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電動マイクロカーって本当はどうなの? 特長が活きる場所はある サイレンスS04へ試乗

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電動マイクロカーって本当はどうなの? 特長が活きる場所はある サイレンスS04へ試乗

ダカール・ラリーのライダーが創業した新興企業

電動スクーターを手掛けてきたスペインの新興企業、サイレンス社が四輪のマイクロカーを発売した。AUTOCARでは、シトロエン・アミを過去に取り上げているが、それ以上の体験を約束するとか。

【画像】特長が活きる場所はある サイレンスS04 アミとトポリーノ イセッタ似のマイクロリーノも 全101枚

ダカール・ラリーをオフロードバイクで戦ってきた、プロライダーのカルロス・ソテロ氏が2014年に創業したのが、このサイレンス社。バルセロナ郊外に建つ、元日産の工場を居抜きで購入し、年間4万台の電動モビリティが生産されている。

最初に発売されたサイレンスS02は、都市部を駆け回るビジネスマンを前提とした、電動スクーター。2019年には、より上級なS01も追加された。そして最新のモデルが、今回試乗したマイクロカー、S04だ。

グレートブリテン島への輸入は、ジャガー・ランドローバー社に在籍していた、ジョン・エドワーズ氏らが手掛けている。バーミンガムの南東、ソリフルに英国のメイン・ディーラーがあり、同社の最新モデルを購入できる。

S04の全長は2280mmで、全幅は1290mm。車重は450kgと軽い。アミと同じく、スペースフレーム・シャシーに、コンポジット素材のボディがかぶさっているが、製造品質はかなり高い。

車内はしっかり内装で覆われ、フレームは露出していない。手で触れる部分は、ソフト加工されている。定員は2名。肩が触れ合わないよう、オフセットして座る。シートの後方には、リアハッチからもアクセス可能な、313Lの荷室がある。

最高速度83km/h 航続距離は最長148km

装備も充実している。エアコンにパワーウインドウ、集中ドアロックは標準。メーターパネルは7.0インチのモニター式で、スマートフォンを繋いで音楽を再生できる、スピーカーも備わる。

左ハンドルのみだが、幅が狭いから殆ど気にならない。むしろ、英国では縦列駐車しやすいし、すぐに歩道側へ降りられる。

駆動用モーターは、リア側に2基積まれ、左右個別のタイヤを受け持つ。通常の出力は19psで、短時間だけ30psを発揮できるという。最高速度は83km/h。駆動用バッテリーは、左右のシートの下に、2ユニットに別れて載っている。

ちなみに、このバッテリーは同社の電動スクーターと同じもの。2輪車の場合は、1ユニットでまかなわれている。車体から取り外せるが、容量は5.6kWhと大きめで、かなり重い。

「40kgあるので、リュックには入りませんね」。エドワーズが説明する。スーツケースのように、小さなタイヤとハンドルが付いており、充電器まで駆動用バッテリーだけ移動することが可能。車体側の充電ソケットへケーブルを繋ぎ、充電もできる。

バルセロナでは、サイレンス社の電動スクーターが急速に普及している。市内には、バッテリーの交換ステーションも展開されているという。

航続距離は、2基の駆動用バッテリーがフル充電で、最長148kmが主張される。試乗車は充電量が90%で、パワーが少し絞られるシティ・モード時は100kmが表示された。
スポーツ・モードへ切り替えると80kmへ短くなるが、エコ・モードなら120kmだ。

クルマっぽくて走りもイイ 乗り心地は硬め

実際に走らせてみると、表示されている航続距離は正確な様子。アクセルペダルを優しく扱わなくても、100km前後は簡単に走れるようだ。

エドワーズは、クルマのように運転できると話していたが、確かに扱いやすい。アミより、クルマっぽくて走りもイイ。

動力性能は、通常のバッテリーEVと比べて鋭いわけではない。0-48km/h加速は7.0秒と穏やかなレベルだが、交通の流れには問題なく着いていける。そして、運転が楽しい。

最小回転直径は3.5mと小さく、ステアリングはダイレクト。155/65 R14のタイヤは良くグリップし、キビキビと走る。ブレーキにはABSも備わる。

乗り心地は硬め。全幅に対して全高が高く、ボディの傾きを抑える必要があるためだ。英国のように舗装の悪い区間が多い場所では、ちょっと不快ではある。速度抑止用のスピードバンプは、結構しんどい。

車内は、自転車と違ってエアコンが効いている。雨に濡れることはない。ステレオも付いているから、気に入った音楽を聞いていられる。

試乗したS04 プレミアムの英国価格は、1万5995ポンド(約302万円)から。電動スクーターではなく、間違いなくクルマの価格帯にある。正直なところ、これより安価な4シーターのバッテリーEVは存在する。

だが、特定の目的や環境なら、使い勝手は優れるだろう。市街地での配達や、リゾート地での短距離移動など、能力を活かせる場所はある。

英国では年間数100台の販売を想定

現在の社会は、S04より遥かに大きいサイズのクルマを基準に構築されている。もっと小型化できるにも関わらず、モデルチェンジのたびにボディサイズは拡大してきた。少し馴染めない条件があったとしても、それはS04だけの理由ではないように思う。

英国では、年間数100台の販売が見込まれている。電動スクーターの販売も手掛けているエドワーズは、それより人気を集める可能性があると考えている。筆者も、そうなることを願っている。

◯:リゾート地や配達業務などへ理に適ったデザイン 普通車へ劣らない製造品質と装備
△:硬めの乗り心地 低めの動力性能

サイレンスS04 プレミアム(英国仕様)のスペック

英国価格:1万5995ポンド(約302万円)
全長:2280mm
全幅:1290mm
全高:1590mm
最高速度:83km/h
0-100km/h加速:−秒
航続距離:148km
電費:8.3km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:450kg
パワートレイン:ツインモーター
バッテリー:11.2kWh(実容量)
急速充電能力:−kW
最高出力:30ps
最大トルク:−kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

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みんなのコメント

5件
  • kra********
    300万も出して、コレ欲しいか?
  • TE27LEVIN
    こういうのって後々のサポート面も考慮するとトヨタ車体のコムスしか選択肢が無いんだよね。
    個人的にはミゼットIIみたいなのが欲しい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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