積算 6052km サマータイヤに交換
text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
長期テストのマクラーレン720Sを、少々気が早いがサマータイヤに戻すことになった。走行ペースも良好な乗り心地も変わらないけれど。 現状の720Sも気に入っているが、何かアップグレードしたいと考えている。
積算 6347km 汚れが溜まるリアスポイラー
720Sのリアスポイラーには窪みがあり、そこに汚れが溜まりやすい。外気温が氷点下のときには、フリスビーのような大きな氷ができあがる。空力的に狙っていたことではないと思うけれど。
クルマにしばらく乗らないでいると、その窪みに色々な汚れも溜まってしまう。些細なことだが気になる、デザイン上の必然から生まれた短所ともいえる。
積算 8067km 高圧洗浄機での洗車が楽しい
ほかのクルマでは感じたことがなかったが、マクラーレン720Sを高圧洗浄機で洗う作業が楽しい。ボディに沿ってスポンジを当てると、複雑なデザインであることに改めて気付かされる。
高圧ジェットで水をボディに当てて、どのような水流が生まれるのか観察するのも楽しい。まるで自分が風洞実験をしているように錯覚できる。 エアロダイナミクスを優先させた美しいボディならではだ。
積算 8941km F1の339km/hに挑戦
25年前、筆者はマクラーレンF1に乗り、滑走路を全開で走らせた。ブランティングソープ飛行場をどれだけ短時間で駆け抜けることができるのか。自分の意識が遠くなるような気がしたが、無事にこなせた。
その時に到達した速度は339km/h。可動式の空力装備はまだ完全には機能していないプロトタイプで、アクセルペダルから足を離した時の感覚は、とても興味深いものだった。下手な修正や急ブレーキを掛けることなく、通常の速度域に戻す方法を自ら考えて、実行しなければならなかった。
このテスト走行は、1950年代の爆撃機用に用意された滑走路全面を使用した。そして今回、当時と同じマクラーレンF1のプロトタイプと、長期テスト車両の720Sを走らせることになった。肩を並べるだけのパフォーマンスを備えた、現代のクルマの方が、時代分だけ進化していることを実感した。
ただし、前回とはまったく同じ条件ではない。使用した滑走路は同じだが、走行ルートが異なり、滑走路への侵入速度は25年前より遥かに遅い。
最高出力はマクラーレンF1が636psなのに対し、マクラーレン720Sは720ps。車重は720Sの方が重いが、最高速度への影響はそれほど大きくはない。だが最高速度に到達させるまでの時間には大きな影響がある。
エアロダイナミクスも関係する。720Sの方がボディが大きい分、前面面積が大きい。ダウンフォースも大きいから、必然的に抵抗値、ドラッグも大きくなる。しかも当時と異なりわたしは25歳も年齢を重ねた。最後まで集中力は維持できるだろうか。
超高速域からでも安定のブレーキング
321km/h (200mph)の企画を実現するには、ドライバーの隣に座ってくれるカメラマンを見つける必要もある。猛烈なスピードの中で平穏を保ち、写真を撮影してもらわなくてはいけない。
25年前、とあるカメラマンは乗車を拒否した。幸いなことに、今回お願いしたリュク・レーシーは一切不安がることもなかった。この企画にかなり興奮して賛同してくれたし、見事に冷静に仕事をこなしてくれた。
マクラーレン720Sをスタートさせ、可能な限りハイスピードを保って滑走路に入る。スピードメーターの数字を横目にクルマを加速させる。滑走路の前半は緩い上り坂で、初めは予想より加速は遅めだった。下りに変わる付近で290km/hに到達すると、そこからさらに加速していく。
しばらく走って、正確に計測できるスピードメーターで313.8km/hに届いた。さらに318.6km/hへと数字を伸ばすさなか、この720Sで321km/hにタッチする意味を少し考えてしまった。
マクラーレン720Sはとても快適にスピードを乗せていき、320km/hでブレーキを踏んでも良いかとも思ったが、結局200mphという数字がスピードメーターに表示されるのを見て、更にもう少し加速を続けた。
マクラーレンF1の時とは異なり、321km/h以上の速度からのブレーキングは、160km/h位からのブレーキングとさほど変わらないものだった。クルマはぐらつくこともなく、速度を勢いよく殺していく。
ドラッグの大きさが影響した最高速度
写真は取れた?とカメラマンに尋ねる。リュク・レーシーは、少し残念そうにスピードメーターの数字を撮影した画像を見せてくれた。数字は201mph(323.4km/h)を表示している。
できる限りのことをしたが、同じ距離でクラーレンF1が達成した339km/hに720Sは届かなかった。その理由は、ドラッグの大きさにあると思う。720Sの方が84psも最高出力が高いのに、720Sの公称最高速度は341km/h。一方でマクラーレンF1は386km/hなのだ。
当時にそれは、マクラーレン720Sが高速走行時にも極めて安定しており、コーナリングが速い理由の1つでもある。年間を通じても現実味のない、最高速度を出せる力を秘めているだけが、スーパーカーの取り柄ではないといえるだろう。
テストデータ
テスト車について
モデル名:マクラーレン720S ラグジュアリー(英国仕様)
新車価格:22万4990ポンド(3149万円)
テスト車の価格:24万6450ポンド(3452万円)
テストの記録
燃費:9.2km/L
故障:コーナーを曲がる途中でヘッドライトが消えた
出費:なし
気に入っているトコロ
姿勢制御:高速域に達しても、揺るぎなく姿勢を常に保ってくれる。もし充分な直線さえあれば、320km/hのスピードにタッチすることもさほど難しくはない。
気に入らないトコロ
電動シートの調整:操作部が目に見えず、感覚的にもわかりにくい。今でも意図とは違う動きをさせてしまうことがある。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
「富士山登山鉄道」断念、でも代わりは“トラム”なの!? 後継には「電動連節バス」しかない3つの理由
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?