シーズン再開に向けて動き出したF1。日程が発表されたヨーロッパでの8レースのうち、オーストリアとイギリスでは2週連続でレースが実施される予定であり、今後さらに多くのダブルヘッダーイベントが発表される可能性がある。
F1マネージングディレクターのロス・ブラウンは、リバースグリッドの予選レースを導入し、ダブルヘッダーの2レース目に”スパイス”を加える計画を支持した。しかしこの段階でのルール変更は全チームの合意が必要であるものの、メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフが反対したため、このアイデアは破棄された。
■リバースグリッド案は実現せず。しかし「今後もアイデアは考え続ける」とF1
「昨年それを考えたが、支持は得られなかった」
ブラウンはリバースグリッドの計画について、motorsport.comにそう語った。
「今シーズンは、同じトラックでいくつかのグランプリを開催する必要があり、2週目のレースには(リバースグリッドが)最適なアイデアになると思った」
「オーストリアやシルバーストン、そしてシーズン後半にも同じことをすることができる」
「しかしメルセデスが反対した。ミーティングでトトは率直な意見を言っていた。そして私はそれを理解し、尊重した。彼がより大枠を見ることを望んだが、彼はそうしなかった」
ウルフは、リバースグリッド案について「F1は実力主義だと思っている。最高のマシンに乗った最高の人間が勝つ。よりエキサイティングなレースにするために仕掛けをする必要はないんだ」とコメントしている。
ブラウンは、特定のチームが不利にならないように、2レース目に新たな要素を追加したいと考えている。ひとつのアイデアとして、持ち込まれるタイヤのコンパウンドを変えることが検討されているようだ。
昨年、ピレリはオーストリアGPにC2、C3、C4というコンパウンド、イギリスGPには1段階硬いC1、C2、C3というコンパウンドのタイヤが持ち込まれたが、2レース目にはこれを変更するという案だ。
「我々は現在、そのアイデアについて議論している」と、ブラウンは語った。
「2レース目に向けて、ふたつの要素がある。ひとつは、週末を通して各チームが確実に走行するようにしたい。2レース目には、チームが必要なデータを全て持っている。金曜日の走行が静かになって欲しくはないんだ」
「もうひとつの側面は、変更によって第2レースでファンをもっと魅了できるかどうかということだ。その変更は、チームが混乱しないようなものだ」
「小さな変更で言えば、それはタイヤコンパウンドのようなモノであり、それを実行できるかどうか確認する。違う組み合わせのコンパウンドが使用できるなら、いくつかの作業ができる」
「しかし、それは確実とは程遠い。現時点で我々はそれに取り組んでいる。何も起こらない可能性はあるが、第2レースを盛り上げるために何かできるなら、それは良いことだ」
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