世界中から一躍注目されるようになった中国製ミサイル
2025年5月8日、インドとパキスタンという宿敵同士による空中戦が久しぶりに勃発しました。80年近くものあいだ対立し続けてきた両国は、これまで3度の戦争と無数の衝突を繰り返してきました。そうしたなか、突如として行われた今回の空中戦は、地理的にも政治的にも限定的な規模にとどまり、双方の戦闘機とも国境線を越えることなく、互いの領空内から長射程のミサイルを放ち合う戦いだったと推測されます。
【蓋パッカーン!!】これがPL-15ミサイル満載のJ-20のウエポンベイです(写真)
空戦の結果、インド空軍の「ラファール」戦闘機が撃墜されるという結果は、パキスタンの軍事的・心理的勝利を意味したのではないでしょうか。しかし、このインドの敗北には奇妙な副産物が伴っていました。
恐らく、パキスタン空軍のJ-10C戦闘機から発射されたと推測される中国製のPL-15空対空ミサイルのロケット推進部が、ほぼ完全な形でインド領内に落下し、同軍によって回収されたのです。
この出来事が持つ意味は重大です。なぜなら、空対空ミサイルの性能は、魔法でも秘術でもなく、厳密な物理法則のうえに成り立っているからです。例えば、固体ロケットモーターの推進剤の種類や質量、燃焼時間、ノズル形状といった物理的な諸元が判明すれば、最大速度や射程距離を計算で正確に求めることは決して難しくないからです。
PL-15長射程ミサイルは、中国が近年開発した空対空兵器のなかで最も注目を集めているものの1種です。射程は公称で200kmに達するとの見方もあり、同種の空対空ミサイルであるアメリカのAIM-120Dや、欧州の「ミーティア」に優るとも劣らない性能を持っていると言われます。
その詳細は長らく謎に包まれていましたが、このたびの推進部の回収により、ついにベールの一端が明らかになるかもしれません。
なお、インドが回収したのは、あくまでもロケットモーターであり、核心部分とも言うべき電子機器は恐らく自爆によって失われている模様です。ゆえに、中国やパキスタンにとって、インドが回収し、性能がある程度明らかになるのは痛手かもしれませんが、致命傷ではないと思われます。
70年ほど前にもあった「技術流出事件」
このたびの出来事は、ある歴史的事件を彷彿とさせます。1958年9月24日、台湾海峡を舞台に台湾(中華民国)と大陸側(中華人民共和国)のあいだで勃発した空中戦です。この戦いは、史上初めて空対空ミサイルが実戦投入された戦いでした。台湾空軍のF-86F戦闘機にはアメリカから供与されたAIM-9B「サイドワインダー」が搭載されていました。
そのため、機関砲しか装備しない中国のMiG-17戦闘機より有利と目されていましたが、交戦の結果、少なくとも一発の「サイドワインダー」が爆発せずにMiG-17の機体に刺さった状態で帰還したとされます。
この神話とも呼べる逸話の真偽は、長らく議論されてきました。現在では、このミサイルはMiG-17に刺さったのではなく、中国沿岸部に落下したものが人民解放軍によって回収され、ソ連に送られたというのが真相であることがわかっています。
ともあれ、この事件によって中国/ソ連の空対空ミサイル開発は飛躍的な進化を遂げ、結果、ソ連でも同種のミサイル「R-13」が誕生しています。このミサイルは、アメリカ製AIM-9Bのほぼ完璧なコピーでしたが、以後数十年にわたり、東側陣営のスタンダードな短距離空対空ミサイルとして各国に供与・販売され、世界中で運用されるようになりました。
今回のPL-15の推進部回収は、70年ほど前に起きた台湾海峡における「サイドワインダー」のやり取りに匹敵するほどの意義は恐らくないでしょう。とはいえ、回収されたPL-15がもたらす技術的な情報が、インドにとって貴重な知見となり得るのは間違いないはずです。
ひょっとしたらPL-15の技術情報を求めて、すでに水面下で米英仏ロなどといった主要国が非公式にインド空軍に接触し始めているかもしれません。(関 賢太郎(航空軍事評論家))
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何が強くて何が弱いとは一言では決められないのが戦闘なんだよ