売れている。その一言で済ますことができないほど街にあふれるホンダ N-BOX。もはや「令和イチの大衆車」と呼んで差し支えないだろう。なぜこんなにN-BOXは大衆に支持されたのだろうか? もちろんクルマが良くなければ売れることはないし、かかるお金とクルマの性能が見合っているかなどの点もかかわってくるだろう。だが、それに加えてN-BOXはとんでもない循環構造を作り出しているきがしてならないのだ。
文:小鮒康一/画像:ホンダ、ベストカーWeb編集部
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N-BOXはなんでこうも強いのか!?
それまでスーパーハイト軽ワゴンのラインナップがなく、軽自動車の販売において苦戦を強いられていたホンダが、2011年12月に満を持して投入したN-BOX。
ダイハツ タントに対抗するモデルとしてリリースされたN-BOXは、その高い完成度から一躍人気車種となり、2012年度(2012年4月~2013年3月)の販売台数で早くも軽自動車の新車販売台数で1位を獲得した。
そして現在は3代目モデルとなったN-BOXが販売中となっているが、2024年度(2024年4月~2025年3月)の軽自動車の新車販売台数で1位となり、10年連続の首位獲得となって圧倒的な人気を維持し続けているのだが、なぜN-BOXはここまで高い人気をキープし続けているのだろうか?
クルマとしての高い完成度はもちろんだが……
N-BOXは、ホンダに脈々と受け継がれる「M・M思想」に基づく、広く開放的な室内空間を独自のセンタータンクレイアウト技術によって実現したほか、全タイプに標準装備とした先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を搭載。
さらに優れた走行性能・燃費性能などにより、それまでの軽自動車の概念をくつがえす独自価値と魅力を創出したことが評価されて高い人気をキープし続けているのは言うまでもないだろう。
また現行型には標準モデルとカスタムに加え、アクティブな雰囲気をプラスした「JOY」を新たにラインナップするなど、ユーザーのニーズに合わせたモデルラインナップをしている点も人気の理由のひとつであることは間違いない。
このようにクルマとしての魅力が高いことがN-BOXの人気の理由であることは揺るがない事実であるのだが、“多くのユーザーに選ばれている”という事実こそがN-BOXが不動の人気を誇る要因のひとつであると考える。
詳しくない人が気軽に選んでも後悔しないクルマ!
もちろん、我々のようにクルマに高い興味と知識があり、常に最新の情報にアンテナを張っている人物であれば自分にピッタリの1台を見つけることは容易いかもしれないが、N-BOXのメインユーザーであるファミリー層の多くはそこまでクルマに知見がない人が少なくない。
そうなると選ぶ基準は周囲に存在するクルマということになり、例えば知人が所有していて乗せてもらう機会があったり、レンタカーで借りて実際に乗ったことがあったりと触れる機会の多いモデルの中から選ぶケースも多くなるのだ。
となれば、そもそもの販売台数が多く触れる機会が多いモデルであるN-BOXに白羽の矢が立つ確率が高くなり、自ずと購入の選択肢の上位に入ってくるというワケなのである。
この現象は過去にカローラが長らく販売台数の首位をキープし続けた時代にも起きていた現象と言われており、やはりどんなにいいクルマであったとしても、ユーザーにい知られることがなければ販売に繋がることはないということなのだ。
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