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体験走行からライセンス取得までを解説。あのサーキットを走るには?【富士スピードウェイ編】

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体験走行からライセンス取得までを解説。あのサーキットを走るには?【富士スピードウェイ編】

 モータースポーツファンにとって、レース観戦に足を運ぶ場所としてお馴染みのサーキット。しかし、サーキットの楽しみ方はレース観戦だけではない。自らステアリングを握りコースを走ることで、マシン、そして自らの限界に挑戦することもサーキットの醍醐味だ。

 今回は全国各地に点在するサーキットの中から、スーパーGT、全日本スーパーフォーミュラ選手権、そしてWEC世界耐久選手権といったいったビッグレースの舞台としてもお馴染みであり、かつてはF1日本GPの舞台にもなった富士スピードウェイを“自ら走る”という点に着目し、手軽にサーキット走行を体験できるプログラムから、スポーツ走行に必要なサーキットライセンスの取得について紹介する。

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 富士山を望む静岡県小山町にある富士スピードウェイは、日本のモータースポーツ黎明期である1966年にオープンした。以来、コースレイアウト変更を含む大規模なリニューアルを重ね、2021年もスーパーGT、スーパーフォーミュラなどの国内トップカテゴリーを中心にレース、イベントを開催する東日本を代表するサーキットのひとつだ。

 2005年のリニューアルオープンにより、レーシングコースは国内最長となる1475mのホームストレートを有し、前半のハイスピードセクションと後半のテクニカルセクションが織りなす、バライティに富んだ全長4563mのレイアウトとなった。さまざまなカテゴリーで名バトル、名レースが繰り広げられてきたこのレーシングコースを、自らステアリングを握り、走ってみたいと思うレースファンは少なくはないだろう。

 それでは富士スピードウェイのレーシングコースを走るにはどのような機会、方法があるのだろうかを見てみよう。

■ライセンス不要で同乗も可能な『体験走行』

 レーシングコースを走るとなると、富士スピードウェイが発行するサーキットライセンスである『FISCOライセンス』が必要となるが、これまでスポーツ走行の経験がないという人には、まず、ライセンス不要の『体験走行』をおすすめしたい。

 この『体験走行』はペースカーが先導するなか、レーシングコースを3周(ホームストレート2回通過)することができるというもの。あくまで体験走行のため、前走車の追い越しは禁止されているが、スポーツ走行で推奨されているヘルメットやロールバーなどの安全装備も不要で、四輪車での参加の場合、乗車定員まで同乗できるため、家族や友人を同乗させることも可能だ。富士スピードウェイのコースを手軽に体験できるため、スポーツ走行の経験がないという人にはまず、こちらをおすすめしたい。

 料金は四輪、二輪ともに2200円(税込)と価格もお手軽だ。体験走行開始15分前までにコントロールセンター1階の走行券窓口で体験走行券を購入することで参加できる。

 また、『体験走行』では、ホームストレート上での『グリッド記念撮影』や、レーシングコースをペースカー先導のもと逆走する『レーシングコース体験走行 逆走版』などの体験走行オプションを実施する日もある。

 体験走行、そして体験走行オプションの開催日については富士スピードウェイのオフィシャルサイトの走行カレンダー(https://www.fsw.tv/driving/monthly/index.html)をチェックしてほしい。

■『FISCOライセンス』を取得してスポーツ走行に挑戦

 より本格的に富士スピードウェイのコースをレーシングスピードで走りたい。ゆくゆくはレース競技参戦も……? となったら『FISCOライセンス』を取得しよう。

『FISCOライセンス』は富士スピードウェイのレーシングコース、ショートサーキットでスポーツ走行を行うためのサーキットライセンスだ。走行マナー、サーキット規則などのルールや注意事項を2時間の講習を通じて学ぶことで取得できる。『FISCOライセンス』には『レーシングコース』『ショートサーキット』『レーシングカート』3種類設定されているが、『レーシングコース』のライセンスを取得すると『ショートサーキット』も走行可能だ。

 レーシングコースライセンスの場合、入会金13100円(税込)と年会費30400円(税込)の合計43500円(税込)で取得できる。体験走行と比べると割高に感じるかもしれないが、ライセンスホルダーとなれば、走行チケットを購入し、自分の好きな走行枠で、好きなクルマ、バイクを持ち込んで富士スピードウェイを走ることができるようになる。

 数々の名勝負が繰り広げられたレーシングコースでステアリングを握り、マシン、そして自らの限界に挑むことができるという、サーキットの楽しみ、魅力を最大限享受できるのだ。

 2021年7月現在、約6100名が四輪、約850名が二輪、約50名がレーシングカートで『FISCOライセンス』を取得しており、約7000名ものライセンスホルダーが日々スポーツ走行を楽しんでいるという。

 なお、『FISCOライセンス』は富士スピードウェイを走るためのライセンスであり、JAF日本自動車連盟の発行する国内Bや国内Aなどのモータースポーツライセンスとは異なることを覚えておこう。スポーツ走行で経験を積み、JAF公認レースに出るとなるとこれらのライセンスが必要となるが、富士スピードウェイにおけるスポーツ走行では必要ではない。

■ライセンス取得でレース観戦もお得に

 先述の通り『FISCOライセンス』は富士スピードウェイを走る人に向けたライセンスだが、ライセンスホルダーは富士スピードウェイの通常営業日の入場料が無料となるなどの特典がある。さらに、富士チャンピオンレースや、ザ・ワンメイクレース祭りなど、富士スピードウェイ主催のレースや会員向けイベントの入場料も無料となるため、レース観戦の際にもメリットを享受できる。

 富士スピードウェイは東京オリンピック・パラリンピック競技大会(自転車競技ロード)の開催に伴い、9月23日まで貸切となる。そのため、『FISCOライセンス』の講習会は2021年9月末頃より開催を予定している。講習会の日程は決定次第、富士スピードウェイのオフィシャルサイトの走行カレンダー(https://www.fsw.tv/driving/monthly/index.html)に掲載されるので、ライセンス取得を目指す人はチェックしておこう。

■富士スピードウェイの走行枠

『FISCOライセンス』を取得すると、走行券を購入することで、車両カテゴリーやラップタイムに応じてわけられたスポーツ走行枠を走行できる。

 レーシングコースの場合、四輪はラップタイムが2分10秒より速いペースで走行する車両を対象とした『S-4』、2分より遅いペースで走行する車両を対象とした『NS-4』、2分20秒より遅いペースで走行する車両を対象とし、ナラシ走行やハイブリッドカーでのエコラン、サーキット走行初心者を対象とした『T-4(ツーリング)』、そしてフォーミュラカーを対象とした『FS-4』の4つに分類される。愛車を走らせたいスポーツ走行初心者は『T-4(ツーリング)』で経験を積み、ラップタイムの状況を鑑みて『S-4』、『NS-4』に挑戦しよう。

●四輪 レーシングコース スポーツ走行 料金
時間金額(税込)20分4500円30分6700円40分8900円50分11000円

 二輪はラップタイムが2分5秒より速い『S-2R(2輪レーサー)』と、2分5秒より遅い『S-2N(2輪ノーマル)』の2種類にわけられる。レース用車両、サーキット専用車両であっても、トップスピードが180km/h未満の車両は『S-2N(2輪ノーマル)』で走行しよう。

 なお、レーシングカートの走行枠は1種類となり、走行料は二輪と同じ金額となる。

●二輪/レーシングカート レーシングコース スポーツ走行 料金
時間金額(税込)20分3600円30分5300円

 最後に、今回の取材にあたり富士スピードウェイ ライセンス事務局に話を聞いたところ、これから『FISCOライセンス』取得を目指す人に向けたメッセージをいただいたので紹介しよう。

「FISCOライセンスは富士スピードウェイでスポーツ走行をお楽しみいただく為に必要な資格です。ライセンスは2時間の講習にてスポーツ走行時のルールやマナーなどをいちからお伝えしますので、初心者の方でも安心して取得できます。FISCOライセンスを取得して、モータースポーツライフを楽しみましょう!」

 ライセンス事務局からのメッセージの通り、サーキットライセンス取得は、モータースポーツライフをさらに充実させるきっかけとなる。自らサーキットを走ることで、レース観戦の際に、走行風景を見るだけではわからなかった新しい発見もあるだろう。そしてスポーツ走行を通じた新たなモータースポーツ仲間や、新しい目標もできるに違いない。体験走行やサーキットライセンス取得を通じて、モータースポーツライフがより充実したものとなれば幸いだ。

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みんなのコメント

1件
  • 富士の醍醐味はS4で走るとGT300、スーパー耐久、インタープロトなど本当のレーシングカーと走れるところ。
    スリックを履いてるから100Rなんて別次元の速さ

    こういう車も走ってることを知らない人は抜かれた時驚くだろうな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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