F1サウジアラビアGPは過酷なコンディションになる？ オコンは猛暑に備え「全員にとってチャレンジになるだろう」

　ハースF1ドライバーのエステバン・オコンは、今週末のF1サウジアラビアGPがフィジカル的に要求の高いレースになると予想して準備を進めている。

　天気予報によると、決勝レース時の気温はナイトレースであるにも関わらず27度前後で推移すると予想されている。この暑さは難易度の高い高速ストリートコースでのレースをさらに難しいものにすることになりそうだ。

　紅海の海岸線に沿った細長い形状となっているジェッダのコースレイアウト。27個のコーナーを持つが、平均速度は1周250km/h以上。2021年の初開催以来、オコンにとってお気に入りのコースとなっているという。

「このサーキットはドライバーにとって本当に過酷なサーキットだと思う。とても速く、グリップが高い。1周を通してタイムを稼ぐにはウォールに近づく必要があるんだ」

　今季は第2戦として開催されていたここ数年よりもレース開催時期が遅いため、気温が現在の予想よりもかなり高くなる可能性がある。オコンは猛暑と高い湿度に見舞われると予想している。

「今年は例年よりかなり遅い時期の開催となるため、気温は40度前後になるかもしれない。だから僕たち全員にとってチャレンジになるだろうし、暑さへの準備が必要だ」



　ナイトセッションでも湿度は50％前後になると予想されており、こうした極端なコンディションが現実のものとなれば、ドライバーたちの肉体的負担は大きくなり、この精神的に難しいサーキットはさらに難しくなるだろう。このようなレイアウトでは、集中力を維持することが最も重要だ。

「全体的には、サウジでのレースを楽しみにしているよ」

　F1はこうした事態に備えて、今季からドライバー冷却ベストを開発。サーキットの周囲に設置されたFIAのセンサーで周囲温度が31度を超えた場合、マシンに搭載されることになる。

　しかしオコンは今年3月のプレシーズンテストの段階で、現状ではスペース的な面で使用できないと評価していた。

「今のところ、冷却ベストは使えない。周囲にチューブがあるのはいいんだ。背中にもチューブがあるけど、それも問題ない。でも腰のサイドに巨大なテニスボール的なモノがある」

「ここ（胸）につけるとベルトで痛む。背中につけるとシートに収まらない。今のところ、少なくとも試した限りでは、僕らは使えない。他のドライバーの話を聞くと、似たようなものらしい」

「FIAが解決策を提示してくれたのは良いことだ。でも現時点では、少なくとも僕らは使えない。他のドライバーのために言うわけじゃないけど、僕とオリー（オリバー・ベアマン／ハース）は使えない」

　今のところ、このシステムを使うかどうかはドライバーに選択権があるが、2026年からはFIAが使用を義務化する予定だ。