世界最大の家電見本市、2018年はAI音声アシスト祭
昔からアメリカで流行ったものが、数年後に日本でももてはやされることは数多くありました。そうした目で2018年1月7日(日)から12日(金)に米・ラスベガスで開催された「CES2018」を見てみれば、その最有力はAI音声アシスト関連でしょう。
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「CES2018」の「CES」は「コンシューマー・エレクトロニクス・ショーケース」の略であり、会場にはVRモニターにテレビ、オーディオ、ゲームから美容系まで、最新鋭の電化製品が、それこそ数えきれないほど多く出品されています。その中でひと際目を引くのが、グーグルやアマゾン、アップルのAI音声アシスタントに関連する商品です。
グーグルやアマゾンのAI音声アシスタントを利用するスマート・スピーカーは、最近になって日本にも上陸しています。ただ、日本での普及は、まだまだ始まったばかり。一方、とうに販売が進んでいるアメリカでは、スマート・スピーカー本体ではなく、その次のステップとなる、スマート・スピーカー対応家電に注目が移っているようです。スマート・スピーカーでコントロールできる、照明器具からコンセント、モニターにスピーカー、鍵、エアコン、台所の水回りまで、「CES2018」に文字通り、山のように出品されていました。家の用事は、すべて声で済まそうというわけです。
「声で操作」はクルマにも
ちなみに、ソニーからは12年ぶりとなる愛玩ロボット「aibo(アイボ)」が発表されています。これも人の声を認識できるのが売りのひとつ。また、他にも声でコミュニケーションを行う玩具系も、あちこちのブースで見かけることができました。
さらに驚くのは、そうした声でのコントロール化の流れは、クルマ関係にも見ることができたのです。
音声認識のソフトウェア開発を行っているニュアンス社(アメリカ)では、クルマのなかのドライバーの声を認識し、サーバーを介して自宅に置いてあるスマート・スピーカーを操作する技術を披露していました。しかも、複数のAI音声アシスタントを使い分けるという機能まで持っています。たとえば、ドライバーは運転中にアップルの「Siri」に話しかけて、言葉をテキスト化してメールとして送信。車内でしゃべるだけで、自宅の「アマゾン・エコー」や「グーグル・ホーム」を使って家のエアコンや照明を操作。それらのAI音声アシスタントの選別はシステムが自動で行います。
普及は近い? クルマを声で操る時代
ニュアンス社以外にもドライバーが声でクルマの操作を行うデモは、あちこちのブースで見かけることができました。また、音響系のカーサプライヤーでもあるボーズ社は、オーディオが大音量で鳴り響く車内で、ドライバーの声だけを抽出するデモンストレーションを実施。音声&音響系の技術は、まだまだ進化の余地があることを知らせてくれました。
アメリカでAI音声アシスタントが普及すればするほど、家のなかの用事は声で済ますという考えが当たり前のものとなります。そうなれば、クルマも声でなんとかしたいと考えるのは、当然の流れ。日本では、そもそものAI音声アシスタントの利用が、まだまだという状況です。しかし、アメリカでAI音声アシスタントが普及したのは、やはり「便利だから」というのが理由。その便利さが知れ渡れば、日本でもあっという間に流行るはず。そうなれば、日本でも同じく「クルマも声で」という流れになるのではないでしょうか。
そしてニーズがあれば応えるのがメーカーの仕事です。「クルマの操作は声で」という未来は、意外にも近いかもしれません。実際にトヨタも「T-Connect」というサービスでは、ドライバーの声でカーナビの目的地操作やニュース検索などができるようになっています。少しずつですが、確実に「声で操作」は進んでいるのです。
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