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“最後のレース”で逆転勝利のMSRアキュラ。残り2時間で「終わったと思った」/IMSAプチ・ル・マン

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“最後のレース”で逆転勝利のMSRアキュラ。残り2時間で「終わったと思った」/IMSAプチ・ル・マン

 2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権最終戦プチ・ル・マンを大逆転で制したメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)の60号車アキュラARX-06陣営。コリン・ブラウン、エリオ・カストロネベスとともに勝利を遂げたトム・ブロンクビストは、残り2時間の時点で「レースが終わったと思った」という。

 MSRは10月14日にアメリカ・ジョージア州のロード・アトランタで行われた2023年第11戦の10時間レース終盤、一連のイエローコーションを利用して最後の燃料スプラッシュを回避したが、フィニッシュまで2時間ほどの時点では、彼らは8位まで順位を下げていた。

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■冷えたタイヤでの、驚異のリスタート

 残り30分の時点で迎えたイエローからのリスタート、ブラウンは同様の作戦を採っていたチップ・ガナッシ・レーシング01号車キャデラックVシリーズ.Rからリードを奪い、その後の最終盤の2回のイエローをかいくぐり、トップチェッカーを受けた。

 1月の開幕戦デイトナ24時間では優勝を飾ったMSRだが、このレースでタイヤ空気圧データを操作していたとしてドライバーポイントおよびチームポイントを200点剥奪されたことも影響し、最終的にブロンクビストとブラウンはチャンピオンタイトルを逃すこととなった。

 彼らは、GTPクラスのチャンピオンとなったピポ・デラーニ/アレクサンダー・シムズに、最終的に22ポイントの差をつけられた。

「今年は3勝した。チャンピオンシップは獲得できなかったが、この2シーズンをこのチームで過ごせたことを誇りに思うと同時に、これ以上ないほど感謝している」とブロンクビストは述べている。

「ともに多くのことを成し遂げてきたし、いくつかのレースでも勝ってきた。チームの雰囲気がとてもいいんだ。彼らはハードワークし、決してあきらめない」

「残り2時間のところで、僕らのレースは終わったように見えた」

「クルマから降りたときには、かなり古くなったタイヤで瀕死の状態だった。でも、みんなは決してあきらめなかったし、いくつかのことが僕らに味方してくれた。僕らはそれらを活用したし、特にコリンがそうだったね」

「あのリスタートでは、彼はコールドタイヤで驚異的な走りを見せてくれた。コールドタイヤでのリスタートを好む人はいないと思うけど、彼はそれが好きなんだ」

「コリンは適切なタイミングでマシンに乗っていたということだよ」

■「クリーン・エアを得られれば、いい形になると思っていた」

 タイトルを獲得する現実的なチャンスが無いなか、ブラウンはCGRのバン・デル・ザンデに挑んだリスタートについて「失うものはあまりなかった」と語った。

「難しいことは分かっていた」とブラウン。

「僕らはアメリカン・ル・マン・シリーズ時代にLMPC(ル・マン・プロトタイプ・チャレンジ)でも互いに長い間レースをしていて、彼とのレースはいつも楽しいものだ」

「確かに、僕にとってレンガーはいつもとてもハードだけど、とてもフェアでクリーンなレースをしてきた」

「すべてが勝負になると思っていたんだ。クリーン・エアを得ることができれば、いい形になると思っていた。すべてをそろえることができたんだ」

「僕らに失うものはそれほど多くなかったし、彼らもチャンピオンシップという意味では同じような状況だったと思う」

「大きなコミットメントになることは分かっていた。すごいことだよ。それが実現できて良かった」

 60号車アキュラは、レースの2時間目にポール・ミラー・レーシングの1号車BMW M4 GT3と接触してマシンにダメージを負い、リヤ・トーリンクの交換が必要となった。これにより2周おくれとなったところからカムバックを果たしての優勝となった。

 既報のとおり、MSRは今季限りでアキュラARX-06でのIMSAのプログラムを終了する。チーム最後のレースで勝利した意味について、ブロンクビストは次のように語っている。

「本当に素晴らしい一日だった。このような結果が出たとき、これが実質的に最後のレースで来年は参戦しないことを誰もが知っている状況で、チーム全員の顔に感情が表れているのを見るのは、本当に特別でクールなことだった」

「周回おくれを取り戻したとき、僕らは時に速く、賢く、クルマをセーブしなければならなかった。今日はそのすべてがうまくいったと思う」

「メイヤー・シャンク、アキュラ/HPD(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)のみんなを誇りに思う。とんでもない1日だったのは確かだよ」

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