3月は新しい生活を迎える人が増える時期。転勤などで「クルマを急きょ売りたい!」という人もいるのでは? そこで今回は、損することなく愛車を売りたい人が“知っておくべきこと”を解説しよう。
文/山口卓也、写真/写真AC
損をせずにクルマを売りたい人が「やっておくべき&やってはいけない」3つのこと
■そもそもクルマの買取価格は何を元に決まるのか?
買取店の買取価格の元となるのは、オークションでの取引相場から出品手数料、販売店への陸送代、利益などを引いた価格といわれている。
例えば、50万円が相場のクルマであれば、そこから諸々の手数料などを引いた金額40万~45万円程度が買取金額となると思っていい。
よって、自社で販売店を持っているようなお店であれば、業者オークションに近い金額で買い取ってもらえるので、愛車を売るなら買取専門店ではなく、販売店を持っている買取店を選ぶと満足いく金額に近い価格で買い取ってもらえるはずだ。
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■愛車の買取査定前には何をすべきか?
道路運送車両法では定期点検整備記録簿は2年間は保管することが義務付けられている。ただし、その期間が過ぎても、すべて保管しておくことで査定額が異なる場合がある
前述のように、そもそもの買取金額はほぼ決まってはいるものの、次の3つはやっておいたほうがいい。
・洗車
・車内清掃
・車検証やメンテナンスノート(メーカー保証書+定期点検整備記録簿)などの用意
多くの人は、愛車の買取金額を知るためにインターネットサイトなどを使って複数社へ金額査定をしてもらうだろう。そのなかで最も金額が高かった業者で売ることになるだろうが、実際に買い取りとなると実車を見て最終的な金額が決まることがほとんど。
よって、同じ程度(走行距離や年式など)であればきれいなクルマのほうが減額は少ないし、車内がきれいに掃除されているか? 動物の毛や食べ物のカスなどがないほうが査定員の印象も変わってくる。
また、車内の臭いの有無も重要。エアコンのカビ臭さなどはある程度市販のケミカル剤などで取れる場合があるのでそれくらいはやっておいたほうがいいだろう。
そして必要な書類の用意もお忘れなく。
「車検証がない」という人はあまりいないだろうが、「メンテナンスノート(定期点検整備記録簿+メーカー保証書)がない」という人は意外と多い。
メンテナンスノートがなくてもクルマは売却できるが、クルマのコンディションやメンテナンス履歴を把握するための重要な書類なので、これらがないと査定額は下がる傾向にある。
定期点検整備記録簿は基本的に再発行できないが、ディーラーで点検や整備を行っていた人は、ディーラーに記録が残っている場合があり、その場合は再発行可能な場合があるので、一度ディーラーに相談することをお薦めする。
■愛車の買取査定前にしてはいけないことは?
買取査定前にしてはいけないことは次の3つ。
・シロウト修理
・車検
・タイヤやバッテリーなどの消耗品交換
例えば、ドアパネルについた引っかきキズ。塗装が少し削れているだけだからといって、DIY精神を発揮して缶スプレーなどで修正しないこと。
特に塗装は難易度が非常に高く、どんなに上手くやってもシロウトではプロの技術や仕上がりにかなわない。そのままにしておけばプロによる「磨き」だけですんだものが、あからさまな修正痕によってパネルごと交換……となってしまえば大幅査定ダウンである。
そして車検。もちろん車検の残りは長いほうが査定額アップには有利だが、「もうすぐ車検の時期だから……」と数万円かけて車検を通しても、かけた金額だけ査定額アップにはならないことが多い。
タイヤやバッテリーなどの消耗品も、かけた金額だけ査定額アップにはならないことが多いので、“そのままでは走れないような状態”でなければ、自身でお金をかける必要はない。
■希少車やマニアが好みそうなクルマは専門店へ!
希少車は業者オークションでの実績が少なく、また買い取ってもすぐに販売できるかはわからない。よって、一般の買取店では満足のいく査定額にならないことが多い。
独自の販売ルートやノウハウのある専門店であれば販売先が見つかりやすいので、一般の買取店よりは高額査定となることが多いだろう。
■愛車を最も高額で売るなら個人売買しかない!
名義変更は代行依頼も可能。名義変更手続き代行サービスの費用は業者によって異なるので、インターネットなどでしっかり確認して業者を選ぶことが重要
おそらく最も愛車を高額で手放すことができるのはインターネットなどを利用した個人売買だろう。
筆者は過去に複数台のクルマを所有したが、それらは買取店ではなく、すべて自分でインターネットオークションを使って手放した。
あらかじめ市場でどのくらいの価格で取引されているかを調べ、それと同等もしくは少ない金額で出品。結果的に、買取専門店よりもすべて高い金額で早々に落札された。なかには、数十万kmも乗ったのに、中古車で購入した時の金額を上回る金額で売却できたクルマもあったほどだ。
買取店では手数料や利益などが上乗せされた金額で販売されているが、個人売買の場合はその部分を考える必要がなく、自身の納得する金額で出品できるのも魅力。
■買う人、売る人とも満足できるのが◎
結果的に設定された金額より少し高く買うことになっても、落札者は販売店で買うよりは安い金額でクルマが手に入り、出品者も買取店の買取金額よりも高い額で売ることができる。ただし、落札金額がすべて自分に払われるのではなく、手数料がかかる場合もあることをお忘れなく。
個人間での取り引きとなるので、クルマの細部に渡る写真を用意することはもちろん、事前の現車確認を行ってもらうなど、取引後のトラブルを考えた手間はかかる。
また、譲渡書や委任状、印鑑証明書などを用意しないといけないなどほかにも手間はかかるが、これが最も高い金額で売れる方法ではないか? と思うのだ。
■手間はかかるがチャレンジしてみては?
名義変更などは落札者側できちんと行われるのか? と心配に思う人は、落札者から必要書類をもらい、自分でできるなら自分で行う。「時間がない」「やり方がわからない」という人はディーラーや自動車販売店、行政書士などに代行依頼をすれば名義変更もナンバー変更も行ってくれる。
ちなみに行政書士への代行依頼の費用は1万5000~5万円程度と言われているが、筆者の場合は1万5000円で請けてもらった例もある。
今回は損なしに愛車を売る方法について紹介した。手間をかけられない人、時間も手間もかけられる人……と、愛車を売りたい人はさまざま。これを読んだ人が、できるだけ納得できる金額で愛車を手放せますように!
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