エンジン版マカン終売でグレカーレに好機到来
マセラティの上層部は、今後の展望を明るく捉えている。ステランティス・グループで唯一、真の上級ブランドでありつつ、柔軟な技術共有ができる環境にある。だが、大黒柱となるべきグレカーレの輸入数は、英国では1600台に留まっている。
【画像】スイートスポットな新グレード マセラティ・グレカーレ・モデナV6 競合の上級SUVたち 全129枚
ただし、同じ期間に3万1000台が売れたポルシェ・マカンは、エンジン版の提供が終了。グレカーレが攻勢をかける、絶好のチャンスだといっていい。
これを見計らったかのように、グレカーレには小変更が施された。ボディはアグレッシブさを強め、インテリアもユーザーの要望を受けた改良が施された。
最大のトピックは、モデナV6という新グレードが設定されたこと。2.0L 4気筒マイルド・ハイブリッドのベースグレードと、スポーティなトロフェオV6の中間に位置し、マセラティは「スイートスポット」だと主張する。
ジョルジオの進化版プラットフォームで電動化に対応
スタイリングは、734psのサーキット専用モデル、MCエクストレーマの影響を受けてリフレッシュされた。その事実を、ひと目で感じ取れるわけではないが、フロントバンパーはシャープさが強調され、エアインテークは拡大。レヴァンテとの差別化も図られた。
ボディサイズは、全長4847mm、全幅1979mm、全高1667mm。競合のBMW X3やアウディSQ5などより、ひと回り大きい。
プラットフォームは、アルファ・ロメオ・ステルヴィオも土台とするジョルジオの進化版。ホイールベースは83mm長く、電動化に対応すべく大幅な再設計が施されている。
その結果、ベースのグレカーレは荷室下に駆動用バッテリーを搭載することで、マイルド・ハイブリッドを叶えている。フォルゴーレを名乗るEV版も用意され、こちらはキャビン中央へT字状にバッテリーを実装。容量は150kWhと大きいが、着座位置は低い。
モデナV6では390psの3.0L V6ツインターボ
モデナやトロフェオに積まれる3.0L V6ツインターボエンジンは、アルファ・ロメオと技術共有しつつ、独自に開発された「ネットゥーノ」。グレカーレでは気筒休止機能が備わり、一般的なウェットサンプへ潤滑方式は改められている。
最高出力は、トロフェオで530ps。新設定のモデナV6では390psへデチューンされ、最高出力の発生回転数も、7500rpmではなく6500rpmへ抑えられている。とはいえ、車重2027kgのSUVには充分以上のパワーだろう。
トランスミッションは、ZF社製の8速オートマティック。リアアクスル主体の四輪駆動が標準で、モデナV6には電子制御リミテッドスリップ・デフが実装される。
全体的には上質素材で優雅なインテリアだが
インテリアは、全体的には上質な素材が積極的に用いられ、造形も落ち着きがあり優雅。ステッチが丁寧に入り、本物の金属製部品が各部を引き締める。センターコンソールなど、要所に小物入れやカップホルダーが備わり、日常性も高い。
ところが頻繁に触れる部品の一部は、ステランティス・グループの安価なモデルと共有している。ドアハンドルやタッチモニター・パネルは、フィアット500と同じ。ペダルとステアリングコラムのレバーは、アルファ・ロメオ由来だ。
PRNDと並んだシフトセレクター・ボタンは、フィアット600の車内でも見つけられるもの。ベントレーもアウディの部品を利用する時代にあり、安っぽく見えるわけではないものの、手を加えて印象に違いを持たせても良かっただろう。
2026年仕様では、ダッシュボード上のデジタル時計が新デザインに改められた。トロフェオには、ウッドパネルとは異なる、肌触りの良いマット仕上げの化粧トリムも設定。試乗車には、高音質なソナス・ファベール社製サウンドシステムが備わった。
ひと回り大きいボディを活かした車内の余裕
2020年代後半の上級モデルとして、メーターはモニター式。フレームレートが高く描画は鮮明で、表示情報も多少選べる。個性を感じるグラフィックなら、一層望ましい。
中央のタッチモニターは、ステランティス・グループで共有するユーコネクト。アンドロイド・ベースのシステムで、論理的にメニュー構成され、滑らかな動作で操作しやすい。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには、無線で対応する。
その下部には、エアコンやエアサスペンションを操作できる、サブモニター。ライトやパーキングセンサーの変更も、この画面へ触れて行う。
同クラスではひと回り大きいボディを活かし、車内空間には余裕がある。180cmを超える大人が、快適に過ごせる空間が後席にも設けられている。荷室容量は570Lで、こちらも広い。マイルド・ハイブリッドの場合、駆動用バッテリーが載り35L狭まるが。
肝心な走りの印象とスペックは、マセラティ・グレカーレ・モデナV6(2)にて。
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