車のニュース [2025.07.04 UP]
交通死亡事故を減らす取り組み【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
文●池田直渡 写真●トヨタ
N-BOX独走!唯一の10万台超えでトップに 2025年1月~6月の新車販売ランキング
長野県茅野市の聖光寺は1970年にトヨタが建立し、以後54年間にわたって、交通事故犠牲者の慰霊のために毎年7月17日と18日に夏の大祭を執り行ってきた。1970年はわが国の交通死亡事故のピークを記録した年であり、実に1万6765人の尊い人命が失われた
このような犠牲の上に成立している自動車産業のあり方を忘れないように、そして犠牲者の御霊を慰め、安全に対する弛まぬ努力を続けることを誓うために、トヨタグループ18社をはじめ、販売店やサプライヤー各社のトップが一堂に会し、祈りを捧げる場である。いわばトヨタにとっての御巣鷹山である。
「タテシナ会議」では、国内外から数多くの企業や団体が参加し、「交通事故死傷者ゼロ」実現に向けた意見交換を行なっている(写真は2023年開催時の模様)
この聖光寺の夏の大祭に併せて、2019年から豊田章男社長(現・会長)の呼びかけにより、経済のダボス会議をロールモデルに、交通安全のタテシナ会議が開催されている。その結果、マツダ、スバル、スズキ、ダイハツ各社のトップも参加し、安全についての活発な議論が行われている。今年もまたそのタテシナ会議の日程が近づいている。
ちなみに筆者はトヨタモビリティ基金の理事として、このタテシナ会議については主催側としても、そして書き手としてはジャーナリストとしても参加している。
長年の交通安全の取り組みの結果、交通死亡事故の実態を見ると、ピークでは1万6765人であった事故死亡者は2024年には2663人と大幅に減らすことができた。
交通事故死傷者は年々減少しているものの、自動車乗車中の事故、とくに後期高齢者と小児・児童の死亡事故件数に課題があることが見えてくる(内閣府資料より)
特に自動車対自動車の死亡事故は、シートベルト、衝撃吸収ステアリングコラム、衝撃吸収ボディ、アンチロックブレーキ、横滑り防止装置や、近年のADASなど様々な安全技術の普及もあって、確実に減ってきている。
しかしながら、残念なことに歩行中と自転車乗車中の事故は微減に止まっており、年齢別に見ると80歳以上(歩行中・自転車乗車中)と、7歳(歩行中)の事故が目立っており、これらをどう減らしていくかが今後の課題となっている。
トヨタでは「交通事故死傷者ゼロ」に向けて、人・クルマ・交通環境の「三位一体の取り組み」を推進しつつ、事故からの学びを商品開発に活かす「実安全の追求」を重要としている
死亡事故の要因は、自動車の安全性、インフラの安全性、人の安全意識の3つの要素が大きく影響している。もちろん、減じてきたとは言え、自動車の安全性も引き続き油断することなく改善していかなくてはならない。あるいは、インフラについては時間とコストを要するもので一朝一夕に進むものではない。という意味で言えば、今、足下での死亡事故を減らせる可能性が最も高いのは「人の安全意識」の改善によるものが最も可能性が高いのではないだろうか。
もちろん教育というのは簡単ではないのだが、近年、明らかな成功事例と思える事象がある。ここ数年、路上で実際に見かける例として、横断歩行者に対して、自動車が停止して道を譲るケースが明らかに増えている。この意識改革については、テレビや新聞が、その報道によって大きく影響を与えた結果だと筆者は思っている。数年前には「歩行者に道を譲らないのは違反である」ことを広める報道を多く見かけた。それらによってリアルな路上での行動変容が起きたのだとすれば、良き前例になるのではないだろうか。
これをして「人の安全意識」の改革として実績を挙げた実例と考えて良いだろう。そういう意味では、今、すぐに死亡事故を減らしていくに際しては、筆者も含め、メディアの果たす役割が大きいと思われるのである。
詳細に見ていくと児童の事故は7歳と8歳、それも4月、5月、6月に突出して集中しており、この時期に児童に対して、有効な交通安全教育を行うこと、そして同時に、自動車運転者に対して、この時期のリスクが高いことについて注意を呼びかけることで、相当な改善がみられるのではないだろうか。
誰だって、いたいけな子供の命を守りたいことは一緒なはずである。今年のタテシナ会議では筆者はその点について、多くの人の参加を呼びかけて、議論を進めてみようと思っている。
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