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トヨタの提案は却下/史上2度目は11年ぶり/タイヤ選択が肝にetc.【第2戦イモラ金曜Topics】

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トヨタの提案は却下/史上2度目は11年ぶり/タイヤ選択が肝にetc.【第2戦イモラ金曜Topics】

 2月下旬に中東のカタールで開幕したWEC世界耐久選手権の2025年シーズン。その第2戦が4月18日から20日にかけて、イモラ・サーキットで開催されている。スパ、ル・マンと続いていく“ヨーロッパ3連戦”の第一ラウンドの舞台となるイモラのパドックより、レースウイーク初日の各種トピックをお届けする。

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トヨタ/GR、連覇を狙うWECイモラ初日は上位ならず「競争力の面で望んでいた位置にはいない」と可夢偉

 金曜日のフリープラクティス2回目は、51号車フェラーリ499Pと15号車BMW MハイブリッドV8のデッドヒートとなり、WEC史上2度目のトップ同一タイムが記録された。前回同様のシーンが見られのは、2014年の上海6時間レースの予選だった。当時はポルシェのロマン・デュマとニール・ジャニ、トヨタのアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミの平均タイムがまったく同じとなり、前者がポールポジションを獲得した。

 今週末は、2012年のセブリング12時間レースで現行シリーズが発足して以来、WECの95回目のレースとなっている。100回目のレースは、今年の富士6時間レースで開催される予定だ。


■ソフトタイヤの供給を歓迎するフェラーリ

 キャデラック・ハーツ・チーム・JOTAのドライバーであるアレックス・リンは、コンディションの変化が予想されるなか、ミシュランのウエットコンパウンドに加え、ソフトとミディアムのスリックタイヤも含め、3種類のタイヤオプションが用意されることから、レースは「激しい」ものになるだろうと予想している。

 リンは次のように述べた。「2種類の異なるコンパウンドとウエットタイヤの組み合わせを考えると、日曜日の天候が大きな影響を与えるだろう。ウエットからスリックへの移行は非常に重要で、そのコンディションで非常に優れたパフォーマンスを発揮するマシンもあれば、そうでないマシンもあるはずだ。全体的に見て、日曜日のレースは、トラフィックや天候に関係なく、コクピットから見ても激しいものになると思う。良いレースになると思うけど、ステアリングを握っているドライバーにとってはストレスフルなレースになるかもしれない」

 トヨタ・ガズー・レーシングのマイク・コンウェイは、「レースでスティントの長さをどうするかがすべて」だと語った。「それが僕たちのタイヤ選択を左右することになる。タイヤのデグラデーション(タイヤの劣化)はそれほど悪くないので、どのようにそれをマネジメントできるかを見ていく」と付け加えた。

 フェラーリのパフォーマンス&レギュレーションマネージャーであるマウロ・バルビエリは、ミシュランがソフトコンパウンドのタイヤを各チームに提供するという決定を歓迎し、昨年使用されたハードコンパウンドよりも「より良い選択肢」だと述べた。

「路面の荒れ具合とタイヤにかかるエネルギーを考えると、ソフトはハードよりも運転しやすいオプションになる」と語ったバルビエリ。「もちろん、天候はランダムだが、このように変わりやすい状況ではソフトはより広い作業領域を与えてくれる」

 さらに、同氏はソフトタイヤがレースに新たな戦略的要素をもたらす可能性を示唆し、次のように述べた。「ソフトタイヤはミディアムタイヤよりもウォームアップがかなり速くなると予想している。そのため、ソフトタイヤのデグラデーションにより後半にペースが落ちたとしても、ウォームアップの短縮によってアウトラップで得られるタイムは充分に価値があり、2スティントならより速いペースを維持できるだろう」


■計6分間のストップ・ペナルティ

 5号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)は、土曜日のフリープラクティス3回目でふたつのペナルティを受けることになっている。ひとつは、ジュリアン・アンドラウアーがFP2で3分前にファストレーンに入ったために科せられた1分間のストップ・アンド・ホールドのペナルティだ。もうひとつは5分間のストップ・アンド・ホールドのペナルティで、これは同じセッションでマシュー・ジャミネがトラックリミットを度々違反していたことにより科せられたものだ。

 前戦カタールGP以降、3つのマニュファクチャラー(アルピーヌ、BMW、トヨタ)が、今シーズンから導入された新しいドライバー体重測定システムについて、説明や手続きの微調整を求めている。とくに注目すべきは、トヨタ・ガズー・レーシングのチームマネージャー、ジョン・スティーグスが「レース中にドライバーがマシンから降りる際に体重計に乗る、ランダムな体重測定」の導入を提案したことだ。これはレース開始4時間前までに、任意のタイミングでテクニカル・デリゲートがドライバーのランダム体重測定を要請できるという現行システムに代わるものだ。

 しかし、トヨタの提案はWECによって却下された。その理由としてチャンピオンシップは、テクニカル・デリゲートはすでに、競技規則7.3.4条において必要に応じてレース中などいつでも体重検査を行う権限を与えられているため、としている。

 注目すべきは、BMW MチームWRTが提出した、ドライバー体重申告の締め切りを木曜日のレース前車検終了時刻まで延期するという別の要請が認められたことだ。これまでは延期された時刻より6時間早く設定されていた。


■FEと重なるWECサンパウロへの影響

 今週末、トヨタ・ガズー・レーシングのドライバー兼チーム代表の小林可夢偉は、WECを優先し全日本スーパーフォーミュラ選手権のもてぎラウンドを欠場している。テクニカルディレクターのデイビッド・フルーリーによると、セバスチャン・ブエミとニック・デ・フリースは、ABB FIAフォーミュラE世界選手権との日程が重なるにもかかわらず、ル・マン後の第5戦サンパウロ6時間レースに「トヨタとともに参戦するはず」だと述べた。

 フルーリーは、彼らの契約はトヨタのWECプログラムを優先するものだと示唆したうえで次のように語った。「ル・マン24時間レース後、それぞれの選手権での順位に応じて検討することになるのは言うまでもない。我々の目標は、ふたりとも我々と一緒にレースをすることだ」

 プジョー・スポールのテクニカルディレクターであるオリビエ・ジャンソニは、リザーブドライバーのテオ・プルシェールがサンパウロで現地入りするものの、必ずしもレースに出場できるとは限らないことを明らかにした。フランスのブランドは、ストフェル・バンドーンとジャン-エリック・ベルニュの両選手がフォーミュラEに出場するためWECラウンドを欠場すると予想している。

 アイアン・リンクスは、スティーブン・グローブとブレントン・グローブのル・マン24時間レース準備プログラムをさらに強化するため、今月末にポルティマオで開催されるインターナショナルGTオープンのシーズン開幕戦に参戦する。チームはすでに5月23~25日に開催されるミシュラン12時間ミサノレースへの参戦を発表しており、チーム代表のアンドレア・ピッチーニは2021年以来のスタートを切ることになっている。

 金曜のFP1では、少なくとも6名のドライバーがピットレーンの速度制限を超過していたことが判明した。アウグスト・ファーフス、ケルビン・ファン・デル・リンデ、ローレンス・ファントール、アレッサンドロ・ピエール・グイディ、フェルディナント・ハプスブルク、クリスチャン・リード、彼ら全員に罰金とラップタイムの抹消が科せられた。ファン・デル・リンデは2回の違反が発覚。また、リードは11km/hの超過により6名の中でもっとも重い1100ユーロ(約18万円)の罰金を科せられた。

 土曜日のスケジュールは、日曜日の6時間レースに向けた最後のオントラック・アクションとなる。3回目にして最後のフリープラクティスセッションは10時40分(日本時間17時40分)から1時間行われ、その後14時30分(日本時間21時30分)より予選が実施される予定だ。

[オートスポーツweb 2025年04月19日]

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