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トヨタ「GRヤリス」が進化! わずか1年で改良…「ステアリング&足回り」を刷新し「最新が最良」を体現! 現場とユーザーの声でさらに磨かれた「26式」の実力とは?【試乗記】

掲載 更新 6
トヨタ「GRヤリス」が進化! わずか1年で改良…「ステアリング&足回り」を刷新し「最新が最良」を体現! 現場とユーザーの声でさらに磨かれた「26式」の実力とは?【試乗記】

■ユーザーの声と現場の知見が磨いた「26式」の進化とは?

 2020年の登場以来、発売後も現状に満足することなく、「もっといいクルマ」を目指して開発が継続されているトヨタ「GRヤリス」。

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 モリゾウこと豊田章男会長の「鍛えた結果は、できるだけ早いタイミングでユーザーに還元すべき」という信念に基づき、2024年には多岐にわたるアップデートを施した「24式(進化型GRヤリス)」が登場しました。

 フルモデルチェンジ並みの変貌ぶりに、筆者(山本シンヤ)は当時、「量産車として1つの完成形」だと感じましたが、その後も開発の手が止まることはありませんでした。

 翌2025年には、ユーザーの“困りごと”を愚直に反映した「25式」へ。そして2026年、「さすがに今年はステイだろう」という筆者の予想を裏切り、「26式」へのアップデートが行なわれました。

 今回はサーキットではなく、富士スピードウェイ近郊の一般道を中心に試乗しました。25式からわずか1年という短期間で、「ユーザーが納得できる伸びしろはあるのか」という不安も正直ありましたが、結論から言えば、今回も「なるほど!」と唸らされる進化を遂げていました。まずは、その変更点から紐解いていきましょう。

 1つ目は「GRステアリング」の採用です。これまでGRヤリスのステアリングは、他のトヨタ車と同じ形状のものを採用していましたが、コンペティションユースでは「ベストな位置に手を置くと、ステアリングスイッチを誤操作してしまう」という指摘が、プロ・アマ問わず寄せられていました(実は筆者も伝えていた一人です)。

 そこで開発陣はこれを受け、「それなら専用品を作ってしまおう」と動いたのが、これになります。

 ぱっと見はレースカーのようなデザインが注目されがちですが、小径化(365→360mm)に加え、プロドライバーと煮詰めた左右グリップ形状や、スイッチ類のレイアウト変更(左にインフォテインメント、右に運転支援と完全分離)など、機能面が大きく向上しています。

 その一方で、機能の一部(MODE/電話ボタン)が省かれたのは、前モデルオーナーとしては少々残念ですが、操作性の向上はそれを補って余りある朗報と言えるでしょう。

 2つ目は「EPSの改良」です。従来モデルでは、ハイグリップタイヤ/幅広タイヤを履いた状態でサーキットを高負荷走行した際に発生していた「アシスト切れ」。

 2025年のニュルブルクリンク24時間耐久レースでも露呈したこの課題を、開発陣は「量産車だから」と割り切ることなく真摯に受け止めました。

 トルクセンサー内トーションバー剛性の最適化とソフトウェア制御の変更により、あらゆる領域でスムーズな操作を可能にしています。

 加えて、ドライブモード・ノーマル時の特性も、普段乗りでの取り回し性を考慮した設定(アシスト量アップ)へと変更されています。

 3つ目は「フットワークの最適化」です。GRヤリス最上位グレード「RZハイパフォーマンス」のタイヤは、騒音規制への対応を機に、ミシュランのパイロットスポーツ4S(PS4S)から、新開発のブリヂストン「POTENZA RACE(ポテンザレース)」へと変更されました。

 PS4Sのトータルバランスを超えるタイヤを作る―そこで名乗りを上げたのがブリヂストンで、「一緒にいいタイヤを作りましょう」と、ニュルブルクリンク24時間/S耐で培ってきた技術・ノウハウを惜しみなく投入。

 規制をクリアしながら、グリップ性能の維持と限界域でのコントロール性向上を実現しています。ちなみに「RZ」のタイヤは、ダンロップのSP SPORT MAXX 050から変更はありません。

 タイヤ変更に合わせてサスペンションも最適化。POTENZA RACEはPS4Sより縦バネ剛性が強いそうですが、クルマ全体のバランスは25式を維持するため、ショックアブソーバーは微低速域の減衰を下げ、中速域では伸び側の減衰も下げる方向へ特性変更が行なわれています(スプリングは変更なし)。

 4つ目は「装備類の見直し」です。24式から採用された縦引きパーキングブレーキは、25式で全グレード対応となりましたが、26式では縦引きパーキングブレーキ+コンフォートパッケージ選択時でも、シートヒーター&ステアリングヒーターの装着が可能になっています。

 このあたりは、コンペティションユース向けに設定された縦引きパッケージが、予想以上に一般ユーザーから支持されている証拠でもあります。

 さらに、GRヤリスユーザーでもある筆者は、リリースに載っていない細かな変更も見逃しません。

 ルームミラーの外枠が薄型タイプへ進化(視界性アップ)、オド/トリップのハードスイッチ廃止(メーター内操作化。跡地は将来登場予定の“何か”に使われるらしい)、車載ECUの変更(ソフトウェアアップデートが24式/25式対応のみなのはそれが理由)なども行なわれています。

 このように、26式は走りに関わる“大物”中心のアップデートですが、一体どのような進化が感じられたのでしょうか。

■一般道でも伝わる進化、「最新が最良」を実感

 走り出してまず驚かされるのが、GRステアリングのフィット感です。従来より革の触感は若干硬めですが、煮詰められた断面形状は、軽く手を添えるだけで自然に馴染みます。

 加えて、ステアリングスイッチのレイアウト変更によって、手のひらを理想的な位置に置けるようになったことで、操舵時の押し操作もより自然になりました。操作性が増したことで、操舵レスポンスも確実に向上しています。

 今回は一般道試乗のため、高負荷時のEPSアシスト変更までは体感できませんでしたが、ノーマルモード時のEPS制御は、単に軽くなっただけではありません。

 フリクション感の少ないスッキリとした操舵感(ステアリング小径化で慣性が減った)、そしてより濃厚な直結感(タイヤ変更の効果)などから、「扱いやすいのに対話性が増した」フィーリングと言えるでしょう。

 フットワークは、「ミシュラン→ポテンザだから結構変わるかな?」と思いきや、基本的には25式とほぼ同じ印象でした。

 ポテンザ特有のネットリしたグリップ感や鋭い操舵レスポンスを予想していましたが、実際にはサラッとしたグリップ感と穏やかな操舵レスポンスで、「ミシュランっぽいポテンザだな」と感じました。

 開発ドライバーの大嶋和也選手にその印象を伝えると、「PS4Sの良いところを踏襲しながらも、『ここがこうだったらいいよね』という課題を、BSさんと一緒に作り込みました」と教えてくれました。

 タイヤに合わせて最適化されたサスペンションは、まるでバネ下が軽くなったかのような軽やかな足の動きと、より軽快なレスポンスを実現。

 さらに、エアロパフォーマンスパッケージなしでも、高い接地性と直進安定性を両立しています。

 タイヤ重量自体はPS4Sより重いそうですが、フィーリングが逆に感じられたのは、タイヤとダンパーに加え、操作性が向上したステアリング、そしてEPS制御のバランスが高い次元で噛み合っている証拠と言えるでしょう。

 25式のハンドリングを、筆者は以前「全体的に緊張していた筋肉がほぐれた」と例えましたが、26式は「ほぐれた筋肉に、さらにしなやかさが増した」印象です。

 結果として、全開走行をしていない日常域でも、「気持ちいいよね」「一体感あるよね」と感じられる走りを実現しています。

 GRヤリスは「戦うクルマ」なので、絶対性能を落とすことは決してありません(全開走行は、どこかで必ず試します)。

 ただ、「GRカローラ 25式後期」と同じように、走りの本質を極めたからこそ辿り着ける「駆け抜けなくても感じられる喜び」が増したのかなと感じました。

 乗り心地については、入力の角が少し丸くなり、ショック吸収時も従来モデルよりストロークを使って減衰させている印象(しなやかさがある)で、乗員に伝わる衝撃や振動が抑えられ、快適性はわずかながら向上しているように感じました。

 そろそろ結論にいきましょう。26式の仕上がりを見る限り、「伸びしろに納得」「最新が最良」であることは疑いようがありませんし、進化の方向性もまったくブレていません。

 25式の記事で筆者は、「GRヤリスの進化は、ワインが熟成して味わい深くなっていく感覚に近い」と書きましたが、26式の出来は「味は濃いけれど、後味はスッキリ系」といった印象でしょうか。

 ただ、今回も26式であることが一目でわかる“アイコン”や“アクセント”がないのは残念です。

 これは25式GRヤリスの時にも述べましたが、「従来モデルから思わず買い替えたくなる魅力」や、「中古車になった時の道しるべ(価値につながる)」は、スポーツカーにとって機能と同じくらい大切な要素だと筆者は考えています。

 このあたりは、4WDスポーツの先輩たち―ランチア「デルタ HF インテグラーレ」や三菱「ランサーエボリューション」、スバル「WRX STI」を、もっと見習ってほしいところです。

 24式のリアルユーザーの一人としては、「車検前に愛車がもう2世代前のモデルになってしまったのね」と思うところもありますが(汗)、“もっといいクルマづくり”にゴールはありません。

 開発陣の皆さん、今後もモリゾウさんとプロドライバーと共に、ガンガン進めてください。(山本シンヤ)

文:くるまのニュース 山本シンヤ
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みんなのコメント

6件
  • Dk
    せっかく進化したのだから、ニュルのタイム測って欲しい。
    トヨタは真面目だから、挑戦も開発費用として見てしまうのか?
    お遊びでやって欲しいよね。
  • del********
    3気筒?プッ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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