幻のアバルトは約半世紀を日本で過ごしてきた
日本はアバルト大国と呼ばれるほど、歴史的なモデルが現存しています。毎月どこかしらで行われているイベントやオフ会などでアバルトを見かけることが多いです。今回は「クラブ・アバルト・ジアッポーネ」が主催したイベントに登場した、伝説級にレアなスポーツプロトタイプのフィアット アバルト「1300SP」とそのオーナーさんから伺った話しについて、お伝えします。
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レギュレーションの荒波に呑まれたレースカー
フィアット アバルト1300SPは、名作「アルファロメオ・ジュリアTZ」を設計したことで有名なマリオ・コルッチ技師がアバルトに移籍した直後から開発を手掛けた。1965年にデビューしたアバルト初の市販ミッドシップ・レーシングカー「1000SP」から発展した1300cc級のグループ6スポーツプロトタイプである。
洋の東西を問わず、アバルト愛好家の間では1000SPと同じ「SE04」という社内コードNo.で呼ばれることが多い。しかし、1000SPの「ビアルベロ」ユニットよりも大柄な「アバルト シムカ ティーポ230」系エンジンを搭載するため、特徴的なトゥボラーレ(チューブラー)フレームやFRP製のボディワークは、ホイールベースを60mm延長。ほかの部位についても、サイズ/形状とも微妙に異なるものとなっている。
製作台数はわずか2台のみ
フィアット アバルト1300SPはサーキットレースのほか、当時の欧州ではFIA公式戦なども行われていたヒルクライムなどにも供用された。しかし、所属するグループ6スポーツプロトタイプに1300ccクラスを設けるレースはほとんどなく、レーシングヒストリーについての情報が極めて乏しいことから、じつはこの個体だけのワンオフではないか……? とも言われてきた。
実際のところ、現在ではヨーロッパでもう1台が確認されてはいるものの、それでも製作台数は合わせて2台だけに留まるそうで、ほぼ同じシャシー/ボディにアバルト シムカ2000GT用エンジンを搭載したフィアットアバルト「2000SP」よりも遥かにレアとなっている。
この個体はヨーロッパでのレース生活を終えて間もなく、さる有名コレクターのもとに引き渡されたのち、約半世紀にわたって日本に生息しており、わが国の愛好家の間では知る人ぞ知る存在となってきたのだ。
もの心ついた時には、すでにこの伝説級レーシングスポーツが自宅に…!
ご本人の希望で匿名とさせていただいたが、今回の「グランプレミオ・スコルピオニッシマ」に1300SPを持ち込んだFさんは、今は亡きお父上から6年前にこのクルマを引き継いだ。つまりこの1300SPは、少なくとも日本においては、いわゆる「ワンオーナー車」ならぬ「ワンファミリーオーナー車」ということになる。
Fさんのお父上は、日本におけるアバルト趣味の創成期を支えた人物のひとり。まだ「アバルト」というブランドが日本ではあまり知られていなかった1970-80年代に、珠玉のアバルトたちを輸入し、その素晴らしさを仲間たちに伝道していった。この個体も、現在50歳のFさん曰く
「もの心ついたころには、すでにうちにありました」
そして現在、当時Fさんのお父上が日本に上陸させたアバルトたちの多くは、「クラブ・アバルト・ジアッポーネ」の重鎮メンバーたちに引き継がれた。いっぽう、この1300SPは親譲りのスポーツカー好きとなっていたFさんが引き受けることになった。
そして迎えた「グランプレミオ・スコルピオニッシマ」当日ながら、1300SPは朝からなぜかスターターモーターの調子が優れず、しかも高圧縮比エンジンということで始動性も良くはない。そこで、専属のメカニックさんたちが数名で推し掛けや牽引車を利用して、毎回苦労の末に始動させていたのだが、ひとたび火が入ればやはりアバルト伝説のレーシングスポーツである。弾けるようなサウンドが炸裂し、ショートサーキット全体にアバルト シムカ系の咆哮が木霊するさまは、まさに壮観というほかなかったのである。
ちなみに、Fさんに1300SPとの今後について伺ってみたところ
「もちろん、これからもずっと大切に乗り続けていこうかと思ってますが、まずはスターターを直さないといけないですね(笑)」
というご返答であった。
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