現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 将来は静岡~高崎が直結? 甲府の外環「新山梨環状道路」はどこまでできた? 約5kmの長大トンネルも【いま気になる道路計画】

ここから本文です

将来は静岡~高崎が直結? 甲府の外環「新山梨環状道路」はどこまでできた? 約5kmの長大トンネルも【いま気になる道路計画】

掲載 更新
将来は静岡~高崎が直結? 甲府の外環「新山梨環状道路」はどこまでできた? 約5kmの長大トンネルも【いま気になる道路計画】

新山梨環状道路で甲府中心エリアを環状にバイパス

山梨県最大の人口集積地である甲府盆地。一辺約20kmの三角形状に広がる地域だが、交通面では現在も、中心部の甲府市街へ交通が集中する“放射状”の道路構造が色濃く残っている。
甲府盆地へ流入する主な交通ルートは、以下の4方向だ。
・東:都心方面(国道20号、中央自動車道)
・西:松本方面(国道20号、中央自動車道)
・南:富士・静岡方面(国道52号、中部横断自動車道)
・北:秩父・高崎方面(国道140号、西関東連絡道路)
これらを相互に乗り換えする交通流は、中心市街地を経由する構造となるため、市街地では慢性的な渋滞が発生している。
そこで整備が進められているのが、各放射道路を郊外で結び、中心部を通らず移動できるようにする「新山梨環状道路」だ。

天草~熊本南部を結ぶ「新海峡ルート」誕生へ! 夢の本土直結「八代・天草シーライン」調査開始。所要時間は“わずか10分”に短縮?【いま気になる道路計画】


新山梨環状道路は、中部横断自動車道「南アルプスIC」から東へ分岐し、笛吹川や石和温泉エリアをかすめるように反時計回りで北上。昇仙峡入口付近を経て西側へ抜け、「双葉JCT北側」で中央自動車道や国道20号へ接続する計画だ。
南部区間では、将来整備予定のリニア中央新幹線駅に直結するほか、隣接する中央道には「甲府中央スマートIC(仮称)」の設置も計画されている。実現すれば、静岡~中央道~八王子方面へ抜ける新たな短絡ルートとしての役割も期待される。
さらに北部区間では、西関東連絡道路とジャンクション形式で接続予定。将来的には、甲府盆地中心部を経由せず、静岡~高崎方面を信号なしで移動できる広域ネットワークが形成される見込みだ。
また、中央道は甲府盆地で南側へ大きく迂回しているため、JR中央本線北側エリアは高速道路の空白地帯となっている。新山梨環状道路の北部区間は、こうした地域のアクセス性を補完するとともに、昇仙峡など観光地への移動利便性向上にも寄与すると期待されている。


橋脚が立ち並ぶ東部区間。事業はどこまで進んだ?

全長約43kmの「新山梨環状道路」だが、未事業化区間は現在、1工区・約4.5kmを残すのみとなっている。ここからは、各区間の整備状況を詳しく見ていこう。
●南アルプスIC~笛吹川【開通済み】
中部横断道 南アルプスICから東側約10.6kmが開通済み。ただし、全線が立体化されているわけではなく、リニア中央新幹線駅予定地付近までの約7.3kmが高架主体で整備され、以東は一部に信号交差点が残る暫定形となっている(国道358号とは立体交差)。
この区間の開通により、甲府盆地南東部から東名・名古屋方面へのアクセスは大きく向上した。最後の工区は2022年に開通しており、現在もその先で延伸工事が進められている。
●笛吹川~国道20号【事業中】
2014年度に事業化された東部区間。完成すれば、国道20号の交通混雑は半減以下になると見込まれている。
現地では橋脚が次々と立ち上がり、南側では橋桁の架設や舗装工事まで進行。一方、盛土区間でも施工が本格化しており、立体交差用のボックスカルバート整備も進められている。
全体としては工事が大詰めを迎えつつあるものの、一部ではなお用地取得が続いており、現時点で開通時期は公表されていない。なお、国道20号とは笛吹川西側で立体接続し、「広瀬IC(仮称)」として整備される予定だ。ここまでは山梨県による事業区間であり、この先から国直轄区間へ切り替わる。
●国道20号~西関東連絡道路【事業中】
2016年度に事業化。「広瀬IC(仮称)」からJR中央本線をまたぎ、「桜井IC(仮称)」で西関東連絡道路へ直結する約2.0kmの区間だ。
現在は用地取得中で、取得率は2025年6月時点で約4割。一部ではすでに地盤改良工事なども始まっており、事業は徐々に進行している。


長大トンネルが連続する北部区間。全線開通の見通し

●桜井~塚原【事業化直後】
2024年度に事業化された約5.5kmの区間。ここから先は本格的な山岳部に入り、大部分がトンネル構造となる見込みで、有料道路として整備される可能性が高い。
特に、この工区では約4.8kmの長大トンネルがルートの大半を占める計画だ。西側の「塚原IC(仮称)」は、武田氏ゆかりの武田神社に近く、甲府駅から北へ約2.5kmという立地となる。
現在は調査・設計段階にあり、今後の地質調査結果や、実際の掘削時に判明する地盤状況によって、事業スケジュールは大きく左右されそうだ。
●塚原~牛句【未事業化】
約4.5kmのこの区間は、新山梨環状道路で唯一残る未事業化区間となっている。すでに都市計画決定や環境アセスメントは完了しており、事業化を待つ段階まで進んでいる。
こちらも大部分がトンネル区間となる計画だ。国の道路予算には限りがあるため、隣接する桜井~塚原工区と並行して整備する負担は大きく、実際の事業化は他区間の進捗後になる可能性が高い。
●牛句~宇津谷【事業中】
2004年度に着工準備区間に指定された、国道20号・中央自動車道側から延びる約5.0kmの区間。「牛句IC」は、「塚原IC(仮称)」とともに昇仙峡方面の玄関口となる計画で、将来的には甲府中心市街地を経由せず、北側エリアへ信号なしでアクセスできるようになる。
現在は調査・設計段階にあり、用地取得はほとんど進んでいない。事業化から9年後にようやく都市計画決定へ至るなど、全体として進捗は緩やかだ。リニア中央新幹線駅アクセスを担う南部区間と比べると、北部区間は整備の優先順位が低く、事業は長期化する様相を見せている。

このように、新山梨環状道路は甲府盆地の南東部から反時計回りに、段階的に北側へ延伸が進められている。まず注目されるのは、現在工事が進む国道20号までの先行開通だ。これが実現すれば、甲府東部の交通環境は大きく改善される可能性がある。
さらにその先、西関東連絡道路と接続する「桜井IC(仮称)」まで開通すれば、静岡方面と秩父方面を甲府中心部を経由せず結ぶ、新たな広域ネットワークが形成されることになる。今後の事業進展に期待が集まる。

文:くるくら

関連タグ

【キャンペーン】毎日機械洗車が50%オフ!お得に愛車をピカピカに(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

富山~高山を高規格で直結!「富山高山連絡道路」延長80kmはどこまでできた? 3km超の「大沢野トンネル」も整備進む【いま気になる道路計画】
富山~高山を高規格で直結!「富山高山連絡道路」延長80kmはどこまでできた? 3km超の「大沢野トンネル」も整備進む【いま気になる道路計画】
くるくら
高知~松山を最短直結!「高知松山自動車道」はどこまで進んだ? 国道33号の山越えを大幅短縮、まもなく事業化の区間も【いま気になる道路計画】
高知~松山を最短直結!「高知松山自動車道」はどこまで進んだ? 国道33号の山越えを大幅短縮、まもなく事業化の区間も【いま気になる道路計画】
くるくら
名古屋~上田を高速で直結へ! 長野の新ルート「上田諏訪連絡道路」構想とは? 上信道接続で関越道方面への最短ルートに【いま気になる道路計画】
名古屋~上田を高速で直結へ! 長野の新ルート「上田諏訪連絡道路」構想とは? 上信道接続で関越道方面への最短ルートに【いま気になる道路計画】
くるくら
大阪都心~新名神に第2ルート! 阪神高速「11号池田線」延伸構想とは? 伊丹空港アクセスも改善へ【いま気になる道路計画】
大阪都心~新名神に第2ルート! 阪神高速「11号池田線」延伸構想とは? 伊丹空港アクセスも改善へ【いま気になる道路計画】
くるくら
住宅地を貫く大動脈沿いに橋脚や“仮の線路”が次々と出現 「激変前夜」の京王線を空から観察
住宅地を貫く大動脈沿いに橋脚や“仮の線路”が次々と出現 「激変前夜」の京王線を空から観察
乗りものニュース
「西武野田線」が実現していたら…? “大宮の壁”突破構想はなぜ消えたのか 幻に消えた「大環状線」計画
「西武野田線」が実現していたら…? “大宮の壁”突破構想はなぜ消えたのか 幻に消えた「大環状線」計画
乗りものニュース
国道6号「水戸街道」に整備中の「牛久土浦バイパス」 開通までの進捗と計画は?
国道6号「水戸街道」に整備中の「牛久土浦バイパス」 開通までの進捗と計画は?
くるまのニュース
新山梨環状道路を「南北に貫く道路」ほぼ完成へ! 中央道へもスイスイ “8.9kmの便利バイパス”が8月開通へ
新山梨環状道路を「南北に貫く道路」ほぼ完成へ! 中央道へもスイスイ “8.9kmの便利バイパス”が8月開通へ
乗りものニュース
広島高速「5号線」イメージ動画公開 27年度にも開通へ 山陽道~広島駅が便利に
広島高速「5号線」イメージ動画公開 27年度にも開通へ 山陽道~広島駅が便利に
くるまのニュース
「トンネルの街」で新たに2000m超えトンネルが貫通! 所要時間“15分→5分”に短縮!高速IC直結の自動車専用バイパス、開通にはずみ
「トンネルの街」で新たに2000m超えトンネルが貫通! 所要時間“15分→5分”に短縮!高速IC直結の自動車専用バイパス、開通にはずみ
乗りものニュース
名古屋高速-東海北陸道“直結”へ 名神の渋滞名所を通らぬ“新高速”進捗は 名岐道路
名古屋高速-東海北陸道“直結”へ 名神の渋滞名所を通らぬ“新高速”進捗は 名岐道路
乗りものニュース
国道153号「伊勢神改良」現場を公開 狭小トンネルを回避する新ルート まもなく完成か
国道153号「伊勢神改良」現場を公開 狭小トンネルを回避する新ルート まもなく完成か
くるまのニュース
札幌の“外環道”「道央圏連絡道路」最新の進捗は 全通まであと1区間のみ
札幌の“外環道”「道央圏連絡道路」最新の進捗は 全通まであと1区間のみ
くるまのニュース
名古屋の大動脈“また”通行規制で大渋滞! 橋桁など“多数の亀裂”新たに確認 「上下線通行止め」で迂回呼びかけ
名古屋の大動脈“また”通行規制で大渋滞! 橋桁など“多数の亀裂”新たに確認 「上下線通行止め」で迂回呼びかけ
乗りものニュース
ここができれば「約200km」つながる! 「山陰道“県内最後の区間”」が進捗 下道の上下線パックリ分離! 開通へはずみ
ここができれば「約200km」つながる! 「山陰道“県内最後の区間”」が進捗 下道の上下線パックリ分離! 開通へはずみ
乗りものニュース
「最高速度80キロの一般道」11日ついに“オール4車線”へ! ボトルネック解消の“新陸橋”が開通 「東京-宇都宮の最短路」がさらに快適に
「最高速度80キロの一般道」11日ついに“オール4車線”へ! ボトルネック解消の“新陸橋”が開通 「東京-宇都宮の最短路」がさらに快適に
乗りものニュース
単なる「東京の下町」じゃなかった? 江東区北部のエリアが“即決される街”へ変貌したワケ――なぜ都心人気エリアを抑えて激戦区の1位になったのか
単なる「東京の下町」じゃなかった? 江東区北部のエリアが“即決される街”へ変貌したワケ――なぜ都心人気エリアを抑えて激戦区の1位になったのか
Merkmal
港町を囲む「7.4kmの外環道路」新規区間が本日開通! つながらない「能越道」のアクセス変化 中心市街をスイスイ迂回! 石川
港町を囲む「7.4kmの外環道路」新規区間が本日開通! つながらない「能越道」のアクセス変化 中心市街をスイスイ迂回! 石川
乗りものニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村