ハイブリッド車のパイオニアであるトヨタ『プリウス』。4代目となる現行モデルは2015年12月に登場した。
プリウスやアクアのような専用モデルだけでなく、さまざまなモデルでハイブリッド車が設定されていても、2016年の年間新車販売台数(軽自動車を除く)では24万8258台でNo.1に輝いた。
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続く2017年も16万912台で第1位をキープしたものの、2018年は11万5462台で第3位に甘んじた。しかし、2018年12月のマイナーチェンジが功を奏し、2019年には12万5587台で1位に返り咲いたのだ。
しかし、2020年には対前年比53.6%の6万7297台で12位とベスト10圏外へと落ちてしまった。新車販売においてはやや陰りが見え始めている現行型プリウスだが、中古車事情はどうなっているのだろうか。その最新事情をレポートする。
文/萩原文博
写真/TOYOTA
【画像ギャラリー】4代目プリウスの前期、後期を写真で見くらべてみよう!!
■4代目となる現行型プリウスはどんなクルマ?
現行型プリウスは2015年12月にトヨタのクルマ構造改革である「TNGA」の初採用車として登場。
ハイブリッドシステムのバッテリーをリチウムイオン電池中心としたこと。そしてプリウス初となるE-fourと呼ばれる電気式4WD搭載車を設定するなど、従来モデルのウィークポイントを徹底的に取り除いた。
搭載するハイブリッドシステムは、最大熱効率を高めた1.8L直列4気筒ガソリンエンジンに小型・軽量化したハイブリッドシステムを搭載し、走行性能と燃費性能を向上させた。さらに、衝突回避支援パッケージの“トヨタセーフティセンスP”と呼ばれる運転支援システムを搭載し高い安全性を実現したのが特徴だ。
4代目(50系)プリウス 前期モデル。奇抜なフロントデザインで「歌舞伎顔」と呼ばれ、賛否両論があった
4代目(50系)プリウス 後期モデル。ヘッドライト、バンパー形状などフロントデザインががらりと変わり、おとなしくなった印象
しかし性能面は向上したものの、個性的な外観デザインにより従来のプリウス購入層が離れてしまった。その離れた層を挽回するために、2018年12月にマイナーチェンジを行い、かなりオーソドックスな外観デザインに変更。
さらに、トヨタセーフティセンスの全車標準化するなど商品力に磨きをかけた。しかし、そのマイナーチェンジの効果も長く続かなかったようで、2020年の新車販売台数は大きくダウンしてしまった。このような新車販売台数を受けて現行型プリウスの中古車事情はどうなっているのだろうか。
■年式やグレード違いでの中古車価格
現在、現行型プリウスの中古車の流通台数は約4500台。約1年前が約3500台だったので、この1年で1000台増加している。中古車の平均走行距離は1年前が約2.7万kmだったが、現在は約3.9万kmと1年で1万2000km延びている。
流通している中古車の平均価格は約1年前が約197万円だったが、現在は183万円と1年で14万円の値落ちとなっている。そして中古車の価格帯は約76万~約398万円で、100万円以下のプライスを付けている中古車は約40台も流通しているのだ。
年式別の中古車の平均価格を見てみると、2015年12月~2018年11月までの前期型の平均価格は約191万円。そして2018年12月からの後期型の平均価格は約260万円となっている。2018年12月のマイナーチェンジ前後の平均価格は40万円も差があるので、やはり個性的な外観デザインの前期型の値落ち幅は大きくなっているのは間違いない。
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流通しているグレード構成を見てみると、最も多いのが約1220台の「1.8S」。前期、後期通じて圧倒的な流通台数を誇り、価格帯は約76万~約340万円。続いて多いのが「1.8Sツーリングセレクション」の約775台で価格帯は約108万~約330万円。そして第3位は特別仕様車の「1.8Sセーフティプラス」の約688台。価格帯は約92万~約259万円となっている。
前期モデルは上級グレードの「A」と「Aプレミアム」にトヨタセーフティセンスPは標準装備となっていたが、S系はオプション設定だった。しかし「Sセーフティプラス」はこのトヨタセーフティセンスPを標準装備となっているので、割安な前期型プリウスを狙うのであれば、この1.8Sセーフティプラスが狙い目だ。
また、現行型プリウスでは4WD車を設定しているが、4WD車のプリウスの中古車の流通台数は約547台と約12%に留まっている。価格帯は約85万~約378万円と2WD車と差は縮まっているが、この要因は走行距離が延びていることだ。総じて4WD車のほうが2WD車より走行距離が延びた中古車が多くなっている。
■ハイブリッド車を中古で購入するときの注意
一般的なエンジン車であれば、走行距離が延びたクルマを避けたくなるもの。しかしハイブリッド車の場合は、年式が進んでいているにも関わらず走行距離が少ない中古車より、しっかりと乗られているほうが安心だ。
その理由はハイブリッドシステムのバッテリーのコンディションが関係している。ハイブリッドシステム用のバッテリーも、鉛バッテリーと同様に使わないと放電してしまう。月に数十キロしか乗らないと走行距離は延びないものの、バッテリーの放電は進み最悪の場合バッテリー不良を起こしかねないのだ。
1度でもバッテリー不良を起こしてしまうとその後のコンディションは万全とはいかないようで、実際オートオークションでも年式が進んでいるにもかかわらず、走行距離の少ないハイブリッド車はプリウスに限らず、避けられる傾向が強いのだ。
クルマの目利きのプロが避けるというのはそれなりの理由があるということ。したがってハイブリッド車の場合、システム用バッテリーのコンディションという面では走行距離が延びているほうがよいと言えるのだ。
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みんなのコメント
燃費は良い、乗り心地もよい、静か。
ただ30プリウスから比べたら馬力がないのを感じる場面がある。
パワーモードにして高速道路での合流する際、非力さを感じた。