クルマに無関心だった女性が、Z33ロードスターで人生の選択を変えていった
クルマにまるで興味がなかった女性が、1台のフェアレディZと出会っただけで人生の進路まで変えてしまった。免許を取ったばかりのころ、見た目だけで選んだZ33ロードスター。それがいまやレースアンバサダーという仕事へと彼女を導いた。楓 紗季さんが語る、色濃く染まっていった“Zライフ”を紹介する。
彼女の日産Z34型「フェアレディZ」はレッド✕ブラックで統一!
楓 紗季さんが初めての愛車にZ33型フェアレディZロードスターを選んだ理由
すべては父親への一言から始まった。カーショップを営む父親に「初めての愛車はとにかく他と被らないクルマがいい」と告げ、複数挙げられた候補のなかからZ33型「フェアレディZ」ロードスターを選んだ。ここから彼女の日常が動き出す。
取材したのはイベントコンパニオン派遣事務所COAに所属する楓 紗季(かえでさき)さん。業界2年目(取材当時)のレースアンバサダーだ。免許を取る前はクルマにまったく関心がなく、Zを選んだ決め手も完全に見た目だったと明かす。
「免許を取る前はクルマにまったく興味がなく、クルマを選んだのも完全に見た目でした。ただ、クルマを手に入れたいという思いは強かったです」
選んだのは上級グレードのVersion T(2005年式)。ボディカラーは、どんな色にも染まっていける自分に重ねてスパークリングシルバーを選んだ。搭載エンジンは3.5リッターV型6気筒自然吸気のVQ35DE型で、最高出力は280psを発生する。破れていた幌は好みのワインレッドへ張り替え、自分らしさを1台に加えた。
Z33ロードスターに施したフジツボ製マフラーやTEIN車高調などのカスタム内容
楓さんのZ33は、細部まで自分の感性で仕立てられている。マフラーはオプションのフジツボ製で、タイコを黒に塗装した。足まわりはTEINのFLEX-Zへ交換し、室内から減衰力を調整できるEDFC5を組み合わせている。走りの印象が変わる仕様だ。
ホイールはVOLK RACINGのSF-WINNINGを選択。ピアスボルト付きのメッシュデザインが、スポーティなZ33を大人の雰囲気へと引き上げている。エンブレムは米国で人気のZ文字タイプに交換し、ヘッドライトバルブはVELENO(ヴェレーノ)のLEDを装着して夜間走行にも備えた。
本革シートはVersion Tの証だ。室内には2DINナビを備え、ダッシュボードパネルをカーボン調に仕上げて、さりげなくイメージを変えている。納車直後はハンドルの重さに「わたしが乗れるのかな」と不安を覚えたそうだ。慣れるにつれてその印象は消え、踏めば速く、思いどおりに走れる面白さに気づいた。いまでは背の高いクルマでは物足りなくなったと語る。
Zのオフ会参加をきっかけにレースアンバサダーへ。楓 紗季さんの転機
週末のドライブから始まった付き合いが、大きく動いたのは2020年だった。新型コロナウイルスの蔓延で世の中に閉塞感が広がり、楓さんの気持ちも落ち込んでいた。その姿を見かねた父親が「せっかくクルマがあるなら、試しにZのオフ会に行ってみたら」と背中を押した。
初めて足を運んだオフ会で、彼女は刺激を受ける。
「オフ会はマニアックで何を言っているか分からなかったけれど、クルマに対して情熱を注いでいる人がこんなにいるからこそ、強く興味を引かれました」
周囲のほうが自分の愛車について詳しいことが悔しく、帰宅後は父親に質問を重ねた。初めて取扱説明書を開いたのもこのころだ。愛車を知りたい気持ちが高まり、オフ会へ通う回数も増えていった。イベント参加に加えてSNSの発信頻度を上げ、Zを通じてクルマ趣味へどっぷりと漬かっていく。仲間とのつながりは、いまや彼女にとって欠かせないものになった。
撮影は、楓さんがレースアンバサダーになるきっかけとなった群馬のD’z GARAGEでおこなった。カー漫画「頭文字D」の聖地としても知られる場所だ。周囲から「SNSで愛車の写真を投稿してみては」と勧められたことも、活動の幅を広げる後押しとなった。現在は全日本スーパーフォーミュラのkid com Team KCMGでサポートガールを務め、応援してくれる人も少しずつ増えている。
「Zといえば楓 紗季」と呼ばれたい。彼女が描く今後の目標
楓さんが見据える先は、自分だけの世界にとどまらない。老若男女を問わず、より多くの人にスポーツカーを所有する楽しさを伝え、その裾野を広げたいと考えている。
「次の目標は老若男女、より多くの人にスポーツカーを所有する楽しさを伝え、その裾野を広げるお手伝いをしたい。その活動を通じてZといえば楓 紗季と呼ばれるような存在になれたら最高ですね」
いまは顔を覚えてもらう時期だと考え、クルマ関連の仕事なら可能な限り引き受けているという。露出が増えれば、Zの仲間が喜んでくれる。それも張り合いのひとつだと話す。仕事の幅を広げるため、現在は新たな企画も進行しているそうだ。
クルマに無関心だった一人の女性が、たった1台のZと出会って進む道を変えた。楓 紗季さんにとってフェアレディZは、単なる移動の道具ではなく、人生に彩りを添えてくれた相棒である。その歩みは、これからさらに色濃いものになっていくにちがいない。
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みんなのコメント
数年前に見た白のZ33ロードスターに乗った老夫婦、優雅に走り去る姿がカッコ良かったなぁ…