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若手チームだったはずでは? チーム史上最も経験豊富なラインアップで2024年に臨むアルファタウリ。現代F1の潮流に沿ったシフトチェンジにエンジニアは大喜び?

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若手チームだったはずでは? チーム史上最も経験豊富なラインアップで2024年に臨むアルファタウリ。現代F1の潮流に沿ったシフトチェンジにエンジニアは大喜び?

 スクーデリア・アルファタウリは2024年より、新たなリーダーシップの下でスタートを切ろうとしているが、近年ではドライバーラインアップへのアプローチにも顕著な変化が見られる。

 かつてのアルファタウリ……トロロッソ時代も含めた同チームは、レッドブルのジュニアドライバーによる、トップチーム昇格に向けた「最終テスト」を行なう場であった。彼らがF1で通用するかどうかをアルファタウリ(トロロッソ)で確かめ、そこで評価を得たドライバーがレッドブルに昇格していく。セバスチャン・ベッテルやダニエル・リカルド、マックス・フェルスタッペンらはその成功例だ。

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 しかしそういった傾向も徐々に薄れ始めている。特に2024年シーズンのドライバーラインアップは、リカルドと角田裕毅という、これまでで最も経験豊富なラインアップとなっているのだ。リカルドは前述の通りレッドブルでの経験があり、F1通算8勝のグランプリウイナー。角田もアルファタウリでは異例となる4シーズン目を迎える。

 こういったシフトチェンジは、エンジニアにとってはありがたいことのようだ。というのも、現行のレギュレーションはテスト制限も相まって、ルーキーを起用して戦うには厳しいものとなっているのだ。

 アルファタウリの車両パフォーマンス責任者であるギヨーム・デゾトゥーは、チームに賢明な頭脳のいる価値が飛躍的に高まったと感じている。だからこそリカルドと角田のコンビを喜んでいるのだ。

 彼は次のように説明する。

「このドライバーのコンビネーションは非常に楽しみだ」

「今のマシンはあまり走れないし、常に開発が続けられる。したがってマシンはその都度微妙な違いがあるので、ドライバーの経験値は良いセットアップを見つけるための財産になる」

「フリー走行が数回あるだけで、それもコンディションが変わったりする。その中でドライバーにはマシンの状態を読み取ってもらう必要がある」

「そこはマシンの長所なのか、短所なのか、もしくは他のコースに行けば長所になるものなのか? それは非常に重要なのだ」

 デゾトゥーは、今季リカルドの代役を務めたリアム・ローソンの例ほど、前述の課題を如実に表したものはないと語る。彼はよく知るサーキットでは良い走りを見せた一方で、初体験のサーキットでは苦戦した。

「カタールを見れば分かる。リアムは知っているコースでは非常に力強いレースをした。しかしカタールに来ると、風も強くコンディションも変わりやすく、セットアップを調整できるフリー走行もあまりない中で、かなり難しい状況になった」

「彼は非常に素晴らしい仕事をした。ただセットアップを導き出す上で、経験豊富なドライバーがいることのメリットはわかるはずだ」

 現行マシンの現実として、特異なエリアでどれだけパフォーマンスを出すかよりも、弱点をどれだけ克服できるかが鍵になる、という面がある。どのチームにとっても避けられないバランスの問題を、経験豊富なドライバーによって解決できるとデゾトゥーは考えている。

「ドライバー全員に『フィーリングはどうだ?』と聞いても、基本良い答えは返ってこないだろう。誰もマシンの挙動に満足しているとは思わない」

「誰もがグリップに不満を抱えている。経験豊富なドライバーの強みは、こういったことを理解するために自身のキャリアと置き換えて考えることだ。『よし、このコンディションに適したドライビングスタイルは何だ? 一番良い走らせ方は何だ?』とね」

「もちろんダウンフォースを増やせば速くなる。しかしそれは簡単なことではない。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のマシンが運転しやすいとは思わないが、彼の場合おそらく限界の範囲内でパフォーマンスを引き出す方法を見つけたのだろう。これが若手ドライバーにとっての課題だ」

「マシンの挙動を正確に読み取ることはとても難しい。タイヤ、燃料搭載量、エンジンモード、風向き、コースコンディションはコンスタントに変化していく。そこから実際にイメージを構築していくには多くの経験が必要なんだ」

 リカルドはオランダGPのフリー走行で手を骨折したため5レースを欠場することになったが、オースティンでのアメリカGPで復帰を果たすことになる。リカルドはシンガポールGPのアップグレードで大きく進化したマシンに初めて乗ることになる上、オースティンではさらにフロアが刷新される予定だ。

 この計画について、デゾトゥーは次のように語る。

「フロアが新しくなる。そこは皆が集中して開発している部分であり、フロアから引き出せるパフォーマンスはまだまだある」

「これにより、今進んでいる方向にさらに一歩進めることを期待している。正直言って、シルバーストン以降のアップデートは空力部門でとても良い兆候が見られている」

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みんなのコメント

1件
  • 速いヤツは最初から一軍
    ピアストリならベレスをクビにして
    レッドブルスタートだった
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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