■免許を持たない人の4割は「必要性を感じない」
日本の経済を支えている産業のひとつに自動車があります。売上高が日本一の企業であり、世界で活躍する自動車メーカーでもあるトヨタは、このコロナ禍にもかかわらず2020年のグループ販売台数が5年ぶりに世界一となったと発表し、トヨタのみならず、ホンダや日産など日本の自動車メーカーの多くが、世界レベルで活躍しています。
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そんな日本を代表する企業が日々製造し販売しているクルマですが、近年の日本では所有率が減少傾向にあり、とくに「若者のクルマ離れ」が進んでいるといわれています。
では、クルマを持つ人、持たない人は、それぞれクルマについてどのように考えているのでしょうか。
日本トレンドリサーチが、全国の男女合計2362名を対象に、クルマについてのアンケートを実施し、その結果を公開ました。
調査期間は、2021年2月9日から2月18日の10日間です。
まず、自動車免許を取得しているかについて聞いてみたところ、86.3%の方が「取得している」と回答しました。
これを年代別に集計すると、免許を取得しているという人は20代以下がもっとも少なく、「クルマ離れ」以前に、「免許の取得離れ」が若者の間で進んでいるのかもしれません。
続いて、自動車免許を「取得していない」と回答した人に、理由を聞いてみたところ、「必要性を感じないから」が44.4%でもっとも多く、次に多かったのは29.9%の人が回答した「クルマに興味がないから」でした。
免許を持たない人のなかでは、クルマの免許を、つまりクルマを運転する必要がないという人が多いようです。
一方で、「お金が掛かるから」と回答する人も27.5%と、3割近くの人が金銭的理由で、免許の取得を断念していることが分かる結果となりました。
次に、先の質問で自動車免許を取得していると答えた人に、クルマを持っているかを聞いたところ、77.4%の人がクルマを「持っている」と回答。この結果を年代別に集計すると、持っている人の割合は20代以下がもっとも低く、55.2%でした。この質問でも、若者のクルマ離れを表すような結果となっています。
一方の、クルマを持っている人には、クルマを購入して良かったかそうでなかったか、いまの気持ちを質問。98.6%というほとんどの人が、「購入して良かった」と回答し、買ったことを後悔している人はほとんどいないようです。
購入して良かったことについて具体的に聞いてみると、交通手段としての利点が多く挙げられるなかで、ドライブが楽しめるという声や、最近ならではの回答ともいえる、コロナ対策としての利点を挙げる人も見られました。
クルマを所有している人のほとんどが満足している一方でクルマを持っていない人は、どのように考えているのでしょうか。
まずは、クルマを持ちたいと思うかを聞いてみたところ、およそ6割の人が、クルマを持ちたいと「思わない」と回答。その理由については、62.7%の人が選んだ「お金が掛かるから」が、もっとも多い結果となっています。
では、とくにどこに掛かるお金について、負担が大きいと思うのでしょうか。お金が掛かるからと回答した人173人に、クルマに掛かる費用のなかで、もっとも「ムダ」、「損」だと思っているものについて聞いてみると、「税金」が30.6%と、もっとも多く、「駐車場代」が22.5%と続く結果となりました。
購入時の支出よりも、クルマを持ち続けることで発生する支出、いわゆる「維持費」のほうに「ムダ」を感じる人が多いようです。
それでは、もしも「購入したり所有したりすると得があるクルマ」があれば買うのでしょうか。どういうクルマやサービスであれば購入したいと思うかを、想像して回答してもらったところ、「無料駐車場があればクルマを持ってもいい」や、「ガソリンの定期購入があればいいと思う」、 「税金のかからない、駐車場に困らないサービス」、「点検整備料が無料のクルマ」などSF的で実現が難しそうなものもあれば、自動車メーカーなどの工夫で実現できそうな意見もありました。
※ ※ ※
今回のアンケートでは、世間で叫ばれているように、若者ほど免許やクルマを持たない人が多い結果となりましたが、その理由としては「お金が掛かるから」が最多。クルマを持っていることがひとつのステータスという声もある一方で、クルマはあくまで交通手段との声もあり、その割合は若い世代ほど多い傾向が見られました。
そのため、単なる交通手段として考えると、他の交通手段と比べて金銭的な負担が大きく感じられる人が多いようです。
ただ、クルマを購入した人の98.6%は購入して良かったと回答していることから、必要な人にとってはとても便利なものであることは間違いなさそうです。
自動車メーカーはクルマを作って売りはしますが、クルマを買った人にとって得のあるサービスは、メンテナンス以外はとくに提供していません。
若者の車離れを危ぶむのであれば、クルマに乗り続ける人にとって得なサービスを還元することが解決のカギとなるのではないでしょうか。
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みんなのコメント
これにつきるでしょ。