6月7日、ル・マン24時間レースのプラクティスがスタート。FP1の後には、ハイパーポールに進出する8台のマシンを決定する予選が行なわれ、フェラーリ勢が速さを見せた。
公式テストデーから数日あけて、レースウィークの走行が開始されたル・マン。初日は現地時間14時からまず3時間のプラクティスが行なわれた。
■ル・マンの”ルールにない”性能調整。トヨタWEC代表の小林可夢偉は怒り心頭「これはBoPではないらしい」
ここではトヨタのGR010 ハイブリッド8号車のブレンドン・ハートレーがセッション終盤に3分27秒742のトップタイムをマーク。僚機7号車も小林可夢偉が2番手タイムを記録し、トヨタのワンツー発進となった。3番手にはキャデラックVシリーズ.Rの2号車、その後ろにポルシェ勢が続いた。
公式テストから速さを見せていたフェラーリ勢は、このセッションでは50号車が8番手、51号車が12番手。レースに向けた作業に集中していたのか、控えめなタイムだった。
このプラクティスでは、セッション中盤に大クラッシュが発生した。D’station Racingの777号車アストンマーチンをドライブしていたキャスパー・スティーブンソンがテルトル・ルージュ手前のS字(森のS字)出口左側のガードレールにクラッシュし、跳ね返される形でコースまで戻ってきてしまった777号車に、LMP2クラスのタワー・モータースポーツ13号車が避けきれずにTボーン・クラッシュするという戦慄の事故だった。幸い両ドライバーとも無事だったが、いずれもシャシー交換が必要となり、この日実施される予選を欠場することになった。
■ハイパーポールはフェラーリとトヨタ、ポルシェ、キャデラックの争いに
現地19時から実施された予選は、ハイパーポール進出を争う1時間のセッション。各クラス上位8台が、8日の現地20時に実施されるハイパーポールでポールポジションを争うことになるが、その他のマシンはここでスターティンググリッドが決まることになる。
コースがクリアなうちにタイムを出そうと、セッション開始直後から各車が続々とコースインしていった。この最初のアタック合戦で好タイムをマークしたのはトヨタ7号車の小林。3分25秒485を記録し、セッションの前半タイムシートのトップを維持した。
その後はLMP2クラスの車両が接触やクラッシュを喫したことにより、2度赤旗が掲示。クリーンなアタックができる時間が少ないまま、セッションが進んでいった。
しかしセッション中盤には、トヨタ8号車がブレンドン・ハートレーのアタックで2番手に浮上。その後ろにキャデラックの2号車、3号車が続く形となった。
そして残り20分を切り、フェラーリ50号車のアントニオ・フオコが小林のトップタイムを更新。51号車のアレッサンドロ・ピエール・グイディがさらにそれを上回ったかと思えば、50号車がさらにタイムを更新するというフェラーリ同士のタイム更新合戦が繰り広げられた。
その後は、スピンやマシンストップが続きスローゾーンが設定されたこともあって、ハイパーカークラスでは目立ったタイム更新がないままセッションが終了となった。
結果的に、ハイパーカークラスはフェラーリとトヨタ、ポルシェ、キャデラックが2台ずつハイパーポールに進出。ただポルシェは、普段IMSAに参戦している75号車が6番手となった一方で、WECにフル参戦している6号車が9番手とハイパーポール進出を逃した。
なお、ポルシェのカスタマーチームであるハーツ・チームJOTAの38号車は、ハイブリッド関連のトラブルでタイムを出すことができなかった。
LM-GTE Amクラスでは、木村武史擁するケッセル・レーシング57号車フェラーリ、および日本人トリオ(辻子依旦/ケイ・コッツォリーノ/横溝直輝)がドライバーを務めるポノスカラーのケッセル・レーシング74号車フェラーリもハイパーポール進出を果たしている。
ハイパーポール進出を決めたマシンは以下の通りだ。
ハイパーカークラス
#50 Ferrari AF Corse
#51 Ferrari AF Corse
#7 Toyota Gazoo Racing
#8 Toyota Gazoo Racing
#5 Porsche Penske Motorsport
#75 Porsche Penske Motorsport
#3 Cadillac Racing
#2 Cadillac Racing
LMP2クラス
#28 JOTA
#41 Team WRT
#63 Prema Racing
#48 IDEC Sport
#10 Vector Sport
#47 COOL Racing
#923 Racing Team Turkey
#9 Prema Racing
GTE Amクラス
#83 Richard Mille AF Corse
#54 AF Corse
#33 Corvette Racing
#25 ORT by TF
#57 Kessel Racing
#55 GMB Motorsport
#21 AF Corse
#74 Kessel Racing
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