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故意のスロー走行で入賞したウイリアムズ、“醜いレース”を謝罪「レーシングブルズにやられて、倣うしかなかった」

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故意のスロー走行で入賞したウイリアムズ、“醜いレース”を謝罪「レーシングブルズにやられて、倣うしかなかった」

 2025年F1モナコGP決勝で、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは10番グリッドから9位、カルロス・サインツは11番グリッドから10位を獲得、チームは合計3点を獲得した。ウイリアムズは4戦連続のダブル入賞を達成、コンストラクターズランキング5位の座をさらに固めた。

 レース序盤、アルボンは10番手、サインツは11番手を走行。アルボンの前を走るリアム・ローソン(レーシングブルズ)は、さらに前を走るチームメイト、アイザック・ハジャーにポジションを大きく落とさずにピットストップをするチャンスを与えるため、スローペースで後続を抑えて走っていた。

レーシングブルズが戦略とチームワークでダブル入賞「6位は小さな勝利」とハジャー。ローソンにも感謝

 ローソンは、ハジャーが2度のピットストップを終えた後、ペースを上げたため、アルボンも速いタイムで走行することが可能になった。ウイリアムズはレーシングブルズと同じ戦略を採ることを決め、サインツがスローペースで後ろのジョージ・ラッセル(メルセデス)以下を抑え続けた。サインツが空間を作ったために、アルボンは2回のピットストップ後、いずれもサインツの前で戻ることができた。

 その後、アルボンはサインツを前に出し、チームメイトのために後続を抑え続け、その間にサインツは2回のタイヤ交換を終えても、ポジションを落とさず、アルボンの前でコースに復帰した。

 レース終盤には2台はポジションを入れ替え、アルボンが9位、サインツが10位でフィニッシュした。

 レース中、スローペースのウイリアムズ勢に抑え続けられたジョージ・ラッセル(メルセデス)は苛立ちを募らせ、ペナルティを承知でコーナーをカットしてアルボンの前に出た。スチュワードは、故意に違反を犯したラッセルに、ドライブスルー・ペナルティという重い罰を与えた。

 ウイリアムズのふたりは、レース後、今回の戦略を実行することに抵抗があったと述べており、アルボンは無線で「醜いレース」だと述べた。チーム代表ジェームズ・ボウルズもそれに同調している。

「両ドライバーがポイントを持ち帰ってくれたのは素晴らしいことだし、アレックスとカルロスが強力なチームワークを発揮してそれを達成してくれたのは素晴らしいことだった」

「しかし、モナコにおけるルールとレギュレーションについては見直す必要がある。こうしたレースは正しく感じられないし、私は自分たちが純粋なパフォーマンスと実力で戦うことを望んでいる。しかし我々はまだその域には達していない」

■アレクサンダー・アルボン(アトラシアン・ウイリアムズ・レーシング)決勝=9位(76周/78周)10番グリッド/タイヤ:ミディアム→ミディアム→ハード

「今日のようなレースの仕方は、僕もカルロスも本意ではない。美しくはないからね。でも結局はこれは戦術ゲームであり、僕たちはそれを成立させる必要があった」

「最初にレーシングブルズがこの戦略を実行した。彼らがやるなら、僕たちも応じるしかなかった」

「結局のところ、僕たちはレースを土曜日に失ったんだ。ここではスタートする位置でフィニッシュする。そのつけを支払った」

「週末全体としては、最大限の成果を引き出せなかった気がして少し残念だったが、それでもチームにとって貴重な3ポイントを持ち帰れた。これからも地道に前進を続けていくつもりだ」

(『Sky Sports F1』に対して語り)「皆にひどいショーを見せてしまった。ただコースの特性とマシンの大きさを利用しただけのショーだった。しかも、2ストップの義務によって、1回ではなく2回やることになったんだ」

「見てくれていたすべての人たちに謝りたい。あれはあまり良くなかった。僕たちはあれをやりたかったわけじゃないし、計画していたわけでもなかった」

■カルロス・サインツ(アトラシアン・ウイリアムズ・レーシング)決勝=10位(76周/78周)11番グリッド/タイヤ:ハード→ミディアム→ミディアム

「今日のようなレースの仕方は僕たちが望むものではない。僕たちや他のチームは、ペースを落としてギャップを作ることができた。そのやり方は、モナコGPとしてあるべき姿ではないと思う」

「僕たちはチームとしてうまく連携できたが、他のドライバーたちが不満を感じたのは理解できる。僕たち自身も被害者だったからだ」

「ポジティブな面を見ると、予選で予想以上に苦戦した週末でまたダブルポイントを獲得できた」

「この後、3連戦の最終ラウンドとなるバルセロナへ向かう。母国のファンの前でレースをするのをとても楽しみにしているし、素晴らしい週末を彼らと共有したい」

(『Sky Sports F1』に対して語り)「僕にとっては明らかにやりたくないことだし、見たくもないことだ。残念ながら、ローソンが最初に僕たちにそれを仕掛けてきた。まったく予想していなかったことで、それによって僕たちはパニック状態に陥った。そして僕たちが思いついた唯一の解決策は、それを他のすべてのマシンに対して自分たちもやることだった」

「レース全体と週末全体に対して、少し失望している。この2ストップ義務がモナコでは何の意味も持たないことが示された。今日僕たちがやったようなことを、皆が今後もやるだろう。皆、こういうドライビングによって最終結果を操作しようとするんだ」

「今日のような形でレースペースを操作できないようにするための解決策を考え出せなければ、この状態が永遠に続くだろう」

[オートスポーツweb 2025年05月26日]

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みんなのコメント

11件
  • nob********
    モナコGPは終わりかなぁ。

    大幅なコースの改修や変更でも有れば継続できるかもしれんが無理だろうからね。抜けないコース幅でスロー走行を許容するなら予選の結果で順位をつけて良いと思う。決勝レースをする必要は無いな。www

    予選より1秒以上遅いラップでドライブスルーとか、ペナからインまで2周経過で更にもう一回追加とか、後続車よりタイムが遅いとブルーフラッグで強制的に順位を落とさせるとか。

    マリオカート的な特別ルールが必要だね。
  • Mmako
    故意に遅く走るって、もうレースじゃないよね。こんなの見て誰が楽しめるのか。
    ファステストラップに対して 10%以内に走らないとペナルティを課すとか、一発勝負のタイムアタックバトルにするとか改善しないと、ただのパレードイベントになって見る価値が無くなる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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