現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 免許制度に翻弄されて「伝説のホンダ」に? 中古価格もエグすぎる“ヨンフォア”そのスゴさとは

ここから本文です

免許制度に翻弄されて「伝説のホンダ」に? 中古価格もエグすぎる“ヨンフォア”そのスゴさとは

掲載 48
免許制度に翻弄されて「伝説のホンダ」に? 中古価格もエグすぎる“ヨンフォア”そのスゴさとは

60年代後半から続いた「ホンダの4気筒シリーズ」の勝負マシン

 ホンダの長い歴史の中で生まれた伝説のバイクたち。中でも70年代のホンダを代表する中型クラスと言えば、誰もがCB400 FOURを挙げることでしょう。1974年の発売からたった3年間の生産期間だったにもかかわらず、なぜ今なお「ヨンフォア」の呼称で愛され、バイクユーザーを魅了し続けるのでしょうか。

【異例!】これがあまりにスゴくて「キャッチコピーを変えさせられた」ヨンフォアです!(画像で見る)

 量産バイクとして世界初となった並列4気筒エンジンを搭載した1969年発売のCB750 FOURは「ナナハン」という言葉を定着させるほど、当時のバイクシーンに強い影響を与えました。

 このヒットに続いて1971年CB500 FOUR、1972年にCB350 FOURと、4気筒モデルがラインナップされました。ですが、CB350 FOURは目指していた販売台数には至りませんでした。350ccの排気量の4気筒としてパワーバランスに欠けていたことや、同年発売の「サンパチ」ことスズキ・GT380などに比べ出力面で劣っていたことなどが要因だったかもしれません。

 これを受けて当時のホンダの開発陣は、「CB350 FOURをベースにして、スポーツ性を高めた若者向けのスポーツバイクを開発しよう」と再出発を図ります。

 排気量は、4気筒のパワフルな出力特性を目指して「408cc」に設定。そして過去にないシンプルでスタイリッシュなデザインにし、レーシーな印象を与えることを目指しました。

 同時に軽量化とコストダウンという目標も満たす必要があったわけですが、ここで生まれたのが4本のエキゾーストパイプを1本のマフラーに集合させる「4 into 1排気システム」でした。排気効率向上をはかるとともに、徹底した軽量化・コストダウンも実現。もちろん、前述の「デザイン」面でも効果を見込めます。

 CB350 FOURの失敗を糧に、あらゆる条件を満たして完成させたマシン。それが1974年発売のドリームCB400 FOURだったのです。

二輪免許制度の改正に翻弄されたヨンフォア

 発売当初は、ホンダの思惑通り、多くの若者を魅了し、その人気からいつからか「ヨンフォア」の呼称で支持を集めました。しかし、発売翌年の1975年に日本の二輪免許制度が突然変更となりました。新制度下ではまさに「400cc」の排気量で区分けがなされたのです。

 それまでの日本の免許制度では、125ccで行われる技能試験に合格すれば、125ccを超えるどんな排気量のバイクにも乗ることができました。ところが、ここで400ccを超える車両には自動二輪免許が必要となります。400cc以下の車両については、新設された中型自動二輪免許(現在の普通自動二輪免許)を必要とする法改正がなされたのです。

 CB400 FOURの排気量は「408cc」なので、乗るためには自動二輪免許を取得する必要がありましたが、そこまでして乗るユーザーは当然ごく稀でした。ホンダは対応策として、1976年に「398cc」へ排気量を抑えたCB400 FOURを発売します。海外向けには「408cc」、国内モデルは「398cc」と分けて販売を行いました。

 しかし、そのコストに見合う販売台数は見込めず、たった3年で姿を消してしまいます。また、ここからしばらくは「4気筒はやっぱりダメだった」という諦めからか、ホンダは2気筒の400ccモデル開発にシフトチェンジします。

 しかし、1979年のカワサキZ400FX、1980年のヤマハXJ400など他社から立て続けに「400cc・4気筒」モデルが発売されました。これらが続々ヒットすると、ホンダは遅れをとるカタチとなります。そしてようやく1981年に「ヨンフォアの再来」とも話題になったCBX400Fを発売するに至りました。

現在の中古価格は500万円オーバーもザラ

 私ごとですが、1971年生まれの筆者は、当然ながらヨンフォアのリアルタイム世代ではありません。しかし、幼少期からオッサンになった今日まで「ヨンフォアへの強い憧れ」が消えぬままでもあります。

 筆者が小学生の頃(1979年頃)、自宅から数軒先に中古バイク店がオープンしました。細長い敷地を使ったガレージ式の陳列店で、客は24時間いつでもバイクを眺めに来ることができました。当然、毎日の小学校への通学の際、この中古バイク店に陳列されていた当時の名バイクの数々を見ながら過ごしたわけですが、そこで一際目立っていたのが他でもないヨンフォアでした。

 真っ赤なガソリンタンクはもちろん、子どもの背丈ではイヤでも目に入る4本の右に曲がったエキゾーストパイプ。他のモデルにはない特別感があり、このバイクの凄さが何なのかよくわからぬままにプラモデルを作った記憶があります。

 やがて大人になり1994年に初めて就職をした際、「これからお金も安定して入ってくるわけだし、いっちょ、子どもの頃に憧れた『赤いタンク』のヨンフォアを買おうか」と思いつき中古バイク店を巡りました。

 しかし、どこも高額で手が出ませんでした。当時90年代のネオクラシックブームもあって、70年代の名車はいずれも高騰傾向にあり、すでに状態の良い個体は100万円に近い価格でした。それでも諦めきれず、中古バイク店でまたがらせてもらいエンジンをかけましたが、率直な感想は「特別すぎて自分の身のたけには合わない」というものでした。

“特別なバイク”ヨンフォアに20代そこそこの若造が乗るなんて、恐れ多いと感じたのです。

 その後は数多くのバイクに乗ってきましたが、今もなおヨンフォアに対する印象はそう変わりません。筆者にとってはずっと忘れえぬ憧れを抱くばかりの「特別なバイク」です。

 それから30年余り。現在の中古車相場を見てみると、個体の良い高いものでなんと500万円オーバーの一台もあります。ここまでのヨンフォアのストーリー、独特の性能、そして筆者のような何世代下のユーザーにも影響を与え続ける「特別なバイク」であることを思えば、こういったプレミアム価格も納得のように感じられます。

文:乗りものニュース 松田義人(ライター・編集者)
【キャンペーン】お得に給油!第1・3金土日はガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

「こんなにもあるんだ…」普通二輪免許で乗れる4気筒の名車たち。レーサーレプリカモデルを一挙に7車種紹介!
「こんなにもあるんだ…」普通二輪免許で乗れる4気筒の名車たち。レーサーレプリカモデルを一挙に7車種紹介!
WEBヤングマシン
「水平対向6気筒エンジン」搭載の唯一無二の存在!! 50年以上の歴史を持つホンダ「ゴールドウイング」2027年モデルを欧州で発表
「水平対向6気筒エンジン」搭載の唯一無二の存在!! 50年以上の歴史を持つホンダ「ゴールドウイング」2027年モデルを欧州で発表
バイクのニュース
25年以上も熟成した“Vツイン”をなぜ新型バイクに搭載した? スズキ「SV-7GX」はSV650の軽快さをいかにして“旅仕様”に変えたのか
25年以上も熟成した“Vツイン”をなぜ新型バイクに搭載した? スズキ「SV-7GX」はSV650の軽快さをいかにして“旅仕様”に変えたのか
VAGUE
え、2ストのバイクがまだ“新車”で!? 現役モデル6選 「公道OK」も
え、2ストのバイクがまだ“新車”で!? 現役モデル6選 「公道OK」も
乗りものニュース
北米を魅了した4速手動クラッチ仕様の本格ミニバイク! 56年前のホンダ「CT70Hトレイル」がオークション登場 気になる現在の価値とは
北米を魅了した4速手動クラッチ仕様の本格ミニバイク! 56年前のホンダ「CT70Hトレイル」がオークション登場 気になる現在の価値とは
VAGUE
AE86ワンメイクから現代のN-ONEへ。ワークの復刻ホイール「マイスターCR01」
AE86ワンメイクから現代のN-ONEへ。ワークの復刻ホイール「マイスターCR01」
Auto Messe Web
ホンダの新型「スーパーワン」 発売直後に“注文多数”で現在は長納期に? 補助金も終了する可能性も 最新情報を販売店に聞いた
ホンダの新型「スーパーワン」 発売直後に“注文多数”で現在は長納期に? 補助金も終了する可能性も 最新情報を販売店に聞いた
くるまのニュース
日本で復活なるか「カワサキ最小のZ」とは何だったのか? ホンダのライバル登場で2系統に進化
日本で復活なるか「カワサキ最小のZ」とは何だったのか? ホンダのライバル登場で2系統に進化
乗りものニュース
昭和の「イオタSVR」プラモに泣いた世代へ。アオシマ「楽プラ」で蘇るミウラSVR
昭和の「イオタSVR」プラモに泣いた世代へ。アオシマ「楽プラ」で蘇るミウラSVR
Auto Messe Web
横田和彦「あの頃のノスタルジーが蘇る! 俺の魂を揺さぶるネオクラ三銃士」【JBOTY2026・識者が選ぶベスト3】
横田和彦「あの頃のノスタルジーが蘇る! 俺の魂を揺さぶるネオクラ三銃士」【JBOTY2026・識者が選ぶベスト3】
webオートバイ
カワサキ「KX450」シリーズ2027年モデル発表 価格約113万で登場
カワサキ「KX450」シリーズ2027年モデル発表 価格約113万で登場
くるまのニュース
トヨタ次期型「ハイエース」示唆するハイエース コンセプトどんなモデルだった? “4ナンバー”サイズ維持と「ガソリンエンジン」搭載も想定か
トヨタ次期型「ハイエース」示唆するハイエース コンセプトどんなモデルだった? “4ナンバー”サイズ維持と「ガソリンエンジン」搭載も想定か
くるまのニュース
カブもモンキーも“まるで新品”のように楽しめる「格安中華エンジン」ってどうなの? カスタムシーンで存在感 専門業者に聞いた真価
カブもモンキーも“まるで新品”のように楽しめる「格安中華エンジン」ってどうなの? カスタムシーンで存在感 専門業者に聞いた真価
乗りものニュース
半世紀以上の時を超えた極上ヴィンテージをオークションで発見! カワサキ唯一のセル付き2スト・トレール「ブッシュワッカーF3」とは いくらで落札された?
半世紀以上の時を超えた極上ヴィンテージをオークションで発見! カワサキ唯一のセル付き2スト・トレール「ブッシュワッカーF3」とは いくらで落札された?
VAGUE
「スペック競争はもういいよ…」普通二輪免許で乗れる4気筒の名車たち! 多彩なデザインで見るだけでも楽しい12車種を一挙紹介!
「スペック競争はもういいよ…」普通二輪免許で乗れる4気筒の名車たち! 多彩なデザインで見るだけでも楽しい12車種を一挙紹介!
WEBヤングマシン
「絶対にやめろ!」NEXCO公式が激怒警告! 1台の軽トラが料金所で”禁忌”…戦慄の瞬間が公開される
「絶対にやめろ!」NEXCO公式が激怒警告! 1台の軽トラが料金所で”禁忌”…戦慄の瞬間が公開される
乗りものニュース
スズキ、新型「SV-7GX」を国内で発売! 645ccVツインを搭載した“ちょうどいい”クロスオーバー、価格は113万円から【新車ニュース】
スズキ、新型「SV-7GX」を国内で発売! 645ccVツインを搭載した“ちょうどいい”クロスオーバー、価格は113万円から【新車ニュース】
くるくら
砂場で遊んだ赤ミニカーの思い出。全国わずか4台から手に入れたミラノレッドのプレリュード
砂場で遊んだ赤ミニカーの思い出。全国わずか4台から手に入れたミラノレッドのプレリュード
Auto Messe Web

みんなのコメント

48件
  • kurosuke76
    >新設された中型自動二輪免許(現在の普通自動二輪免許)を必要とする法改正がなされたのです。

    中型自動二輪免許なんて免許区分は過去に存在しません。
    自動二輪の条件として「中型に限る」となっていただけで、区分は同じでした。
    ちなみに現在は大型自動二輪と普通自動二輪はそれぞれ異なる区分で免許が違います。
  • DMP81Z_DW7
    昔に乗っていました。4気筒で当時としては良く回るエンジンでしたが、逆に言えばそれだけ、でした。市街地では2スト車やCB360と言った2気筒バイクの方がパンチ力があって速かったと思ってます。
    集合管の造詣は美しいとは思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

146 . 3万円 ~ 190 . 3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25 . 9万円 ~ 195 . 4万円

中古車を検索
トヨタ タンクの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

146 . 3万円 ~ 190 . 3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25 . 9万円 ~ 195 . 4万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村