カスタムカーの祭典、東京オートサロンで珍しいキャンピングカーを見つけた。ハイゼットトラックがベースのようだが、一般的なハイゼットのキャンピングカーとは雰囲気が違う。超特別な空間が破格の値段で手に入る、魅惑のキャンピングカーをご紹介しよう。
文・写真/佐々木 亘
圧巻のヒノキ内装!! 世界一幸せなキャンプを楽しめる[クオッカジャパンディ]ってなに?
【画像ギャラリー】こんなことまで出来るの!? 内装が大変身するハイゼットベースの「クオッカジャパンディ」をギャラリーでチェック(12枚)
■ベースはハイゼットトラックのパネルバン!
東京オートサロン2025に展示された三島ダイハツのQuokka Japandi
一般的なハイゼットのキャンピングカーは、1BOXカーのハイゼットカーゴをベースにしたものか、ハイゼットトラックをベースにして荷台の部分に居住スペースを載せるケースが多い。
しかしながら、今回紹介する三島ダイハツのQuokka Japandiは、ハイゼットのパネルバンをベースにして制作されたものだ。パネルバンとは、積み荷を雨やほこりから守るために荷台がパネルで覆われたトラック。そもそも荷台に箱があるので、その中を居住スペースに改造していけばいいのが利点で、後付けの箱よりも無理のないデザインで、強度も十分に確保できる。
ハイゼットパネルバンには、上下分割のバックドアと両側スライドドアが標準装備されており、居住スペースへの出入りにも苦労しない。後方確認用のスマートインナーミラーが標準装備されてくるのも、キャンピングカーとしての安心ポイントだ。
通常は配送する荷物でパンパンになるパネルバンだが、三島ダイハツの手にかかれば、日本を強く感じられる魅惑のスペースが誕生する。
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■内装は富士ひのきと漆喰の壁
内装には耐湿性や耐水性に優れる木材「ヒノキ」が使われている
貨物室内に入ると驚くのが、木材の量だ。見渡す限り木材で埋め尽くされている。この木のほとんどが「富士ひのき」だという。
お風呂などに使われるヒノキ材は、耐湿性や耐水性に優れる木材。ヒノキの発する芳醇な香りにはリラックス効果があり、血圧の上昇を抑えたり、睡眠の質を上げたりするといわれていて、キャンピングカーの寝室にはもってこいの材質なのだ。また、虫や細菌を寄せ付けないといった作用あり、衛生面を気にする内装にも適している。
傷や凹みは水で濡らしてアイロンをかければある程度元に戻るし、大きな傷や汚れが出来てしまったら無垢の木を使っているため削るということも可能。使い込むほどに飴色に変わっていき、傷や汚れも風合いとして楽しめるのもポイントだ。木材自体が呼吸しているため、車内の温度や湿度を調整する役割も持つ。
これに合わせるのが、漆喰の壁だ。お城や神社仏閣にも使われる漆喰の壁は、ほこりやごみが付きにくく、耐久性が高い。木材同様に湿度や温度を一定に保つ機能も持つ。自然由来の材料なので、アレルギー体質の人や匂いが気になるという人にもおすすめできる。
富士ひのきと漆喰という和の材料を使いながら、室内の雰囲気は北欧テイストで超オシャレだ。
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■軽々動くソファー兼ベッドがスゴイ
このようにベッドへの模様替えも簡単!! 女性でも軽々できる仕様にこだわったそうだ
いろいろな装備が付いているキャンピングカーで大変なのが、居住スペースから寝室スペースへと模様替えする時。大きな部品を動かしたり、力が無いと動かせなかったりすることもしばしばだ。
そんな中でクオッカのベッドは、女性が一人でも簡単にベッドの展開・収納(ソファへ変形)ができる。秘密は土台の木材裏に隠された新機構にあるのだが、この動きは想像以上に軽くてスムーズ。ベッドマットにもファイバーマットを採用しており、快適な眠りをサポートしてくれるぞ。
車名の「クオッカ」は、オーストラリアのクオッカワラビーからきている。生息地に天敵がいないため警戒心がほとんどなく、人懐っこい性格らしい。口角が上がっていることで、いつも笑っているように見えることから、世界一幸せな動物といわれている。
このクオッカをモチーフにしたオリジナルキャラクターの焼き印も入るベッドなら、世界一幸せなキャンピングライフを送れるだろう。
スマアシやスマートインナーミラーなどが標準装備され、キャンピングカー架装も内装やベッドマット、断熱材や走行充電装置などがそもそも付いてくるこのクルマは、CVTの2WDで300万8500円(税込)と想像以上に安い。必要なオプションをつければ価格は上がっていくが、それでもこの質感を考えると、軽キャンパーとしては破格と言えるだろう。
キャンピングカーを愛してやまない社長がいる、ダイハツサブディーラーが作ったキャンピングカー。好きだからこそできる丹念な仕事が、クオッカには詰まっていた。
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