電気自動車に移行した新型フィアット500に、3ドアハッチバックとカブリオに続く第3のボディタイプ「3+1」を追加設定。日本への導入は現時点で未定
フィアット・クライスラー・オートモビルズ(FCA)は10月22日(現地時間)、全面改良してピュアEV(電気自動車)へと移行した新型フィアット500(チンクエチェント)に、新ボディタイプの「3+1」を新設定した。
フィアット500がフルモデルチェンジでピュアEVに移行! 内外装のデザインも刷新
3ドアハッチバック(BERLINA)とカブリオ(CABRIO)に続く第3のボディタイプとなる「3+1」は、その車名通り、3ドアハッチバックをベースに1枚のリアドアを助手席側に新採用。3ドアと同様の前ヒンジ式フロントドアに、後ろヒンジの小ぶりなリアドアを組み合わせて観音開きを構成し、同時にセンターピラーレスのボディ構造とすることで、後席への乗降性や荷物の出し入れの利便性をいっそう向上させる。もちろん、ドア開口部の補強はしっかりと行い、しかも重量増は3ドアハッチバック比で約30kgに抑制。また、フロントドアを開けない限りリアドアの開閉ができないなど、安全性にも十分に配慮した。
グレード展開としては、発売記念モデルの「ラ・プリマ(LA PRIMA)」をラインアップしたことがトピック。外装にはローズゴールド/グレイシアブルー/オニキスブラックのボディカラーに専用17インチアロイホイール(タイヤサイズは205/45R17)やフルLEDヘッドライトなどを、内装にはエコレザー表皮シートやダッシュボード、ツートンカラーステアリングなどを、先進運転支援システムには道路標識認識機能やレーンセンタリング機能、インテリジェント・アダプティブクルーズコントロール(iACC)などを標準で採用している。
今回のFCAの発表では、新型500のグレード展開としてベーシック仕様のアクション(ACTION)、標準グレードのパッション(PASSION)、上級バージョンのアイコン(ICON)をラインアップすることもアナウンスされた。
アクションは3ドアハッチバックに用意され、パワートレインには最高出力70kWを発生するモーターと23.8kWhの容量を持つリチウムイオンバッテリーを搭載して前輪を駆動。満充電での航続距離はWLTPモードで最大185kmに達し、最高速度は135km/hに制限する。
一方、全ボディタイプに用意するパッションは、最高出力87kWを発生するモーターと42kWhの容量を持つリチウムイオンバッテリーを搭載して前輪を駆動。満充電での航続距離はWLTPモードで最大298~320kmに達する。急速充電にも対応し、バッテリー容量0%から80%までを約35分間で充電。また、約5分間で50kmを走行するために必要な電力が充電できる。性能面では、最高速度が150km/h(電子リミッター作動)、0→100km/h加速が9.0秒と公表した。さらに、ドライブモードとしてノーマル/レンジ/シェルパという3モードを設定。ノーマルは可能な限りエンジンに近づけたセッティングを施し、一方レンジではワンペダルドライブを基本にアクセルペダルから足を離した際はブレーキペダルを踏んだときに近い感覚で減速できるようアレンジする。そしてシェルパは、目的地に確実に到着できるよう電力消費量を最適化し、最高速度を80km/hに抑えながらアクセルレスポンスを調整。さらに、空調のオン/オフも最適選択して電力消費量を抑える仕組みだ。
そして、全ボディタイプに用意するアイコンは、パッションと共通のパワートレインに10.25インチタッチパネルディスプレイやオートエアコン、ウェアラブルキー、16インチアルミホイールなどの上級アイテムを標準装備。また、発売記念モデルのラ・プリマは、パッションやアイコンと共通のパワートレインに、前述のスペシャルアイテムを特別装備している。
新ボディタイプの「3+1」を含めた新型フィアット500の日本への導入は、現在のところ未定。「3+1」が設定される際は、右ハンドルに対応した左側2枚ドアでアレンジすることになるだろう。EV化による環境性能の向上とともに、利便性も高めた「3+1」を設定する新世代チンクエチェントの日本デビューが、今から楽しみだ。
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