南米アルゼンチンが誇る人気ツーリングカー・シリーズ、スーパーTC2000(STC2000)の第2戦が4月最終週の週末にジェネラル・ロカで開催され、ルノースポールの投入する2019年型フルーエンスGTが全セッションを席巻。開幕ウイナーのリオネル・ペーニャが同僚の王者ファクンド・アルドゥソを従えて、予選最前列から2戦連続ポール・トゥ・ウインを飾った。
WTCC世界ツーリングカー選手権3連覇のホセ-マリア・ロペスを筆頭に、エステバン・グエリエリ、ネストール・ジロラミらを送り出したこのSTC2000シリーズも、2019年開幕戦となったコルドバ・ラウンドから新時代に突入。
アルゼンチンの人気シリーズ『STC2000』が開幕。4気筒ターボエンジン初戦はルノー陣営に軍配
従来までのイギリス・ラディカル社製の超コンパクトな2.7リッター自然吸気V型8気筒に代えて、2リッター直列4気筒直噴ターボという最新の記号性を備えた、フランス・オレカ製の専用ワンメイクエンジンを搭載している。
その新世代STC2000のシリーズ第2戦となったアルゼンチン中部リオネグロ州の全長3.265kmを誇る市営サーキットでは、予選からルノースポール勢が他を圧倒するスピードを披露。
Q1では参戦4台中3台をトップ6に送りこみ、今季から実施される単走勝負のスーパークオリファイ・セッションへと駒を進めると、シボレーYPFの2016年王者アグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)や、TOYOTA GAZOO Racing YPF Infiniaのジュリアン・サンテロ(トヨタ・カローラ)、そして今季からワークス参戦を開始したフィアットDTAレーシングのマリアーノ・ウェルナー(フィアット・ティーポSTC2000)ら実力者を差し置いて、ペーニャ、アルドゥソのフルーエンスGTがフロントロウを占拠。
6番手にも3台目のルノーに乗るファクンド・コンタがつけ、バンパーやサイドシル部、アンダーボディなどに限定されるフルーエンスGTの2019年型空力ホモロゲーションが大きな成果を挙げていることが証明された。
日曜正午にスタートを切った決勝でも、このルノー艦隊の優位は揺るがず。リスクを冒さずクリーンなスタートを決めた2台は、そのままファステストラップを更新し続けながら後続を引き離しにかかる。
その後方では、スタートでサンテロのカローラをかわしたウェルナーのフィアットが4番手へ。さらにペースを上げた新型ティーポSTC2000は7周目に元王者のシボレーをも捉えて、カナピノの前、3番手に浮上してくる。
一方、予選ではエンジンECUのトラブルでシフトアップ制御にトラブルを抱えてスーパーポール進出を逃していたトヨタのエース、マティアス・ロッシ(トヨタ・カローラ)がトップ10圏外から鬼神の追い上げを見せ、同じ7周目にフィアットのファビアン・シャナンツォーニ(フィアット・ティーポSTC2000)を抜いて8番手、さらに現地法人のファクトリー支援を受けフル参戦するホンダ・レーシング・アルゼンティーナのホセ-マニュエル・ウルセラ(ホンダ・シビックSTC2000)もオーバーテイクし7番手にまでポジションを上げてくる。
13周目にはマティアス-ムニョス・マルケージ(フィアット・ティーポSTC2000)がスローパンクチャーで緊急ピットに入ると、同じラップでシボレーのベルナルド・レイバー(シボレーYPFクルーズ)とホンダのウルセラがバトルから接触し、レイバーがリタイアするアクシデントも発生する。
このトラブルに端を発してセーフティカーが導入され、全車のギャップがリセットされた状態で21周目にリスタートを迎えるも、上位勢にポジション変動は起こらず。ルノースポールのペーニャ、アルドゥソが開幕から2戦連続のワン・ツー・フィニッシュを達成。
3位表彰台にフィアットのウェルナーが入りワークスカーのティーポSTC2000に初のポディウムをもたらし、シボレーのカナピノ、トヨタのサンテロのトップ5に。
最後の最後でトヨタのロッシとサイド・バイ・サイドの勝負を展開したホンダのウルセラが、カローラをコース外に押し出しての決着で7位を回復してチェッカー。その隙に乗じて7番目でフィニッシュラインを通過したフィアットのシャナンツォーニは、ロッシのカローラへのヒットでペナルティを取られ9位のリザルトとなった。
これで2連勝のペーニャがランキング2位の王者アルドゥソに対し16点リードの48ポイントと大きくアドバンテージを広げ、ランキング首位を堅持。続くSTC2000第3戦は、サンフアンに新設されたシリーズ初開催サーキットのエル・ビリクムを舞台に、5月19日に争われる。
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