国道429号に建設される榎峠バイパス
国道429号は、岡山県倉敷市から京都府福知山市まで続く約249kmの一般国道。そのうち兵庫県丹波市と福知山市の境にある「榎峠(えのきとうげ)」は、急勾配に加え狭小なカーブが連続しており、国道とは思えない険しさから「酷道」と揶揄されるほどの道路だ。
榎峠は、ほとんどの区間で道路幅員が5.5m以下となっており、その内最小箇所の幅員は約3mと、十分な幅員が確保されておらず、大型車の通行はもとより、普通車のすれ違いも困難な状況である。加えて豪雨で通行止めとなることも多い。地域住民や物流関係者にとっては、長年にわたって不安要素の多いルートだった。
そんな榎峠を「酷道」から脱却させるべく、丹波市と福知山市が協力して、2020年に「榎峠バイパス」の事業化が実現した。
榎峠バイパスは、榎峠の険しい急カーブを貫くようにショートカットする延長約2.4kmの道路。約1.1kmのトンネル部と約1.3kmの一般部で構成されている。幅員7.5m(トンネル部7.0m)、対面2車線、設計速度は時速50kmで計画されている。
新東名の難所「高松トンネル」で掘削進む! 最後の未開通区間「新秦野IC~新御殿場IC」はいつ開通?【いま気になる道路計画】
榎峠バイパス完成のメリットとは
榎峠バイパスの開通メリットは、大きく3つ挙げられる。
まず、交通の安全性が飛躍的に向上することだ。前述の通り、榎峠は曲がりくねった道が多いため見通しが悪く、道幅が狭いためすれ違いも困難だった。しかし、榎峠バイパスではトンネルによってカーブや急勾配が大幅に少なくなり、交通が安全かつスムーズになる。また、豪雨などの異常気象時に通行規制されていた区間を避けられるため、悪天候時の通行止めリスクも軽減され、天候を気にせず走れる道路となる見込みだ。
つぎに、物流の円滑・効率化にも大きなメリットがある。これまで大型車は丹波市と福知山市間を移動する際、国道429号を北に迂回して国道9号を使うか、南に迂回して国道175号または舞鶴若狭自動車道を使わざるを得なかった。しかし、榎峠バイパスでは、大型車も対面通行可能なため、最短ルートでの移動が可能となる。
なお、兵庫県の試算によると、現道の交通量は1日138台(2021年時点)だが、榎峠バイパス完成後は1日5000台へと交通量が増大する見込み。これは、物流だけでなく地域観光の活性化にも大きく寄与するだろう。
さらに、緊急医療活動にも追い風となる。榎峠バイパスが完成すれば、丹波市青垣町から福知山市までの移動所要時間は、現況の37分から22分へと15分も短縮されるという。これにより、重篤患者の受け入れが可能な県立丹波医療センターや市立福知山市民病院への緊急搬送時間も大幅に短縮される。
榎峠バイパス建設工事の進捗
榎峠バイパスの建設は2020年に事業化が決まり、2026年度の事業完了を目指して着々と工事が進められている。最大の難所であった「榎峠トンネル」約1.1kmは、京都府側と兵庫県側の両方から掘り進めて2025年4月に貫通。2025年6月8日には関係者や地元住民が集まって貫通式が開催された。
今後は、安全性向上のための各種施工や防水・排水設備の整備、路面舗装、照明や非常設備などの設置、出入口の仕上げという工程を経て完成される。残るトンネル部以外の一般部は2025年度以降に着手される予定だ。
このように、榎峠バイパスの整備は、地域住民の安全な暮らしを守り、産業や観光の発展にもつながる重要なプロジェクトだ。最大の難所であった榎峠トンネルも貫通していることから、今後の工期に大きな遅延はないと予想できる。開通予定とされる2026年度までの完成に期待がかかる。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
“ぐっさん”こと「山口智充」が庶民派!?な「国産セダン」公開! 6年ぶりに入手した「トヨタ車」どんなクルマ?
怒りの声&同情の声多数! 1キロのトラック列に住民が激怒!? 一斉摘発でドライバー悲鳴…「路上荷待ち問題」 誰も得しない現状、課題は山積みか
マツダが「“新”2ドアスポーツカー」発売へ! 史上最高額の「700万円モデル」は“匠”手仕上げ「2リッター高性能エンジン」搭載! 所有欲まで満たす「MSRロードスター」とは
東北新幹線の「アキレス腱」解消が見えてきた! 福島駅で進む“ミニ新線”建設はどこまで進んだ?
台湾を60年守った名物戦闘機ついに退役! じつは世界最大のユーザー 最後まで飛んでいたのは希少な独自仕様
怒りの声&同情の声多数! 1キロのトラック列に住民が激怒!? 一斉摘発でドライバー悲鳴…「路上荷待ち問題」 誰も得しない現状、課題は山積みか
この秋登場のホンダ新型プレリュードにタイプRあり!? 電動スポーツクーペの牙を研ぐか!
マツダが「“新”2ドアスポーツカー」発売へ! 史上最高額の「700万円モデル」は“匠”手仕上げ「2リッター高性能エンジン」搭載! 所有欲まで満たす「MSRロードスター」とは
日産「新型コンパクトセダン」まもなく登場! 「サニー後継機!?」は全長4.6m級の「ちょうどイイサイズ」×新“e-POWER”も搭載!? 2025年後半「新型セントラ」米国で発表に期待大
実はトヨタじゃなかった!? 日本初の“ターボ車”は45年前に登場した日産の高級セダンだった! ハイパワー時代の原点に迫る
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?