F1級カーボンボディと1.9Lエンジン! 7000万円超のVHPK
1990年代にライトウェイトスポーツの革命を起こした初代ロータス「エリーゼ(S1型)」。英国のプロショップ「Analogue Automotive(アナログ・オートモーティブ)」が、20年以上にわたるレースとレストアの経験を結集し、S1エリーゼのポテンシャルを極限まで引き上げたレストモッドマシン「VHPK」を完成させた。装備重量600kg未満、最高出力250馬力、そして中央1人乗り(センタードライビングポジション)という凄絶なスペックの詳細を解説する。
ロータス「エリーゼ」が約311万円で落札!純正コンディションの真価とは
コックピット中央の1人乗り構造! 装備重量600kg未満を達成したパッケージング
1995年に登場し、「軽量こそ正義」というコリン・チャップマンの思想を現代に蘇らせた初代ロータス・エリーゼ(S1型)。アルミ接着シャシー(Type 111)がもたらすハンドリング性能は今なお伝説として語り継がれているが、英国のスペシャルショップがそのポテンシャルを次元の違う領域へと押し上げた。
20年以上にわたりS1エリーゼのレース活動、レストア、メンテナンスを手掛けてきた「Analogue Automotive(アナログ・オートモーティブ)」が発表した「VHPK」だ。世界限定35台のみが生産されるこのマシンは、単なるレストア車でも、安易な他社製エンジンスワップ車でもない。S1エリーゼのオリジナルDNAを100%保持したまま、現代技術で限界まで研ぎ澄ませた最高峰のビスポークカーである。
VHPKのドアを開けて最も驚かされるのが、コックピットの中央にポツンと配置されたシングルバケットシート――すなわち「センタードライビングポジション(中央1人乗り)」である点だ。この独創的なレイアウトは、2000年代初頭に英国ツーリングカー選手権(BTCC)のサポートレースとして開催されていたワンメイクレース「Autobytel Lotus Championship」に参戦していたシングルシート仕様のエリーゼから着想を得たものだ。ドライバーを車体中央へ配置することで左右の重量配分を完全均等化し、レーシングカーそのもののハンドリングを実現している。
F1級のCNC削り出しカーボンボディ! カーボンセラミックブレーキによるバネ下軽量化
ボディワークには、安価な型取りではなく、F1や航空宇宙産業と同じ「CNC削り出し型(コンピュータ制御の切削加工機により金属ブロックから精密に削り出して作成される高精度金型)」から成形された超軽量F1グレードのカーボンファイバーを採用。前後クラムシェルやドア、ボンネットに至るまで全てカーボン化されている。
さらに、300mm径のカーボンセラミックブレーキ(炭素繊維複合材で作られ高熱下でも制動力が落ちず超軽量な最高峰ブレーキ)や超軽量アルミCNCハブ、鍛造ホイールなどを投入することでバネ下重量を徹底的に削減。その結果、油脂類を満載した状態(Wet Weight)で「装備重量600kg未満」という驚異的な軽さを達成してみせたのだ。
1.8Lから1.9Lへボアアップした250馬力Kシリーズ! Quaife製5速クロスMTと7000万円超のデータ
車名の「VHPK」は、かつてエリーゼ Sport 190やExige S1、340Rなどに搭載された高回転型190馬力ユニット「VHPD(Very High Performance Derivative)」へのオマージュである。
ミッドシップに搭載されるのは、名機ローバーKシリーズエンジンをベースに、Analogue Automotiveが極限までチューニングを施した1.9L DOHC 16バルブユニットだ。排気量を従来の1.8Lから1.9Lへボアアップ(エンジンのシリンダー内径を広げて排気量を大きく拡大するパワーアップ手法)し、内部パーツには削り出しのビレット品や鍛造パーツをフル投入。ターボやスーパーチャージャーに頼ることなく、自然吸気(NA)のままベースから30%以上向上となる「最高出力250bhp」を発揮する。
パワーウェイトレシオは実に「400bhp/t(1馬力あたりわずか2.5kg)」。これは現代のハイパーカーやレーシングカーに匹敵する数値だ。トランスミッションにはQuaife(クワイフ:イギリスの名門モータースポーツ用トランスミッションメーカー)製のPG1 5速クロスレシオMT(LSD:リミテッド・スリップ・デフ付き)を組み合わせ、ダイレクトで官能的なシフトフィーリングを維持している。
足回りには、T45スチールパイプを用いたローズジョイント式のワイドトラックサスペンションシステムと、マルチウェイパッシブダンパー(オプションでアクティブサスペンションも用意)を採用。価格はベースとなるS1エリーゼのドナー車両代込みで350,000ポンド(1ポンド=200円換算で約7000万円+税)。初代エリーゼを愛する大富豪コレクターのために作られた、まさに究極のS1と言えるだろう。
■車両情報
車両名称:VHPK by Analogue Automotive(VHPK バイ アナログ・オートモーティブ) ベース車両:初代ロータス・エリーゼ(Series 1 / Type 111) 限定台数:世界限定 35台(シリアルナンバー入り) 車両価格:350,000ポンド + 税(約7000万円~ ※ドナー車両代金含む / 1ポンド=200円換算) 車両重量(Wet):600kg未満(1322lbs) パワーウェイトレシオ:400bhp / トン(約2.5kg/hp) 乗車定員:1名(中央1人乗り / センタードライビングポジション) エンジン:1.9L(1900cc) DOHC 16バルブ NA 「AAスペック Kシリーズ」(ローバーKシリーズベース) エンジン内部仕様:ビレット&鍛造内部パーツ(排気量1.8Lから1.9Lへボアアップ拡大) 最高出力:250bhp(ベースから30%以上向上) トランスミッション:Quaife製 PG1 5速クロスレシオ・マニュアルトランスミッション(LSD装着) ECU / ハーネス:MoTeC製 ECU / ミルスペック配線ハーネス ボディワーク:F1グレード 超軽量フルカーボンファイバー(クラムシェル、ドア、ボンネット、エンジンフード) サスペンション:T45スチール製 ローズジョイント・ワイドトラックサスペンション / AA製軽量アルミCNCアップライト / マルチウェイパッシブダンパー(※アクティブサスはオプション) ブレーキシステム:AAカスタム 300mm カーボンセラミックディスク / Pagidセラミックパッド / フロントAA製4ポットキャリパー ホイール / タイヤ:超軽量鍛造アロイホイール + ヨコハマ製トラック/ロードタイヤ(※オプションで全カーボンホイール:-12kg軽量化) 排気系:ステンレス製軽量エキゾーストシステム(200セル・スポーツ触媒 / ゴールドデュアルエンド) 燃料タンク:軽量アルミニウム製 48Lタンク インテリア:カーボン製シングルバケットシート / カーボンダッシュパネル / 紫アルカンターラ仕上げ
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みんなのコメント
そもそもがデートカーって訳じゃ無いから、これで十分か