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新HVシステム獲得 プジョー3008 136 e-DCS6 ハイブリッドへ試乗 燃費は期待に届かず

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新HVシステム獲得 プジョー3008 136 e-DCS6 ハイブリッドへ試乗 燃費は期待に届かず

1.2L 3気筒ターボ+28psの電気モーター

プジョー3008に、新しいハイブリッド・システムが搭載された。といっても、基本的にボディを動かすのは小さな内燃エンジン。駆動用モーターだけで走れるのは、軽負荷時に限られる。トヨタC-HRが、欧州では最大のライバルになる。

【画像】新HVシステム獲得 プジョー3008 136 e-DCS6 ハイブリッド 競合クロスオーバーと比較 全125枚

このシステムで特徴といえるのが、デュアルクラッチ6速ATと一体になった駆動用モーターだろう。電圧48Vで稼働し、最高出力は28psを発揮。1.2L 3気筒ガソリン・ターボエンジンと協働しながら、前輪を駆動する。

追って他のモデルにも搭載されるようだが、真っ先に採用が決まったのがクロスオーバーの3008だ。次世代が2023年末に発表予定なものの、人気は現在も堅調で、新たなパワートレインが追加されることになったのだろう。

プジョーは、一般的な利用環境の場合、走行中の最大50%までエンジンを動かさずに走れると想定している。ハイブリッドではない3008 1.2ピュアテック130と比較して、燃費は15%程度向上するそうだ。

駆動用バッテリーの容量は0.89kWhと小さいが、助手席の下へ搭載されており、荷室容量やフロア高などに影響はない。3008の優れた実用性はそのまま、高効率なハイブリッドのメリットを受けることができる。

インテリアなどは、既存の3008と同様。登場が2017年と少々時間が経過していることもあって、ダッシュボード上のタッチモニターは小さめに感じる。だが内装には高級感があり、乗員空間にはゆとりがある。

期待へ届かない実際の燃費 印象は普通

運転した印象は、至って普通。発進直後、低速域では駆動用モーターだけで走行可能だが、デュアルクラッチ6速ATの変速するフィーリングが伴う。モーターからは回転音が聞こえ、内燃エンジンが始動しても、かき消されることはなかった。

期待へ届かなかったのが、実際の燃費。市街地を中心に1時間ほど走行したが、エコ・モードで右足を丁寧に傾けても、12.4km/Lという結果になった。EVモード・ボタンがないとはいえ、駆動用モーターだけで走れたのは全体の6%の距離に過ぎなかった。

確かに、1.2L 3気筒エンジンは試乗した殆どの時間で稼働していた。つい回したくなる、活発なユニットではあるのだが。

駆動用モーターもアシストを加えた、システム総合での最高出力は136psとなり、加速力はさほど鋭いわけではない。アクセルペダルの操作に対して、1478kgあるボディの重さを感じてしまう。C-HRの方が、0-100km/h加速時間は2.0秒も速い。

ステアリングホイール裏に取り付けられたパドルを弾くと、デュアルクラッチ6速ATのギアを選べる。ギクシャクすることなく、テキパキと次のギアを選んでくれるのが美点。もっとも、特にスポーティなわけではないから、必要性は低いかもしれない。

アクセルペダルを放しても、エンジンの回転数が落ちるまでに短いラグがあったことが、少し気になった。問題を感じたわけではないけれど。

訴求力ある現代的なファミリーカー

ファミリーSUVとして、3008の安全性や快適性は高いまま。サスペンションやステアリング系に、特に変更を受けたわけではない。18インチホイールが稀に衝撃を伝えることはあるものの、乗り心地は全般的に良好といえる。

ステアリングホイールは小径で、反応は若干鋭く感じられるかもしれない。それでも正確性は高く、軽く回せ安楽。ロードノイズや風切り音は小さく、落ち着いて長距離ドライブをこなせるはず。

ハイブリッドとして、運動エネルギーを電気エネルギーで回収する、回生ブレーキも備わる。効きはかなり弱いようで、強さの調整はできない。

回生ブレーキが介入することで、ブレーキペダルの感触には僅かに一貫性が足りない。しかし反応は予想しやすく、すぐに慣れるレベルといえる。

新しいハイブリッドを獲得した3008は、従来どおり扱いやすいコンパクト・クロスオーバーのまま。駆動用モーターの働きぶりを音で明確に教えるが、市街地をスムーズに走り回れる。

英国価格はまだ発表されていないものの、既存の3008に準じた、充実した装備を獲得するはず。もうじき次期モデルが発表されるとはいえ、人気は維持されると予想できる。ランニングコストなどは、ライバルのC-HRと互角といって良いだろう。

現代的なファミリーカーとして、プジョー3008は訴求力ある選択肢の1台に数えられる。ただし、新しいハイブリッド・システムには余り大きな期待を抱かない方がイイ。

プジョー3008 136 e-DCS6 ハイブリッド(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万6000ポンド(約630万円/予想)
全長:4447mm
全幅:1841mm
全高:1624mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:10.0秒
燃費:17.2-17.8km/L
CO2排出量:126-130g/km
車両重量:1478kg
パワートレイン:直列3気筒1199ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:0.89kWh
最高出力:136ps/5500rpm(システム総合)
最大トルク:23.4kg-m/1750rpm(システム総合)
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック

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