機能を積み重ねて作り上げた走れるJB74ジムニー・シエラの真髄に迫る
スズキ「ジムニー」のカスタムは、選択肢が多いからこそ悩ましい。Youtubeチャンネル「ジムニー乗りの休日」のオーナーである“けーくん”さんも、まさにその悩みを経験してきたひとりだ。以前はJB23に乗っていたものの、エンジンブローをきっかけに乗り換えを決意。ちょうど現行型となるスズキ JB74「ジムニー・シエラ」が登場したばかりのタイミングで購入することができた。そんな愛車をベースに、“けーくん”さんがカスタムで大切にしているのが「機能性」だ。見た目だけのパーツは極力避け、オフロードやキャンプなど、実際の使い方につながるアイテムを厳選してきた。その結果、フロントには本格的なバンパーやウインチを備え、3インチのリフトアップに大径タイヤを組み合わせた、圧倒的な走破性を誇るスタイルへと進化している。
荷台にバンバン90を積んでキャンプへ。希少なジムニー1000ピックアップが叶える極上の時間
機能を持たない飾りは付けない! 本格オフロード仕様へと鍛え上げる
「ジムニーはパーツが非常に多いので、正直どれを付けたらいいのか探すのが一番大変でした。オフ会などで皆さんの意見を聞きながら、『これは良かった』『これはダメだった』という情報を参考にして自分で選んでいきました」
その言葉どおり、最初からすべてを勢いだけで決めたわけではない。納車直後には日本ではまだ珍しかったオーストラリアのHAMER(ヘイマー)のフロントバンパーを雑誌で見つけ、ショップに取り寄せを依頼した。当時は装着している人もほとんどいなかったという。
バンパーに用意されていたワークランプ用の穴にはIPFのランプをセットし、さらに6000ポンド(約3トン)のウインチも搭載する。ランクルクラスの車両を引っ張ることも想定した本格的なスペックだ。フロントにはさらにAirplexのバグガードも装着している。「これがないとジムニーはすぐに窓に虫がつく」というほど、その効果を実感しているアイテムだ。走行中には虫がフロントガラスへ飛んでいくのではなく、上へ逃げていく様子が見えるほどだという。
林道での枝対策となるブッシュガード(フロントフェンダーの縞板状のパネル)についても同様だ。枝がボディに当たりそうな場面でも、ブッシュガードによって多少逃がすことができる。
「飾りのカスタムはあまりしたくなくて、何か機能がないと付けたくないんです」
ちなみにルーフラックもHAMER製。対荷重も高く、合計200kgくらいまで積載することが可能。6点で支えていることがポイントだという。こうした実体験に基づくパーツ選びが、このJB74の特徴になっている。
3インチのリフトアップと245/75R16タイヤで圧倒的な走破性を追求する
足回りはタニグチでまとめ、リフトアップ量は3インチを確保した。さらにタイヤの外径分も含めれば、ノーマルから約4インチも高いスタイルとなる。
ステアリングダンパーもエナペタルを選び、ラテラルロッドにはオフロードサービスタニグチの調整式を採用。足回りのブランドを揃えながら、リフトアップ後のシビアなセッティングにも対応している。
その足元に組み合わせるのが、RAYSのTEAM DAYTONA F6 boost(16インチ)だ。デザインに惚れ込んで選んだというホイールは、当時は注目されていないカラーだと購入したショップのスタッフから聞いていたそうだが、ボディカラーとの相性は抜群で、現在ではこの組み合わせがお気に入りだという。
タイヤはトーヨータイヤ・オープンカントリーM/T(マッドテレーン)の245/75R16を選択。「オフロードを走ったときの食いつき」と「ロードノイズの少なさ」を重視して選んだもので、“けーくん”さんにとっては「トーヨー一択」と言えるほど信頼を置いている。
実際、2026年7月18日に愛知県で開催されたTOYO TIRES主催のユーザーイベント「俺の#オプカン ~さなげ場所~」の会場では、本格的なオフロードコースも走行した。アップダウンが激しく、ボコボコした路面や急な下り坂もあるコースだったが、その走りを終えた“けーくん”さんは、改めてタイヤの性能を実感したという。
「食いつきの良さや安定感、どこでも走れる安心感を再確認できました。やっぱりこの選択は間違っていなかったなと」
カタログスペックだけではなく、実際に走った経験が現在の仕様を力強く裏付けている。
リアまわりも抜かりなく重厚感と実用的な機能性を両立させる
リアまわりも抜かりがない。リアバンパーは茨城県のニューラインサカによるアイアンバンパーだ。選んだのは鉄製。オフロードでのハードな使用を考えれば、見た目だけでなく素材そのものにもこだわりたくなるものだ。
さらに背面タイヤは取り外し、そのスペースにはアピオの土台を使ってRotopaxのウォーターコンテナとショベルをマウント。背面をすっきりさせながら、アウトドアで必要になる装備を効率よく積載できるようにしている。
バックランプにはIPFを2個装着し、夜間や悪路での視認性も確保した。マフラーはショップと5ZIGENのコラボモデルで、音についても「非常に安定している」とお気に入りの様子だ。
狭い車内だからこそ空間を無駄なく使いオーディオにもこだわる
外装だけでなく、インテリアにも「使うためのカスタム」という考え方は貫かれている。
ジムニー・シエラは決して広大な車内を持つクルマではない。だからこそ、今後家族が増えた場合なども考え、荷物をできるだけ上に逃がすなど、限られた空間を有効活用することを常に意識している。
車内にはスマートフォンや弁当、飲み物などを置ける折りたたみ式テーブルも装着した。必要なときだけ展開できるため、狭い室内を圧迫せずに使えるのが大きなメリットだ。
シートにはグレイスのシートカバーを装着する。選んだのはレトロな雰囲気の赤で、本人も「少し冒険した色」と振り返るが、実際に装着してみるとボディとの相性も良く、結果的にはお気に入りのポイントになった。
そして意外なほど力が入っているのがオーディオだ。
KICKERのスピーカーを中心にデッドニングまで施工し、アダプターキットを使用。16cmスピーカーを4発投入し、さらにウーファーまで組み込んだ本格的なシステムとなっている。
外から見れば、そこまで大掛かりなオーディオを搭載しているとは分からない。しかし、実際に音を鳴らせば、その圧倒的なギャップに驚かされるという。オフロードを走り、キャンプへ出かけるだけではなく、移動中の車内も楽しめる空間にする。これも、“けーくん”さんにとってジムニーを長く楽しむための重要なポイントなのだ。
キャンプとオフ会で生まれた出会いが“けーくん”流ジムニーを育てた
アウトドアとの相性も、このJB74を語るうえでは欠かせない。
以前は毎週のように三重県の鈴鹿から長野方面まで出かけ、2泊3日のグループキャンプを楽しんでいたという。現在は暑さもあって少しペースを落としているものの、ジムニー・シエラを使ってキャンプへ出かけるスタイルは変わらない。
そして、そんな活動のなかで生まれた人とのつながりも、このクルマには刻まれている。天井に貼られたパッチやステッカーには、「64」「74」といったジムニーの型式を示すものや、オフ会で知り合った有名なジムニー乗りの「38」など、仲間からもらったものが並んでいる。
「自宅にもたくさんありますが、その一部をここに飾っています」
パーツだけでなく、ジムニー・シエラを通じて出会った人たちとの思い出まで車内に積み込んでいるわけだ。
ジムニー・シエラはカスタムパーツが豊富なクルマだからこそ、選択肢が多すぎて迷ってしまう。だからこそ、オフ会などで実際のユーザーから情報を集め、自分自身で走り、使いながら必要なものを選んでいく。
「これは良かった」「これはダメだった」というリアルな経験を積み重ねた結果が、現在の“けーくん”さんのJB74なのだ。
見た目の迫力だけを追求するのではなく、林道を走り、キャンプへ出かけ、家族と過ごし、仲間と交流する。そのすべてを楽しむための道具としてジムニー・シエラを仕上げているからこそ、この1台には確かな説得力がある。
そんな“けーくん”さんのジムニーライフをさらに楽しめるのが、YouTubeチャンネル「ジムニー乗りの休日」だ。ジムニー・シエラでのオフロード走行やカスタム、イベント、訪れた観光地など、実際のカーライフを発信しているので、今回紹介した車両の走りやカスタムの詳細が気になる人は、ぜひチェックしてみてほしい。
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