにする際にはトップ収納スペースにかかる部分に荷物が積まれていないことが前提となるが、荷物センサーの内蔵によって手動式のカバーを引いておくなどの必要はなくなり、開閉可能な状態であればいつでもワンタッチでソフトトップを開け放つことができる。開けようと思ったらカバーを引き忘れていて、一旦クルマを降りてトランクリッドを開けてという面倒な思いはしなくて済むというわけである。

電動開閉式ソフトトップルーフの採用や、それに伴うボディ各部の徹底的な補強、さらにはポップアップ式ロールバーの搭載などによって、車重はクーペに対してざっと150kgほど増えている。日本仕様として用意されるのはクーペと同じ3.2FSIクワトロ。そうなると、やはり走りっぷりは気になるところだ。

率直に言って、出足にはさすがに重さの影響を感じなくはない。しかし、動き出してしまえばあとはスムーズ。アウディバルブリフトシステムを採用した最新のV型6気筒3.2L直噴ユニットは回すほどに活気づいて、気持ちよく速度を伸ばしていく。

それにはクーペの6速ATに代えて搭載された7速Sトロニックの効果も大きい。トルクコンバーターによるトルク増幅効果は望めないものの、ワイドなギア比でエンジン出力をダイレクトに伝えるこのギアボックスが、走りのキレ味を高めている。

しっかりボディを作り込んでいることは、正確性の高いフットワークや上々の乗り心地から容易に想像できる。ステアリングの手応えに曖昧さは皆無だし、大きめの段差を乗り越えてもボディはミシリとも言わないのだ。

試乗車が19インチの大径タイヤ&ホイールを履いていたにもかかわらず、これだけ上質な走りを可能にしたことには、電子制御式減衰力可変ダンパーを含むアウディドライブセレクト(ADS)の恩恵も小さくないはずである。オプションで20インチまで用意された大径タイヤを履くなら、これは必須の装備と言える。

一方、標準の17インチならADSなしでも快適な乗り味を得られたということも念のため記しておこう。日本仕様の概要は未定だが、個人的にはゆったり走りたいカブリオレだけに、これをベストと推したい。

その姿は美しく、不満の出る余地のない実用性を備え、走りも上質。ハイエンドなカブリオレを求めるユーザーにとって、この上ない選択となりそうなA5カブリオレの日本導入は、秋以降に予定されている。(文:島下泰久)

アウディ A5カブリオレ 3.2FSIクワトロ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4625×1854×1383mm
●ホイールベース:2751mm
●車両重量:1600<1580>kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3197cc
●最高出力:195kW(265ps)/6500rpm
●最大トルク:330Nm/3000-5000rpm
●トランスミッション:7速DCT(Sトロニック)
●駆動方式:4WD
●EU総合燃費:10.5km/L
●最高速度:250km/h(リミッター)
●0→100km/h加速:6.9秒
※EU準拠

[ アルバム : アウディ A5カブリオレ はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:Webモーターマガジン Motor Magazine編集部

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みんなのコメント

11件
  • デザイン的にはこの頃がアウディのピークだったような。このモデルも古臭くなくてカッコいい。
  • オープンで後ろが不自然に高い、シルビアとかISと比べて圧倒的に美しい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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