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まさに“黄金期”到来のWEC、今後数年で参戦可能枠を引き上げか。レース数も拡大する意向示す

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まさに“黄金期”到来のWEC、今後数年で参戦可能枠を引き上げか。レース数も拡大する意向示す

 WEC世界耐久選手権のCEOを務めるフレデリック・ルキアンは、ハイパーカークラスへの新規マニュファクチャラー参入に対応するため、今後数年間でグリッド総台数を最大42台にまで引き上げる可能性について、初めて示唆した。


■2027年、ハイパーカーは24台に?

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 ルキアンは先日のル・マン24時間レースを前に、ジェネシス、マクラーレン、フォードがトップクラスへの参入を予定しているなか、選手権のグリッド構成をどのように計画しているかを記者から問われた際に、この発言を行った。

 現在のWECには、36台のフルタイムエントリーがあり、それはハイパーカー18台、LMGT3が18台と、均等に分かれている。これは2024シーズンからは1台減少している数字だ。

 ルキアンは以前、早ければ2025シーズンから40台体制になるだろうと語っていたが、ランボルギーニとイソッタ・フラスキーニの撤退もあり、今季のエントリーリストはそれに4台不足することとなった。

 イタリアのイモラは、昨年発表されたWECカレンダー残留のための契約延長の一環として、ピットガレージを増設した。一方、アメリカのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)も、ガレージスペースについてのボトルネックと考えられていたサーキットのひとつである。COTAは34台分のピットガレージしかなく、一部のLMGT3チームには、4分の3台分のスペースしか割り当てられていなかった。

「イモラとは、緊密に協力してきた」と、ルキアンはガレージ数の制約に関する現状について語った。

「ガレージがもっと必要であると伝えたところ、彼らは非常に親切に対応してくれた。ふたつのガレージを追加で建設してくれたのだ」

「いずれにせよ、42台を超えることはない。それが上限だ。現時点では40台を維持できるよう努めたい」

 ジェネシス・マグマ・レーシングが2026年にハイパーカー・フィールドに参入することで、トップクラスの参戦台数は20台となる見込みだ。この数字は、現在プライベーターとして参戦しているAFコルセの83号車フェラーリ499Pと、プロトン・コンペティションの99号車ポルシェ963がチャンピオンシップに残留した場合のものである。

 さらに2027年にはマクラーレンとフォードのLMDhプロブラムが開始される予定であり、既存の全メーカーが残留した場合には、ハイパーカークラスの参戦台数は最大24台にまで膨れ上がることになる。

 もしグリッドサイズが40台に制限されたままであれば、プライベーターのハイパーカー2台が消滅するか、LMGT3のグリッドが16台に縮小されることになる。ただし42台へと拡大すれば、これらの対処のどちらも不要となる。

 ルキアンは、健全なLMGT3クラスの重要性を強調し、GTとプロトタイプカーがグリッド上に混在することがWECの「DNA」のカギであると述べたうえで、ル・マン24時間レースでLMP2マシン用に15のスロットを確保するというシリーズのコミットメントも強調した。

 つまりWECのフルシーズン参戦台数を42台に増やし、さらにLMP2クラスを15台追加した場合、サルト・サーキットでの参戦台数上限が62台のままであれば、ハイパーカーまたはLMGT3クラスでル・マンに追加エントリーできるのはわずか5台分ということになる。


■2027年には年間9イベントとなる可能性も

 ルキアンはまた、2027年シーズンにWECカレンダーを9戦に拡大する可能性も依然として残っていると、記者団に対して述べている。

 シリーズは予算を抑えるため、2026年のスケジュールを今年とほぼ同一にし、3年連続で8レースを開催すると発表済みだ。

 しかしルキアンは、高まるファンの需要に応えるためにレース数を増やす可能性について、マニュファクチャラーと協議を始める時期が来たと考えている。

「昨年、私はカレンダーを安定させる必要があると考えており、2027年はカレンダーの拡張について検討する良い年になるだろうと述べた」とルキアン。

「2026年は、安定を維持する。2027年は現在のグリッド状況とファンの期待を考えると、マニュファクチャラーとカレンダー拡大について話し合う価値があると考えている」

 イギリス・シルバーストーンは、カレンダーに追加イベントが生じた場合、WECのスケジュールに復帰したいという意向を隠していない。もしそうなれば、2019年以来初めて、WECを開催する有力候補と見られている。

 WECが最後に1シーズンで9レースを開催したのは2017年で、その後、2018/19年の『スーパーシーズン』に向けてレース数を削減していた。

[オートスポーツweb 2025年06月26日]

文:AUTOSPORT web
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みんなのコメント

4件
  • ple********
    まあBoP次第だから、素性が悪くてもなんとかなるところは新規参入しやすいかも。でも純粋なレース屋ならkらこう言います。
    「我々はBoPが嫌いだ。メルセデスF1ウルフ代表、ル・マン挑戦に後ろ向きな理由を明かす「F1こそ理想の形。ピュアなレース」」
  • ytf********
    5年ぐらい前だとトヨタ1強時代でルマンの最高位クラスもフルワークスはトヨタのみで数チームがプライベーターだったのでトヨタが強かったのは嬉しいがやはり強豪がいないさみしさもありました。
    今はハイパーカークラスにトヨタ、プジョー、フェラーリ、キャデラック、ポルシェ、アルピーヌ、BMW、アストンマーチンなど百花繚乱の時代になり、さらに来年からは韓国からジェネシス、再来年にはフォード、マクラーレンと有名どころが参加するのでここでの1勝は非常に価値あると思います。
    残念ながらルマンに1年限りでしたがランボルギーニがいましたが是非とも戻って欲しいです。またルマン(WEC)には参戦していないアキュラも来て欲しいです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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