フェルナンド・アロンソの2020年インディ500参戦に関して、様々な憶測が飛び交っている。そんな中で、アロー・マクラーレンSPの共同オーナーであるサム・シュミットは、アロンソを自身のチームで走らせることに関心があることを認めたが、未だ接触をしていないと語った。
アロンソは2017年、ホンダエンジンを搭載するアンドレッティ・オートスポートからインディ500に参戦。予選を5番手で通過し、決勝ではリードラップを27周するなど、エンジントラブルでリタイアするまでトップ争いを繰り広げた。
■アロンソ、“GP2エンジン”発言は後悔も……「当時のホンダPUは酷かった」
2019年に2度目のインディ500挑戦をした際にアロンソは、カーリンと技術提携を結んだマクラーレンの独自チームとしてエントリー。その際はシボレーエンジンを搭載したマシンを走らせたが、結果は予選落ちに終わっていた。
2018年を最後にF1の舞台からは離れているアロンソだが、彼は2015年からの3年間、マクラーレン・ホンダのドライバーとしてレースを戦っていた。しかしながら、アロンソはホンダ製パワーユニットを公然と批判。2019年にシボレーエンジン車でインディ500に挑戦したのも、そういった背景が無関係ではないはずだ。
そんな中アロンソは1月、F1時代にホンダ製パワーユニットを「GP2エンジンのようだ」と批判したことについて、後悔していると語った。さらに先日マクラーレンとの契約を解消したため、名門アンドレッティのマシンを駆ってインディ500制覇を狙うことが現実的なプランのひとつであると考えられるようになった。motorsport.comは、実際にアンドレッティ・オートスポートとアロンソが契約間近であるという情報をキャッチしていた。
しかし、ここへ来てアンドレッティとの契約締結に暗雲が垂れ込めているようだ。マクラーレンとの関係を解消したアロンソにとって、最後のハードルはホンダの承認であったはずだが、一説にはホンダ側がそれを拒否したという噂がある。motorsport.comが2月2日(日)にアンドレッティ、HPD(アメリカを拠点とするホンダの子会社)双方にコンタクトを取ったところ、どちらもそれについてコメントを控えた。
したがってアロンソは、やはりシボレー(イルモア)エンジンを搭載するチームからのインディ500参戦を検討しなければいけない可能性が高い。ただ、チームペンスキーは4台目のエントリーとしてインディ500を3度制したエリオ・カストロネベスをスポット参戦させる予定であり、エド・カーペンター・レーシングもコナー・デイリー、リヌス・ヴェーケイ、そしてチームオーナーのエド・カーペンターという3台体制で臨む予定だ。上記の理由から、マクラーレンとの契約を解消したとはいえ、アロンソの選択肢はアロー・マクラーレンSPからの参戦しかない、ということになりそうだ。
オーナーであるシュミットはmotorsport.comに対し、アロンソと接触はしていないと語りつつも、アロンソが歴史と伝統のあるインディ500に参戦することは、インディカー・シリーズにとって重要なことだと語った。
「我々は今季、ふたりの若いドライバー(パトリシオ・オワード、オリバー・アスキュー)の潜在能力を最大限に発揮させることに集中する」とシュミットは語った。
「インディ500の3台目のマシンについては何も決まっていないし、そもそもアロンソにアプローチできるようになるとは考えていなかった」
「アロンソがインディ500でシボレーエンジンのマシンに乗ることになれば、それはシボレーにとって素晴らしいことだ。しかし彼が適切な機会ではないと判断すれば、それを断ることもできる」
「アロンソは素晴らしい才能の持ち主であり、インディカーのファンも彼がインディ500で走るところを見たいと思っている。私はいちファンとしてそれを見たいし、彼は2017年に、適切な体制であればレースに勝つ力があることを証明した」
「しかし今のところ、我々はパトとオリバーのことだけを考えている」
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