スーパーGT GT300クラスに参戦するHOPPY Team TSUCHIYAは1月29日、東京都中央区のヤマハ銀座スタジオで、チームのサポーターたちを集めた『HOPPY×つちやエンジニアリング KICK OFF LIVE』を行い、そのなかで2020年の参戦体制について発表した。長年親しんだ86マザーシャシーに代わりポルシェ911 GT3 Rを投入する2020年は、松井孝允と佐藤公哉というコンビを継続。エントラント名が変更され、『HOPPY Team TSUCHIYA』として王座獲得を目指す。
2015年にスーパーGTに復帰したつちやエンジニアリングは、2016年に土屋と松井のコンビでGT300クラスのチャンピオンを獲得。かつてのチーム解散から“三カ年計画”で復活を果たしたその姿は、多くの感動を呼んだ。
スーパーGT:つちやエンジニアリングの2020年マシンはポルシェ!「プライベーターの味方」
その後もチームは、ドライバーを退き、監督兼エンジニアとなった土屋が鍛え上げた86マザーシャシーでの参戦を続け、山下健太や坪井翔といったドライバーを育てあげてきたが、2019年の最終戦もてぎで、土屋が86マザーシャシーの使用終了を宣言。2020年からはポルシェ911 GT3 Rにスイッチすることが明らかにされていた。
そんなポルシェへのスイッチは、2019年の第6戦オートポリスがきっかけだったという。土屋を長年支えたホッピービバレッジの石渡光一先代社長が直前に逝去し、その思いを汲んで走ったHOPPY 86 MCはポールポジションを獲得するも、雨のレースで苦戦。場内実況でそれがアピールされていたのを聞き感動した石渡社長は感動。続く第7戦SUGOでも同様にウエット路面に苦戦したが、そこでホッピービバレッジの石渡美奈社長が「クルマ、変えようか」と苦戦を続けていた土屋に話したひと言がきっかけだったという。
「モータースポーツの長い歴史があり、プライベーターの味方」として土屋が選んだポルシェは、間もなく日本に到着する予定だが、変わるのはクルマだけではない。2020年から石渡社長と土屋がチームの“ダブルオーナー”というかたちを採ることになり、『つちやエンジニアリング』から『HOPPY Team TSUCHIYA』というエントラント名に改められた。
■ドライバー体制は不変
ただ、チーム名とクルマは変わっても、ドライバーは不変だ。2020年も松井と佐藤がコンビを組み、ポルシェをドライブすることになる。「いつクルマが来てもいいよう、トレーニングを積んできました」と松井が語れば、佐藤もポルシェのドライブ経験はないながらも「もう準備はできています」とシーズン開幕が待ちきれない様子をみせた。
「私がドライバーだった時代の2003年から、ホッピーさんにはスポンサーとして協賛していただいて今年で18年目になります。石渡社長から、我々がチーム運営に集中してレースの結果に繋げられるようにと、今回のご提案をいただきました」と土屋。
「プライベーターの我々には、シーズン全戦を走りきることすら不安だったなか、これほど心強いパートナーシップはありません。この想いに応えるためにも、これまで以上に技術を磨き、常に成長していきたいと思います」
また、ダブルオーナーとなった石渡社長は、この日は風邪のため声が出せず代読というかたちとなったが、「本業では三代目ですが、江戸っ子としては四代目となる私に二言はございません。一度決めたら地球の果てまでとことんご一緒させていただく所存です。否、土屋武士率いるつちやエンジニアリングならば、地球の果てまでひょいと超えて、宇宙にまで至るかもしれないと感じます」とコメントした。
ライバルたちと同じGT3カーで新たな挑戦をスタートさせるHOPPY Team TSUCHIYA。新型ポルシェ911 GT3 Rは2019年に世界中のGTレースで強力なパフォーマンスをみせているマシンだけに、今季注目の存在になるのは間違いないだろう。
この日は、レースアナウンサーのピエール北川さんの進行のもと、構康憲さん、そして土屋の応援ソングを歌う坂田建二さんと、チームに縁の深いアーティストたちのライブが行われ、2020年の必勝に向けテンションを高めていった。
HOPPY Team TSUCHIYA 2020年スーパーGT参戦体制
チーム名:HOPPY Team TSUCHIYA
エントリー車名:HOPPY Porsche
カーナンバー:25
メンテナンスガレージ:つちやエンジニアリング
パートナー:ホッピービバレッジ株式会社
タイヤメーカー:横浜ゴム
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