■エンジンの排気量拡大でスペックはどうなった?
スバルのスポーツセダン「WRX S4」がフルモデルチェンジし、2021年11月25日に詳細が発表されました。
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約7年ぶりの全面刷新で5代目となる新型モデルですが、従来モデル(4代目)からどのようなところが進化したのでしょうか。新旧WRX S4を比較してみます。
従来モデルが2014年にデビューしたとき、それまでの「インプレッサWRX」から「WRX」として独立したモデルとなりましたが、新型でも「WRX S4」を名乗るところは同じです。
新型WRX S4が進化したひとつめのポイントはパワートレインです。従来モデルの2リッター水平対向4気筒ターボエンジンに代わり、新型モデルは2.4リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載します。
スペックとしては、従来モデルが300馬力/400Nmだったのに対し、新型の2.4リッターターボは275馬力/375Nmへとダウン。しかし、排気量のアップによる低速トルクの豊かさを活かし、出足は新型WRX S4のほうが速いというデータもあるようです。
2.4リッターターボエンジンでは、ターボをコントロールするエアバイパスバルブ、ウェストゲートバルブの制御を電子化することで、アクセルを踏むとすぐに加速し、離すとすぐに減速する、優れた応答性を発揮。ステアリングやブレーキのレスポンスの良さとともに、思いのままにクルマを操ることができる「一体感」が楽しめるといいます。
また、燃費性能は向上しており、JC08モードは11.8km/L(従来モデル)から12.7km/Lへと上がっています。
トランスミッションにCVTを搭載することは新型モデルでも同じですが、従来モデルの「リニアトロニックCVT」から、新型モデルは新開発の「スバルパフォーマンストランスミッション」へと進化しました。
従来モデのスポーツリニアトロニックからレシオカバレージを拡大して加速性能を高めるとともに、振動と騒音の低減により動的質感を向上させました。
また、新開発の変速制御を採用し、滑らかな加速とリニアなレスポンスを実現。従来モデルと比較して30%の高速化を実現し、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)と同等の変速速度を可能にしています。
新型WRX S4ではプラットフォームも刷新され、2020年にフルモデルチェンジしたステーションワゴン「レヴォーグ」と同様の「スバルグローバルプラットフォーム」と「インナーフレーム構造」を採用し、総合安全性能のレベルを引き上げるとともに、ドライバーの意思に忠実なハンドリングや快適な乗り心地を実現しました。
さらに、クルマの走行特性が変更できる「ドライブモードセレクト」を搭載(STIスポーツおよびSTIスポーツEX)。
従来モデルにも「SIドライブ」でモードを切り替えられましたが、新型WRX S4のドライブモードセレクトは、高級車のような快適な乗り心地の「コンフォート」からスポーツカーのような走りを楽しめる「スポーツ/スポーツ+」などをスイッチひとつで“キャラ変”させることが可能です。
なお、走行特性だけでなく、AWDシステムや電子制御ダンパー、パワーステアリング、アイサイトの追従加速度、エアコンなど、さまざまな設定を好みに応じて変更することができます。
■走りを予感させるアグレッシブな新デザイン採用
デザインの面では、従来モデルも高性能セダンとしてスポーティなスタイルでしたが、新型WRX S4は、スバル車に共通する「ダイナミック×ソリッド」というデザインテーマを進化させた「BOLDER」を採用。さらに「アグレッシブ」をコンセプトとし、走りの良さを期待させるスタイルを実現しました。
フロントビューは、六角形のヘキサゴングリルを中心に彫の深い造形やワイド&ローを強調したフロントバンパー、張り出したフェンダーなどでアグレッシブなデザインとしました。
ヘッドライトとテールライトは、ほかのスバル車と共通する「コの字」のデザインとするとともに、テールライトは溶けたマグマのように光る新形状のライトを採用しています。
サイドビューはキャラクターラインや新たに追加されたスポーツサイドガーニッシュで前傾姿勢を表現し、勢いのあるスタイルが特徴的です。
このスポーツサイドガーニッシュは樹脂パーツを使用。このパーツは新型WRX S4のコンセプトモデル「ヴィジヴパフォーマンスコンセプト」を忠実に再現するデザインとしての役割と、表面に施された空力テクスチャーが空気の流れを制御して直進安定性を高めるといった機能パーツとしての役割があります。
内装については、新型WRX S4はより一層スポーティなインテリアに一新しました。目を引くのはインパネ中央に配置された大型の11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステムです。
従来モデルではナビなどのディスプレイと、車両の状態などを表示するマルチファンクションディスプレイが分かれていましたが、新型モデルではそれらが統合され、車両情報やナビはもちろん、エンターテインメント機能、エアコンや各種設定操作などを、タブレットのように直感的に操作することが可能になりました。
さらに、12.3インチのフル液晶メーターを採用。視線の移動を最小限に抑え、運転操作に必要な情報やアイサイトXの車両情報を運転中に確認することができます。また、ブースト計の表示機能が設定されました。
スバルの運転支援システム「アイサイト」は、従来モデルが高速道路などでのすべての車速域で、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作を自動でアシストする「アイサイトツーリングアシスト」を搭載したのに対し、新型モデルは新世代アイサイトを搭載。
大幅に広角化した新型ステレオカメラおよび画像認識ソフト、制御ソフトの性能を向上により、ブレーキアシスト性能をさらに進化させ、衝突回避をサポートする領域を拡大するとともに、より幅広いシチュエーションで運転支援を実現しました。
このアイサイトと高度運転支援システムを組み合わせた「アイサイトX」搭載グレードも設定。
自動車専用道路で渋滞時(約50km/h以下)に手放し運転ができる「渋滞時ハンズオフアシスト」や渋滞時に車両が停止してもスイッチ操作なしに発進する「渋滞時発進アシスト」、カーブに合わせて適切な速度まで減速する「カーブ前速度制限」、ウインカーを操作するだけでシステムが車線変更をアシストする「アクティブレーンチェンジアシスト」など、長距離運転時のストレスと軽減する先進機能を採用しています。
※ ※ ※
新型WRX S4のグレード構成は「GT-H」とドライブモードセレクトでキャラ変が楽しめる「STIスポーツR」の2グレードで、それぞれにアイサイトXが搭載される「EX」グレードが設定されます。
なお、新型WRX S4と同じ2.4リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載したレヴォーグも同時に発表。セダンとステーションワゴンの高性能モデルが揃った形になりました。
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みんなのコメント
斜め前から見たらリヤサイドボディの張り出しがカッコいいのに
後ろから見たらバンパー下の黒い樹脂部分の面積が多すぎてこじんまりして見える
前と後ろでは別の車みたい
これってデザイナーが2人いるのかな
BRZのまとまり感と比べると同じメーカーの車とは思えない