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【あぁ、もう一度会いたい……】華麗に花咲いたアメ車大型ステーションワゴン 4選

掲載 更新 25
【あぁ、もう一度会いたい……】華麗に花咲いたアメ車大型ステーションワゴン 4選

最近あまり聞かないステーションワゴン

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】ワゴンにとってかわった 北米版ハリアー/RAV4【くわしく見る】 全132枚

ステーションワゴンという、名称。最近あまり聞かなくなった。

原因は、ワゴンっぽい使い勝手ができるSUVの台頭だろう。

そもそもワゴンとは商業向けが主流だ。乗用車では長年、セダンが主流であり、スポーティな2ドアクーペとの2本立て。

そこに、廉価な商用バンやワゴンもラインナップ、といった位置付けだった。

それが80年代になり、バンやワゴンをアウトドア向けの多目的車として扱うトレンドが生まれた。

商品名としては、ステーションワゴン、エステートワゴン、またドイツではコンビという呼ばれ方もした。

日米欧で、こうしたワゴンが増えていったが、日本でも多くの人が強く印象に残っているのが、GMシボレーの4代目「カプリス」ではないだろうか。

先代までの角ばったボディスタイルから一変。丸みを強調したボリューミーエクステリア。荷室とリアハッチのガラス面積が極端に大きく感じられる。

セダンとはまったく別モデルに見えるほどの強烈なインパクトがあった。

さらに、サスペンションを改良して車高を落としローダウン化すると、クーペっぽい独特な雰囲気を醸し出し、日本でも並行輸入車で人気を博した。

本来は大衆ブランドであるシボレーの中で、カプリスワゴンは異例の人気となった。

定番ワゴンはフォード・トーラス

80年代後半から90年代前半、筆者(桃田健史)はレース活動などで全米各地を巡っていた。

飛行機で移動し、空港からはレンタカーという生活が長らく続いたが、その際によく利用したのが、フォード「トーラス」のワゴンだった。

トーラスは86年の初代登場以来、米C/Dセグメントの主力モデルとして、トヨタ・カムリやホンダ・アコードと同等か、それ以上の販売実績を誇った。

ハーツやエイビスなど、レンタカーでもトーラスは定番商品で、筆者の記憶が正しければワゴンとセダンのレンタル料金は同じだったはずだ。

レース関連の大きな荷物の搭載が楽にできることで、事前予約でトーラスワゴンを指名することが多かった。

カプリスワゴンのような、際立った荷室の広さはないが、使い勝手がほど良く、安心感があった。92年登場の2代目トーラスワゴンは初代同様にアメリカ人からの支持を得る。

だが、丸目のフロントマスクにイメチェンした3代目が登場する90年代中盤から後半には、ワゴン系のトレンは明らかに変化していた。

当時、アメリカ各地のフォードユーザーたちがこぞって、トーラスワゴンからエクスプローラーに乗り換えたのだ。

まさかその後、SUVが市場の過半数に達するほど、アメ車トレンドが急激に変化するとは予想できなかった。

レトロ戦略からの派生 衝撃の登場

なんとも衝撃的な登場だった。

2001年の北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)。当時のビック3(GM、フォード、クライスラー)は、それぞれが新しい商品戦略を積極的に打ち出していた。

なかでも目立ったのが、クライスラーだ。往年のエンジンブランドであるHEMI復活を大々的に謳い上げ、ハイパフォーマンスかつ派手なボディデザインを続々と発表していった。

そうしたなか登場したコンセプトモデルが「ダッジ・スーパー8」

50年代を彷彿させるレトロな面構えと、高いウエストラインによるガラス部分の狭さが、ボディ全体をシャープに見せるという、なんともいえないアンバランスさが魅力的だった。

驚きだったのは、04年にクライスラー「300C」として量産されてからの派生車たちだ。

ステーションワゴンタイプの「ツーリング」の他、ダッジブランドではより攻撃的なイメージのステーションワゴン、ダッジ・マグナムが登場。

当時、セダンは300Cで、ワゴンならマグナム、というのがトレンドとなった。

また、チューンドエンジン搭載のSRT8の乗り味は、強烈なダイレクト感が印象に残っている。

ただし、こうした熱いトレンドはリーマンショックによるクライスラーの事実上の経営破綻により、短期間で消え去ってしまった。

なんと日本版ハリアーに転換?

2000年代でのステーションワゴンっぽいクルマで、もう1台印象深いアメ車がある。

正確にいえば、アメリカ市場を最優先とするトヨタ車。その名は「ヴェンザ」だ。

2005年のデトロイトショーで、FT-SXコンセプトとして登場。08年に量産されるのだが、06年の時点で、デザインを担当したアメリカのトヨタデザインスタジオCALTY(キャルティ)で、FT-SXコンセプトの実車を見ながら、担当デザイナーからじっくり話を聞いたことがある。

彼の口からは「昔のステーションワゴンのイメージで……」というフレーズが出た。

この時点ですでに、アメリカでのセダンからSUVへのシフトが始まっていたが、80~90年代のステーションワゴントレンドや、ダッジマグナムへの対抗意識などから、北米「カムリ」の派生車を企画したのだ。

だが、結果的にはヴェンザは北米ではマイナーな存在に留まってしまった。

そして2020年、新型「ヴェンザ」を名乗ったのは、なんと日本版「ハリアー」であった。

ハリアーは2代目までが、レクサスRXとしてアメリカで人気を博した。まさか、ヴェンザとしてハリアーがアメリカに里帰りするとは!?

残念ながら2020年現在、アメリカではステーションワゴン復活の気配はない。

再びトレンドが訪れることはいつになるのか? もう2度とブームは来ないのか……?

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みんなのコメント

25件
  • スクラップ&ビルドの日本は車の税金や車検など維持費が高額であり、そもそもエセ文化やエセ伝統しかないので欧米のような旧車を大切にする車文化が育つこともない。
  • 国産フルサイズワゴンがなかなか出ないから、我が家のクラウンエステートは、遂に地球を5周目に入ってしまった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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